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アルストロメリアのお菓子屋さん (本文完結済) ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
6章

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丹頂

休憩を終え、再びクレーンシューを作り始める。


「何しますか?」

「ボディーを、スワンと同じようにカットします」

「上、1/3くらいですね」


「首はどうするにゃ?」

「この絵のように、下側と、上側にホワイトコーティングチョコをつけ、頭頂部に、イチゴの粉をつけます」


ユリの下手すぎる絵に、全員が理解不能といった顔をした。みんなの反応で、伝わっていないことに気がついたユリは、図鑑を持ってきて、リラに説明した。


「この鳥が、丹頂鶴ね。ほら、頭が赤くて、首は黒くて、頭の辺りと首の付け根に白い部分があるでしょ?」

「はい。良くわかりました!」

「リラちゃんが図解してくれる?」

「はい!」


リラは、白い紙に、赤、黒、水色を使って、分かりやすく図解を書いてくれた。背景が水色で、白い部分は、紙の色だった。


「こんな感じで良いですか?」

「完璧ね!」


リラの描いた絵をもとに、ホワイトコーティングチョコの付け方と、イチゴの粉の付け方を実践で説明することにした。

まずは、ホワイトコーティングチョコを溶かした。


首部分を持ってリラが呟いた。


「このままでは黒いですね」

「そうなのよ! なので、赤い粉砂糖を作りまーす」

「赤い粉砂糖にゃ?」

「まずは、フリーズドライイチゴか、乾燥ビーツを用意します。粉末にして、粉糖と混ぜます」


粉糖に、粉末にしたフリーズドライイチゴを混ぜた。混ざってしまうと、粉糖の白にイチゴの色が飲まれ、うっすら赤い粉になった。


「あまり赤くないですね?」

「ここに、水、もしくはレモン果汁を少々加えます」


ユリは、粉糖の入ったビニール袋にレモン果汁を混ぜた。


「うわ!赤くなってきた! 」


水分を含んだところから真っ赤になっていく。


「これを揉み揉みして均一化します。

このままかためると、ラムネなようなものができますが、裏ごし網で細かくします」


およそ混ざってから、網を通して、サラサラの状態にし、赤い粉糖が出来た。


「赤い粉は、一旦置いておきます」


粉の次は、首部分を手にし、説明をはじめた。


「S字の下部分にホワイトチョコをつけ乾かします」


さっとつけ、クッキングシートの上に並べていく。説明だけなので、10個程度だ。


「乾かす間に、桃を切ります」


缶詰の桃を細かく刻んだ。


「S字の上部分にホワイトチョコをつけ白くします。頭頂部だけに、先程の赤い粉をつけます」


下部分のホワイトコーティングチョコが乾いたものに、上側の赤い飾りの付け方を実践して見せた。


「本物に似てるにゃ!」

「生クリーム200ml泡立てます」

「はい、泡立てます」


リラが手動で泡立ててくれるらしい。


「シェルで絞ったシューの上側を切り取ります。

切った蓋部分を縦半分に切ります」


みんな知っていると思い、簡単な説明にとどめ、ユリがカットしていった。


「首をつけない本体に、クリームを絞り、羽をつけたら粉糖をふるいます」


カスタードクリームをしぼり、桃を少しのせ、リラが泡立ててくれた生クリームをしぼり、翼をのせ、粉糖を振るうところまで作った。


「尻尾側にブラックココアをふるいます。本体に紙をあて、ブラックココアが余計にかからないようにします」


尻尾だけにブラックココアがかかるようにした。


「先に作っておいた首を本体に差し込み、完成です!」


クレーンシューが完成した。


「自分の分を作ってみてください」


面白がって、みんなが作り、ユリはいない人の分も仕上げた。


「すごいにゃ!鶴になったにゃ!」


「リラちゃん、新年の挨拶と、丹頂鶴の絵を描いてくれる?」


ユリはマジックペンと模造紙と図鑑を手渡した。


「この大きな紙いっぱいに書くんですか?」

「お店に貼るから、貼れる程度の大きさに切って良いわ。お願いしまーす」


リラは要らない紙を持ってきて、模造紙の下に敷き、マジックペンでサラサラと簡単に挨拶と、丹頂鶴を描いた。


その紙を店内に貼りだし、クレーンシュー作りは終了した。


「出来上がったクレーンシューは食べちゃって良いわよ」


ユリは、5つを帰るリラに持たせた。

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