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アルストロメリアのお菓子屋さん (本文完結済) ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
6章

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年始

朝ご飯を食べ終わってからソウに聞かれた。


「ユリ、お店っていつからだっけ?」

「営業は11日火曜日(かえんのひ)からよ。作るのは、前日の10日月曜日(つきのひ)ね」

「やっぱりそうだよな」

「どうかしたの?」

「ユリ、年末の営業最終日に、客に聞かれて何て言ってある?」


何か言ったかしら?と良く考えてみた。


『年明けはいつから始められるのですか?』

『9日までお休みで、11日から営業します』


思い出しても、問題はなさそうだった。


「11日からと言ったわ」

「休みを聞かれてなんか言った?」

「9日までお休みで、11日から営業します。と言ったわ」

「それか」

「え?」

「9日まで休みしか伝わってないっぽい」

「んー、以前と違ってランチ出さないから、10日からでも良いけど、みんな来るのかしら?」

「並ぶ勢いで来ると思うぞ?」

「お正月っぽいもの出した方が良い?」

「持ち帰りだけ売れば良いんじゃないか?」

「三色胡桃餅(くるみもち)でも売る?」

「スワンシューとかの方が良いんじゃないか?」

「んー、頭赤くして、鶴として売りましょうか」

「良いんじゃないか」

「鶴って、英語でなんて言うの?」

「クレーンかな」

「なら、クレーンシューね!」


売るものが決まったので、ユリは詳細をつめるべく、図鑑を持ってきた。

頭が赤いだけじゃなく、首と尻尾の先が黒いのね。

首は、ブラックココアを混ぜて焼きましょうか。頭に赤いチョコをつけて、クリームは、桃味とかどうかしら?


(ユリにしか理解できない)絵を描きながら、クレーンシューの構想を練った。


そういえば、 ひとつ用の箱はまだ有るのかしら?

心配になり探しに行くと、ちょっと驚く数の在庫があった。

ソウがひとつ上の単位で購入してきたのだ。


いっぱい買ってきたようなことは言っていたけど、2~3倍買ったって意味だと思っていたわ。

だから何度かに分けて運んでいたのね。


予想以上に箱の在庫があったので、思う存分売りましょう!とユリは考えたのだった。


不足するものを確認し、再開の予定もたてたので、少しゆっくりしましょう。と、部屋に戻り、ベッドにのびて思い出した。


カエンちゃん、今日も来るかしら?


ソウの部屋に行き、聞きに行った。


「ソウ、カエンちゃん、今日も来るかしら?」

「来るとは思うけど、正月だからどうだろうな?」

「ちょっと行って、予定聞いてこようと思うの」

「俺も行くよ」


そのままソウの部屋から転移して、カエンの屋敷に行った。


「御兄様、ユリお姉さま、すぐに参りましょう!」

「え?」


遠くから、呼んでいる声が聞こえた。


「カエン様ー!カエン様ー!」「月姫様ー!」

「呼んでるけど良いの?」

「良いのです。さ、早く」


扉を開けて、カエンの弟のタキビが入ってきた。


「姉上ー!」

「タキビ!おじさまたちは?」

「反対方向を教えておきました」

「ありがとう!」


「ユリ、カエンを頼む」

「はーい」


ソウとタキビを残し、カエンをつれて転移した。



◇◇◇◇◇◇


(ソウとタキビ)


「ソウ様、姉上をよろしくお願い致します」

「言おうと思ってたんだけど、ソウ様じゃなくて、兄でも良いぞ。でも名前で呼ぶなら、様じゃなくて、さん付けにしておいてくれ」


タキビは輝くような笑顔でソウを呼んだ。


「はい!ソウ兄上!」

「ま、いっか。カエンから聞いたけど、結界張れるんだって?」

「結界しか張れませんが」

「いや、結界張れるやつの方が少ないんだぞ?」

「姉上やソウ兄上のように、凄い術が使えません」

「いや、だから、結界は凄い術なんだって」


バタバタと走り回っている音が聞こえる。


「カエン様ー!」「カエン様ー!」「月姫様ー!」


「捜索が来ますので、ソウ兄上は帰られた方が」

「そうだな。じゃ、また来るから」

「姉上をよろしくお願い致します」


◇◇◇◇◇


ソウも戻ってきた。


「で、何でカエンは逃げてたんだ?」

「・・・だって、嫌だったんですもの」

「何が嫌だったんだよ?」



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