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アルストロメリアのお菓子屋さん  ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
1章

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弟妹

ソウ目線

ホシミ家の俺の部屋に転移し、買い物のために外に出たら いきなり抱きつかれた。


「誰だ!?」

「お兄様、ツキミの家にお戻りください!!」

「なんのことだ?お前は誰だ?」

「お兄様の妹です。カエン・ツキミです」

「俺に妹などいない!!」

「私はずっと母上様の泣き言を聞いて育ちました。お兄様(ソウ)を取り上げられて辛かったと」

「母になど会ったこともないのに迷惑だ」

「今、私達の弟が養子に出されそうになっていて母が、母が・・・」


カエンは泣き出してしまった。

言いたいことがわからないわけではないが、今さら頼られても迷惑でしかない。

それに俺はソウ・ホシミだ。ツキミではない。


「悪いが、助けにはなれない。俺は忙しい」


ホシミの両親はツキミ家の分家で、全く力の無い末端だった。誰も名乗りをあげない本家から捨てられた俺を引き取り、愛情をかけて育ててくれた。

そして、本家筋の親族も嫌いだ。

聞いてもいない事実をわざわざ幼かった俺に吹き込んで、いったい何がしたかったんだ。

しかも、俺に能力があると知るやいなや、手のひら返しだ。関わりたい訳がない。


カエンの隙をついて転移で逃げた。


まだ仕事が残っているのに面倒に巻き込まないでくれ。



ユメから「ユリが冷たいの食べたい!って言ってたにゃ」と教えてもらったのでアイスを買って差し入れに行って即戻ってきた。


折角ユリと一緒に居るために転移したのに雑用が多すぎる。

全然一緒に居られない。


頼まれている買い物をし、店で見つからなくて頼んだネット注文分を受け取りにホシミの家に行ったら妹と名乗るカエンがいたのだ。

俺は本当に妹の存在を知らなかった。

その上知りもしない弟の悲運を訴えられても親身にはなれない。

本当に巻き込まないでくれ。


冷たい?冗談じゃない。

散々意地悪や陰湿な嫌がらせをして来た相手の家の子が困っているので助けてくださいと言われてすぐに受け入れられるやつがいるもんか。


そもそも、俺が転移計画に参加したのはこいつらが原因だ。コイツらがウザすぎるから排除のためだ。


あれから二日たったし、流石にもう居ないだろうと部屋に戻った。


庭に置いてあった荷物をもって転移しようとした瞬間に又抱きつかれ、連れてきてしまった。


「何で着いてきた!お前の来る所じゃない!!」


不覚。

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