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アルストロメリアのお菓子屋さん  ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
1章

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材料

先日尋ねた材料で、手に入らないのは白玉粉だけらしい。


「ユリ、白玉粉って何でできてるんだ?」

「餅米よ。水に濡らしたまま挽いて、沈殿物を乾燥させるらしいわ」


項垂れたソウが呟く


「最初からユリに聞けばよかった」

「え?」

「とりあえず買ってくるけど、そのうちこちらで作らせる。似たような物は作ってるらしいしな」


似たような・・・もしかして


「地域によっては、寒晒し粉(かんざらしこ)って呼ぶらしいわよ」

「え?それ、同じものなのか?」

「昔読んだお菓子の本に書いてあったから大人になって確認した訳じゃないけど」

「いや、あってる。恐らく同じものだよ。寒晒し粉ならあるそうだ」

「詳しく言わなくてごめんね。ソウ、ありがとう!」

「直ぐに要るのか?」

「要らないわ。教える事になった時、手に入らないものだと困るかと思って調べて欲しかったの」

「そうか。ユリは責任感が強いな」

「もしかして、桜花の塩漬けとか、塩漬けの葉とか、柏の葉とか、粽笹とかも手に入ったりするの?」

「わるい、文字に起こしてくれ」

「うん」


◇ーーーーー◇

桜花の塩漬け

桜の葉の塩漬け

柏の葉

粽笹(ちまきざさ)もしくは、クマ笹

藺草(いぐさ)(製菓用)


上新粉

道明寺粉

鴬きな粉(うぐいすきなこ)(薄緑色のきな粉)

黒豆きな粉

抹茶

◇ーーーーー◇


「はい、書いたわ。下の粉類は有るかどうか知りたいだけだから、直ぐに使う予定はないの」

「藺草の製菓用って?」

「畳用のは、防腐加工がされているから使えないの。割りと知らない人が多いのよ。藺草そのものを食べる訳じゃないわ」

「調べておく」

「ありがとう。よろしくね」


気負って色々用意してきたけど、割りと手に入るのね。


「あ、そうだ、もし教えに行くことが決まったら、俺かユメを必ず連れて行けよ」

「???うん、わかったわ」

「じゃ、仕事に行ってくる」

「行ってらっしゃい」


・・・私って、もしかしたらユメちゃんよりも信用がないのかしら?

由々しき事態だわ。信用を勝ち取らなきゃ。


実のところソウが過保護なだけである。


そろそろお店に行かなきゃ。


ランチの仕込みをしているとマーレイが来た。

マーレイは各種ドライフルーツを取り揃えてくれたらしい。

その中にはアンゼリカ等も有り、予定外に必要なものが揃った。


ドライフルーツは殆どのものを使うからとそのまま全て購入し、何種類かは追加を頼んだ。


これで、全てこの(くに)産のパウンドケーキが作れる。


マーレイに、私はユメちゃんよりも信用がないみたいで。と話すと、「そ、それは・・・」と言ったまま固まってしまった。


余計なことを言ってしまったわ。

マーレイさんごめんなさい。


「それじゃ追加お願いしますね」

「かしこまりました」


夕方、刻んで酒漬けにしよう!


今日のランチは、味噌カツ定食とグラタンである。

ハンバーグほどではないが、グラタンも人気メニューなのだ。

でも容器の関係で30人前限定。


30組持ってきたグラタン皿に具とホワイトソースをいれ、対の受け皿を用意し、チーズをかけ、後は焼くだけに準備する。


ご飯を一升(20人前)炊く。パン40個(20人前)を用意する。

味噌ダレを作る。

味噌汁を作り、椀とスープカップにワカメを入れておく。

漬け物を一口大にきり、2種類の小鉢、計60個にいれる。

キャベツを沢山刻んで、軽く水に放ち、ザルに上げておく。

トマトと胡瓜を切っておく。

1cm厚の豚ロース60枚に、小麦粉、卵、パン粉をつけておく。


開店前、釜にグラタンをいれる。

とんかつを揚げだす。

もう一台の炊飯器で一升炊き始める。


最近は、自前の容器に持ち帰る人までいる。

お弁当売ったら良いのかなぁ?

でも容器が難しいのよね。


三時間で約90人前さばいてランチタイムが終了する。


怒濤のランチタイムを切り抜け、余っている豚カツとご飯でカツ丼を作って食べていると又知らない女性が現れた。

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