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アルストロメリアのお菓子屋さん (本文完結済) ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
6章

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糖楓

土曜日(つちのひ)なので、城に行った。


メイプルたちからのリクエストは、生菓子だった。

お店で出したことがあるもので構わないので、5つずつお願いします。と言っていた。

何故5つなのだろうと思い尋ねると、自分達のおやつの他、世界樹様に奉納する分と、もし使えたら、木の実で増やす分らしい。なるほどと思い、ユリは了承した。


特に希望する種類は無いと言ったメイプルと違い、アネモネは、生チョコを入れてくださいと言っていた。


少しすると養育係のシッスルが来て、ユメ様からいただいたクッキーというものをお願い致します。と言った。何の事かと思ったら、プラタナスのリクエストらしい。


「ユメちゃん、プラタナス君に渡したのって、黒猫クッキーよね?」

「それしか持ち歩かないにゃ」

「あれ? そう言えば、世界樹様のクッキーは持っていった方が良いのかしら?」

「キボウが持って行ったと思うにゃ」

「そうね」


ユリはキボウを探してキョロキョロとした。


「ところで、キボウ君はどこ行ったの?さっきまでいたのに」

「シッスルに付いていったにゃ」

「置いて帰って良いのかしら?」

「酷いー!って言われるにゃ」

「あはは、やっぱり?」


『ユリです。キボウ君、帰りますよー』


ユリは以心伝心をキボウに送った。


『さきかえっていーよー』


「ユメちゃん、以心伝心を送ったら、先帰って良いよーって送ってきたわ!」

「置いて帰るにゃ!」

「おうちに帰って、メープルクッキーでも作りましょう」

「新しいクッキーにゃ?」

「そうね」


ユメと二人で先に帰ってきた。


「ユリ、ソウも置いてきて良かったのにゃ?」

「ソウは、国王(パウローニア)さんにご用が有るらしいわよ」

「珍しい人選にゃ」


ソウは、ちょっとパウローニアに話があるから、先帰って良いからな。と言って、城で別れたのだ。ユリは政治に介入したくないので、その手の話はソウに任せてある。一時帰宅組が明日帰ってくるので、その関連だろうと考えていた。


「クッキー作るけど、ユメちゃんはどうする?」

「手伝うにゃ!」


メープルシュガーがあれば、砂糖と同じように使えるが、メープルシロップしかないので、卵抜きでバタークッキーの生地を作った。


「これをね、この(かえで)の葉の型で抜いて、葉脈の模様スタンプを押します」

「葉っぱみたいにゃ!」

砂糖楓(メイプル)も、鈴懸の木(プラタナス)もこんな感じの葉っぱだからちょうど良いと思うのよね」

「アネモネはどうするにゃ?」

「んー、リラちゃんに頼みましょうか?」


残りも型抜きし、葉脈スタンプを押し終えた。


「さあ、焼きましょうね」


メープルクッキーを焼いている厨房は、メープルの甘い匂いが充満していた。


「ホットケーキになった気分にゃ」

「うふふ。服にも匂いがつきそうね」


ユメとそんな話をしていると、ユリを呼ぶ声が聞こえた。


「ユリ様ー!」

「リラにゃ」

「リラちゃんの声ね」


倉庫側から入ってきたリラは、笑顔で寄ってきた。


「美味しそうな匂いがします!新しいお菓子ですか?」

「メープルクッキーを作っているわ」

「これは教えていただけるのですか?」

「ええ、かまわないわよ。あ、そうだ!リラちゃん、アネモネでクッキー作ってくれる?5枚ほど」


ユリはさっさと頼むことにした。


「アネモネ柄のクッキーは、王宮の厨房にお世話になっていた頃に作りましたが、それでよろしいですか?」

「それで良いわよ。頼んだわね。期限は今月中、できれば2週間以内で頼むわね」


話している間にクッキーが焼け、ユリはオーブンから出しに行った。


「うわ!模様つき!」

「美味しそうにゃ!」

「食べてみて良いわよ」


荒熱をとったクッキーを食べてみた。


「美味しー!」

「ホットケーキの味にゃ!」

「ホットケーキってなんですか?」

「あれ? ホットケーキって、作ったことなかったかしら?」

「私は、()()、と思います!」


リラが、食べたい!と暗に主張していたので、作ろうと思った。


「簡単だから今作るわ」

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