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アルストロメリアのお菓子屋さん (本文完結済) ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
6章

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贈物

朝起きてリビングにいくと、メモと一緒に巾着袋が置いてあった。


◇ーーーーー◇

ユリとソウとキボウへ。

贈り物を作りたくて頑張りました。

あまり上手に作れなかったけれど、

良かったら貰ってください。

              ユメ

◇ーーーーー◇


青っぽい花柄の巾着袋、金糸の入った黒い巾着袋、葉っぱの模様の巾着袋。

私のはきっとこれね。と、ユリは青い花柄の巾着袋を取った。


最初の作品から見ると、天と地ほどの差がありそうな立派な巾着袋だった。ユリの片手を広げたくらいのサイズで、使い勝手が良さそうだ。


「何を入れようかしら。そうだわ!」


ユリは、ソウから貰った青い宝石「夢の瞳」の指輪をケースに入れ、巾着袋にしまい、部屋のベッドの頭側にある台に置いた。


魔道具の指輪は、普段 首から下げているが、宝石がついた指輪はケースにしまっている。昨日、一昨日は、外出するときには身に付けていたが、和服に宝石つきの指輪はかなりリスクがある。袖口の縫い目に引っ掛かってしまうのだ。


それでも、青い宝石の指輪は、ソウが婚約指輪としてくれたのだと思い、正装の時は使用していた。


あれ? そういえば、私から結婚を言い出したのだから、私もソウに何か贈るべきかしら?

ソウの身内ではない人で、相談できる人が思い付かず、あとで考えましょ!と思考を放棄した。


部屋から再びリビングに戻ると、ソウとキボウが起きていた。


「ユリ、ユメが作った袋貰った?」

「うん。青い花柄のを、私のかな?って思って貰ったわ」

「そうか。キボウ、欲しい方を先に取って良いぞ」


するとキボウは、ユリとソウの予想外に、金糸の入った黒い巾着袋を取った。

予想外だ!と思っていると、キボウがソウに渡して言った。


「ソウ、ユメとおなじクロネコいろー!」


すぐに、葉っぱの柄の巾着袋を取って、部屋をぐるぐる走り回っていた。


「結構文章喋ってたな」

「あ、うん。そうね。色々と意外だったわよね」


ソウは受け取った巾着袋を見て、感心していた。


「教わったばかりで、作れるものなんだな」

「飲み込みが早いわよね。私も感心したわ」


見るとキボウは、ユリが渡した木鈴と、ソウが渡した木の車をユメが作った巾着袋にしまっていた。ユリはなんだか、とても嬉しかった。


「お雑煮食べる? トーストが良い?」

「あるなら雑煮、わざわざ作るならトーストで」

「キボー、きなこー」

「キボウ君は、草餅をきなこで食べるという意味かしら?」

「あたりー!」

「ソウ、お雑煮はまだ少しあるから、お餅で良い?」

「あるなら、餅が良いな。草餅もまだある?」

「桜花餅以外はまだあるわよ。あ、でも、作るなら、2枚ある桜花餅も食べても良いけど」


餅つき機を借りてきたのだ。


「上手にできてから、食べようか?」

「あはは、確かにそうね」


しょっぱすぎたり、味がなかったり、作ってみないと分からない。


「おはようにゃ!」

「あら、ユメちゃん早いわね。おはよう」

「なんだか、目が覚めたのにゃ」


ユメはテーブルの上を確認すると、少しほっとした顔をした。


「ユメちゃん、巾着袋をありがとう! 青い花柄の袋をいただいたわ」

「俺は黒い袋を貰ったぞ!ありがとな!」

「キボー、もらったー! ユメー、ありがとう!」

「みんなが貰ってくれて良かったにゃ」

「とても上手に出来ていたわよ」

「驚いたよ」

「じょーずー、じょーずー」


ユメはとても嬉しそうにニコニコしていた。


「ユメちゃん、朝ご飯、今からなんだけど、食べられる?」

「何食べるのにゃ?」

「お餅を食べようと話していたのよ」

「桜の、あるにゃ?」

「ユメちゃん用に2枚残してあるわ」

「ありがとにゃ! それ食べるにゃ!」



三が日は、おせち料理とお餅を食べた。

夕飯は団らん系のメニューにしていた。

今日は何にしようかしら。カレーかしら?

すき焼きは、キボウが食べられなさそうで、バーベキューも、キボウが食べられなさそうで、肉食は、無理そうだ。

鍋物は、海産多めだから、やっぱりキボウが食べられなさそうで、ユリが悩んでいるとソウから提案された。

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