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アルストロメリアのお菓子屋さん  ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
1章

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冬箱

ソウを困らせるつもりはないので、その場では聞かなかったけど、とても興味があった。

欲しい訳じゃなく、持っていても不自然じゃないかが知りたかった。


ローズマリーが話しかけてきた。


「ユリ・ハナノ様、冬箱にご興味が有るのでしたら、もうひとつ、夏箱というのもございます」

「え?夏箱?」

「はい、40~60度位で保存できますのよ」

「それは、40~60度なのですか?それとも40度と60度で使用できるですか?」


ローズマリーがチラッとメイドを見ると素早くメイドか何かを告げた。


「40度と50度と60度で使えるようですわ」

「そういうのがあるのですね。大変勉強になります」

「お役に立てたのなら大変光栄ですわ」


他にも魔力家電があるのかしら?

今日は思わぬ収穫があったわ。


「次回はどうしますか?」

「次回もお付き合いいただけるのですか!?」

「え?他にも知りたいお菓子があるかと思ったのですが・・・」

「ございます、ございます!沢山ございます」

「何が良いですか?」


何と言われても、皆はお菓子が思い付かない。

お土産で食べたことがあるものしかわからないからだが、ユリは気がつかなかった。


「あのー宜しいですか?」

「はい、えーと、カメリアさん」

「先日、私達の兄が、魚の形をしたお菓子を持ち帰りまして、1つ頂きましたらとても美味しかったのです。あのお菓子は教えていただけますか?」

「あ、うーん。ローズマリーさん、メイドさんと話しても良いですか?」

「かまいませんが・・・、サリーこちらへ」

「かしこまりました」


さっきの服が違うメイドさんだ。

サリーさんというのね。


「サリーさん、お嬢様達が使える鉄板って用意できますか?今日の感じだと、火の周りはダメなのかなと思って」

「ご用意は可能ですが、お怪我される可能性があるものは難しいかもしれません」

「わかりましたありがとう」


「ローズマリーさん、ありがとうございます。カメリアさん、鉄板を使うのでやけどの恐れがあります。教えるのはかまいませんが、鍋をかけられる火があるところ、鉄板をおける火があるところが必要です」

「料理人の厨房のような場所でしょうか?」

「はい、そのものです」

「わかりました。ありがとうございます」


「お店で出したことはないですが、冷やす箱があるなら、冷たいお菓子を作りませんか?」

「冷たいお菓子ですか?どのようなものでしょうか?」

「果汁などをプルンと柔らかく固めたゼリーや、クリームで作ったミルクセーキに空気を含ませて凍らせたアイスクリームなど、色々あります」

「全く想像つきませんが、それらは体力は使いますでしょうか?」


あー、相当お疲れなのね。


「ゼリーは、子供でも作れると思います」


なんか、みんなの目がキラッと光った気がした。


「是非!ゼリーをお願いしますわ!」


「用意するものは、好きな果汁、グラニュー糖、ゼラチンです。器具は、秤、小ボール、小鍋、熱源、固める容器、冬箱です。ゼラチンは持ち込みます。果汁は、お茶や牛乳でも可能です。ほんの少しお酒を足すと風味が良くなります」

「あ、もう一度おねがいします」

「書いて渡します」

「ありがとうございます」


◇ーーーーー◇

牛乳(果汁など)

グラニュー糖

ゼラチン

ゼラチンの水

果実系の酒

火を通した果実など


小ボール

大ボール

こし網

小鍋

熱源

レードル

ゴムベラ

固める容器

冬箱

◇ーーーーー◇


メイドさんが来て、パウンドケーキが焼けたと言っていた。

試食は私が作ったものでして、自分で作ったものは持ち帰るように言うと、少しざわめいた。


それでも試食は1つをカットしたもので足りるので、もうひとつある。


ローズマリーに小声で断って、サリーに渡した。


「足りないとは思いますが、皆さんでどうぞ」


目を見開いたまま固まってしまった。


直ぐに再起動したサリーが恭しく受け取った。


サリーがチラッと振り返ると、


「どうもありがとうございます!」


揃った声でメイド全員が挨拶した。


ちょっと驚いた。



次回の予定も決まり、帰ろうかと思ったら食事に誘われた。

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