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アルストロメリアのお菓子屋さん  ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
1章

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招待

普通に起きて朝ご飯を食べてのんびりしていると訪問者が有った。まだ9時前だ。


誰だろうと出てみるとマーレイだった。


「ユリ・ハナノ様、お迎えに上がりました」

「え?何の?」

「ローズマリー・パープル様よりご依頼がございました」

「ええ?」


私が混乱しているとソウが声をかけてきた。


「あ、マーレイが頼まれたんだね」

「どういうこと?」

「俺の馬車の方が上等だったってことだろう」

「うーん???」


寝ているユメをクーファンで連れてきて、とりあえず馬車に乗り込み、落ち着いたところでもう一度ソウに尋ねた。


「その家の馬車は、主人の許可がないと使えなかったりするんだよ。そういう場合はタクシーみたいに頼むこともあるんだけど、今回の場合、自分の家の馬車より上等なのを使おうと頼んだら俺のだったってことだと思うよ」


なんか複雑。

ソウの馬車は数台あり、基本的にマーレイが全権を持って管理しているそうで、ソウが使っていないときは自由にしているらしい。


「要は、最上級の待遇なんだと思うよ」

「なるほど・・・」


とても歓迎しているらしいことはわかったのでもういいやと思考を放棄した。


「ソウの予想より早かったね」

「そこは俺も驚いたよ」


ユメはまだ眠そうなのでおやつを持ってきた。


窓の外に壁と憲兵が見えたけど、今回も素通りだった。


「マーレイさんでも素通りなのね?」

「ま、いろいろあるんだよ」


ユリには見えていないが、六芒星(家紋)を掲げて通り抜けている。

ソウはここの領主より立場が上である。



少し走ると馬車が止まった。


「ユリ、降りよう」

「あ、うん」


クーファンごと連れてきたユメと一緒に降りると、着飾った女性7人と、メイドさん20人以上の団体に出迎えられた。


「ようこそお越しくださいました、ユリ・ハナノ様、ソウ・ホシミ様、ユメ様」


えーと、ユメちゃんは猫ですよ?


「お招きありがとうございます」

「さ、どうぞこちらへ」


「ソウ・ホシミ様、ご要望はございますか?」

「ユリが見える場所で待たせてもらうよ」

「かしこまりました」


あっという間に、連れ去られるがごとく、女性陣に囲まれ小さめの厨房へ来た。

どこを通ったかまるで記憶に無い。


窓の向こうにソウが見える。あ、ユメちゃんのクーファンもソウの横に、いったいいつ持っていかれたのかしら?


この厨房は貴族の子女が手習いに使う場所なのかしら?、真新しい道具ばかりがたくさん有るわぁ。

料理はしないだろうから、お菓子を作る専用なのかしら?

ユリが考えているとローズマリーが声をかけてきた。


「ユリ・ハナノ様、紹介させてください」

「あ、はい」

「こちら、パールホワイト伯爵夫人、サンフラワー様、ご令嬢、ローズ様、

こちら、スカイブルー伯爵令嬢、カメリア様、妹君のピアニー様、

そして、私がパープル侯爵の妻、ローズマリー、娘のラベンダーとマーガレットです」

「ご丁寧にありがとうございます。私はユリ・ハナノです」


この国の名字は色で、女子の名前は花なのね。私はフルネーム花だわ!


「えっと、実際に作るのは誰が挑戦しますか?それとも全員見学しますか?」


女性たちが話し合っていると、部屋の外から男性の声が聞こえてきた。


「娘たちが友人を連れてきて、調合室でいったい何をやっているんだ!?」

「旦那様お待ち下さい!」


バン!! ドアが乱暴に開けられた。


「ラベンダー、マーガレット、いったい何を・・・ん、ハナノ様!!!」

「ん?」


あ、この人はたまにおやつに来る人だわ。

パープル侯爵っていうのね。

そういえば、最初の挨拶の時にも見かけた気がする。

ということは、ここの偉い人かしらね。

でも、うちに来た領主一行のメンバーには居なかったような?


後ろで、あちゃーって顔をしているのはこの家の執事なのかな?


「ろ、ローズマリー!い、いったいどういうことだ!! こんなことがホシミ様に知れたらどう責任取るんだ!!」

「責任もなにも、ホシミ様なら あちらにいらっしゃいます」

「な、ん、だ、と・・・」


あー、振り返ったパープル侯爵、固まっちゃった。


ゆったりと座り、足を組んだソウが笑顔で片手をあげている。


急ぎソウのそばまで駆け寄ったパープル侯爵はひれ伏さんばかりの勢いで謝っていた。


んー、やっぱりソウは偉い人なんだろうか?


ちょっと向こうの会話は聞こえないけど、なんとか収まったみたいなので、こちらも続きをすることにした。


「ローズマリーさん、後付けで申し訳ないんですが、ひとつお願いして良いですか?」

「はい、私に可能なことでしたらなんでも」

「この国の常識を教えてください」

「そのような事で宜しければ、いつでもいくらでもおっしゃってくださいませ」

「ありがとうございます。よろしくお願いします」

「そんな、こちらがお願いしている立場です」


ふふふ


「では、どうしましょう?どなたか実践しますか?」

「各家から一人は参加したいので、三人よろしいですか?」

「あ、全員参加でも良いんですよ?、皆さんドレスなので見学かと思っただけで・・・器具足ります?」

「器具はございます。少し着替えて参ります」


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