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アルストロメリアのお菓子屋さん  ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
1章

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兄妹

「ソウ、居るの?」

「ユリ、ちょっとまって!」

「うん」


部屋でドタバタと聞こえる。

小声で話しているのか、会話自体は聞こえないけど、明らかにもう一人いるみたいだ。


「もういいじゃないですか!!」


女の子の声が聞こえたと思ったらドアがバンと開き、知らない女の子が出てきた。


誰?


「あなたがユリさんですね!(わたくし)はお兄様の妹のカエンでございます」

「誰が妹だ、俺は認めない!」


いったいどういう状況?

あ、そういえばソウは養子だと言っていた。

元の家の妹なのかな?

でも、ソウは認めていないみたいだし、本当になんだろう?

とりあえず声をかけてみようかしら?

ユリはおずおずと声をかける。


「えーと、こんばんは?」

「お邪魔しております」

「妹さんなんですか?」

「はい」「違う!」


ものすごく噛み合わない。

平行線らしい話は聞いても無駄ね。


「この際、兄妹かどうかは置いておきましょう。こちらへは、何をなさりに いらしたのですか?」

「お兄様を在るべき所へお戻しするためにございます。弟も待っております」

「俺の居場所はここだ!!勝手に決めるな!!」


ソウが嫌がっている事は歓迎できないわね。


「そういう事情ですとあなたをここへは置いておけません。お帰りください」

「え?」

「ここは私の家ですので」

(わたくし)を追い出すのですか!?」

「はい。そもそもお招きしておりませんので」

「お兄様!この方酷い女性です!」

「いや、当然だ、ここはユリの家だ」


実際作ったのはソウだし、殆どソウの家みたいなものだけどね。


「ソウを連れていくのを()めていただければ歓迎しますよ」

「そんな・・・」


お腹空いてると怒りっぽくなるのよね。

円満に解決させるためにもなにかお腹にいれた方が良いわね。


「とりあえず、なにか食べますか?」


勢いのなくなったカエンはおとなしくカウンターテーブルの椅子に腰かけていた。


言葉遣いでもう少し年齢が上に感じたけれど、よく見ればユリよりも年下で、成人していないように見える。


冷蔵庫に有ったもので食事を作り提供した。


「カエンさんはおいくつですか?」

(わたくし)、15歳でございます」

「ソウをお兄様と呼んでいましたが、同じご両親から生まれたという意味ですか?」

「お兄様の母上様と、(わたくし)の母は姉妹ですが、父が同じです」

「・・・」


物凄くお家騒動にはかかわり合いたくないけど、ソウの事に関係するから曖昧にしたくないわね・・・。


「先程お話に出てきた弟さんのご両親は?」

「母が(わたくし)と同じで、父が違います」


あれ???


「そうすると、その弟さんはソウと兄弟では無いのでは?」

「え」

「俺には全く関係ないな」

「そんな・・・」



私は知らなかったけど、ソウの転移には上限があって、今日はもう戻れないらしい。

仕方なくカエンを泊めることになった。


ソウがユメに交渉して部屋を借りた。

ユメは元々ベッドには寝ないそうなので、構わないと言ったらしい。

ユメの部屋に有ったクーファンだけリビングに持ってきた。

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