人員
イリスとユメには、メニューを説明した。
試してみたいものは出すので、声をかけるようにとも伝えておいた。
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お持ち帰り専用
女神の慈愛・パウンドケーキ 1本5万☆(フル)
女神の慈愛・パウンドケーキ 1枚5000☆(フル)
時送り・世界樹様のクッキー 1枚2000☆(素早さ)
店内、お持ち帰り兼用
世界樹様のクッキー 1枚500☆(11)
黒猫クッキー 1枚500☆(11)
フルーツパウンドケーキ 1枚500☆(10)
レモンパウンドケーキ 1枚300☆(5)
ポテロン 1個1000☆(4)
イチゴムース 1枚500☆(4)
ココット生チョコ・各種 1個500☆(4)
飲み物
イチゴミルク 1杯500☆(4)
フローズンブルーベリーミルク1杯1000☆(4)(凍)
ジンジャーエール 1杯500☆(9)
ミルクココア 1杯500☆(4)(温)
バタフライピーティー 1杯500☆(1~4)(温)
ルビーソーダ 1杯500☆(4)
ルビークリームソーダ 1杯1000☆(4)
軽食
ホットドッグ 1皿500☆(4)
目玉焼きトースト 1皿400☆(3)
シナモントースト 1皿300☆(5)
ジャムトースト 1皿300☆(6)
バタートースト 1皿200☆(1)
追加 リンゴジャム 1杯100☆(5)
追加 レモンジャム 1杯100☆(5)
追加 イチゴジャム 1杯100☆(5)
セットほうじ茶 無料(1)
お一人様、いずれも10個まで。
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初めてメニューを見たリラが、すぐに聞いてきた。
「ユリ様! ルビーソーダってなんですか!?」
「昨日のサファイアソーダのシロップが、イチゴシロップに変わるだけよ。飲んでみたいなら、作って飲んでみたら良いわ。イチゴミルクは、同じシロップを牛乳で割ったものよ」
「もしかして、他の果物でも作れますか?」
「そうねぇ、ブルーベリーで紫色の、アメジストシロップとか、味と色が濃く出るものなら作れるわね」
「緑色はないんですか?」
「キウイフルーツは、加熱すると色が、まあ、銅鍋で煮れば色は残るけど、希釈するほどは残らないかもしれないわね。私が元居た国では、メロンシロップが緑色なんだけれど、生メロンで作っても、やはり薄い色ね」
「味はどうですか?」
「キウイフルーツも、メロンも、味は良いわよ。色がつかないだけで」
「あれ? そういえば、アイスクリーム足りるんですか?」
「え? 足りない?」
ユリは慌てて冷凍庫を見に行って数えた。
20個残っていた。43個作って20個の残りである。
「怪しいラインねぇ・・・。小さいアイス箱で作りましょうか?」
「作っておきまーす!」
リラは、担当の仕事を得て、大腕を振って用意していた。
イリスが注文を通してきた。
最初は、ルビーソーダ5、ルビークリームソーダ3、イチゴミルク2、フローズンブルーベリーミルク1、ジンジャーエール3、ホットドッグ5、目玉焼きトースト2、シナモントースト2、ジャムトースト5、バタートースト1、リンゴジャム2、レモンジャム2、イチゴジャム2の注文だった。
手分けして作った。
確かにリラがいると、ものすごく楽で、ものすごく助かるのだ。だからこそ、あてにしてしまうと、店がたち行かなくなるので、ユリは悩んでいた。
「新しく人を入れないとやっていけないかしら・・・?」
ユリが呟いた言葉に、リラの弟子二人がぎょっとしていた。リラ本人には聞こえなかったらしく、二人はリラに伝えるべきか悩んで、ユリが倉庫に材料を取りに行ったときに、リラに伝えたのだった。
「リラさん、先程ユリ様が、新しく人を入れないと、とおっしゃってました。どうすれば良いですか?」
「え、そうなの?」
「はい。新しく人を入れないとやっていけないかしら。と、呟くようにおっしゃられていらっしゃいました」
リラは、弟子二人から聞かされたことが、かなりショックで立ち尽くしてしまい、倉庫から戻ってきたユリに、「リラちゃんどうしたの? 具合悪いの?」と声をかけられ、慌てて取り繕ったのだった。
「すみません、少し考え事をしていました」
「体調悪かったら無理したらダメよ?」
「はい。本当に少し考え事をしていただけなので問題ないです!」
ユリは桃のババロアの仕込みの準備を始めた。
リラが「仕事はできる」と言っていただけあり、準備に余念がない。説明が必要なのは、電動の業務用ミキサーの扱いくらいで、冷凍庫や冷蔵庫は、真冬箱や冬箱と変わらないので、特に困ることもないし、オーブンに至っては、初日にリラが説明済みだった。
数が多い仕込みも経験があるらしく、特に慌てたりせず、半製品をしまいながら手早く片付けていった。
「あなたたち優秀ね。リラちゃんが、仕事はできると言っていたのが良くわかるわ」
「あ、ありがとうございます!」「ありがとう存じます」
「続けて、黒ごまムースを作ります」
「はい」「はい」
もちろん黒ごまムースも問題なく出来上がり、厨房は一息ついた。
「ユリ、休むことがその人のためになるとは限らないにゃ」
「え? どういう意味?」
「ユリがちゃんと考えないとダメにゃ」
「え、うん・・・?」
ユメに怒られた。
ユリはユメの言うことがわからず、仕事が一段落したこともあり、少し考え込んだ。
ユリを見てオロオロした弟子二人が、リラに助言を求めると、仕事が片付いているなら少しそっとしておいたら良いと言われた。
少しして外から帰ってきたソウが、ボーッと考え込んでいるユリを見て大分心配したが、ソウの顔を見たとたん、気持ちを切り替えて笑顔を見せたため、その場はそれで終了した。
「仕事終わったの?」
「ええ、予定の仕事は終わったわ。何か追加ある?」
「明日、早く出るから、打合せできたらと思って」
「何時に出るの?」
「マーレイに聞いた待ち合わせ時間から逆算して、18時には待ち合わせ場所に行きたいから、最悪でも、18時前にはこっちの転移陣に居ないと。だから遅くとも、17時には、グンジョーを出発することになる。買い物に3時間取るとして、14時には、グンジョーについている必要がある。温泉は1時間かかる場所にあるから、温泉地を出るのが13時、12時からお昼ご飯を食べるとして、その前に温泉に2時間で10時、家から3時間はかかるから遅くとも、7時には家を出る必要がある」
「なら、朝6時に出るつもりで用意したら良いかしら?」
「そうだな。間に合わないのは困るが、時間が余る分にはゆっくりすれば良いからな」
ユリは全員に伝え、今日の仕事はもう良いので、明日の荷物を持ってくるようにとシィスルとマリーゴールドに言った。
レギュムとクララには、リラが帰ってから伝えてくれると言うので任せ、うろうろしているキボウには、寝ていたらそのまま連れて行って良いか聞くと、「わかったー」と言っていた。
シィスルとマリーゴールドを一旦帰したので、リラに夕飯の希望を聞くと、カルボナーラだった。
パスタばかりのリクエストを不思議に思い聞き返すと、どうもこの国にはベーコンがないらしい。
ハムはあるのにベーコンはないんだ、と少し驚いたものの、材料的に可能なので、作ることにした。尚、パスタ続きなのは、たまたまらしい。
8人前作るので、リラに4人前担当してもらうことにして、先にサラダを用意した。
お店の営業も終わり、みんなでお店を片付けている間に、リラと二人でカルボナーラを作ったが、ユリが作った4人前の内の1人前を誰が食べるかでもめるので、ユリが作ったものは、ソウ、リラ、シィスル、マリーゴールドが食べ、リラが作ったものを、ユリ、ユメ、マーレイ、イリスが食べることになった。
荷物を持って戻ってきたシィスルとマリーゴールドは、ユリが作ったカルボナーラをとても喜んで食べていた。
「これが本物なのですね!」
「どういう意味?」
シィスルがいった言葉にユリが疑問を返すと、リラが答えた。
「一度作ってみたことがあったのですが、ベーコンがないので、なんというか、あっさりしたものが出来上がりました」
「そうなのね。でもこの料理は、私も専門に勉強したことがないから、正解はわからないのよ」
「ユリ様にも正解がわからない料理があるのですね」
「そんなのいっぱいあるわよ。あ、今度、ベーコン作ってみる?」
「ベーコンって作れるのですか!?」
「冬箱と、調理台?というのかな? 火力があれば作れるわよ。一週間くらいかかるけど」
「作ってみたいです!」
「シィスルちゃんと、マリーゴールドちゃんは?」
「是非、参加させてください!」「よろしくお願い致します」
「そのうちみんなで作りましょうね」
ユリは預かった荷物をしまい、明日に備え、解散した。




