表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アルストロメリアのお菓子屋さん  ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
1章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/688

緊急

ソウ目線

朝から仕事で家を離れていた。

荷物の受け渡しと、各種報告のためだ。


定時報告を終わらせ、頼まれた荷物を渡し、次の仕事へ行こうと思ったとき、ユメの声で「ユリが危ないにゃ!!」と聞こえた。


「ん?ユメか?ユリが危ないって何?」


そばにユメは見当たらない、とにかく急いで部屋に転移で戻った。

部屋から出るとユメが黒猫のまますり寄ってきた。


「ユリは?」

「にゃー」


ユメはついてこいと言わんばかりに階段を降りていった。

俺もユメについて階段を降りると ユリは客と話しているようだった。


「ユリ、何かあった?」

「あ、ソウ。何もないよ」


「ホシミ殿・・・」


ユリと話していた三人が助けを求めるように俺を見た。


「なに?」

「これと同じものを!いや、同じ用途の物をお願いできないだろうか?」

「良いけど、ユリに迷惑かけないでくれる?」

「大変申し訳ない、以後気を付ける」


ユリは最初困ったような顔をしていたのに、色々話を聞いてやり、最後にはケーキまでやっていた。


自分の落ち度で他人に迷惑をかけるようなやつにまで、ユリは優しい。


三人が帰るまで見張っていたが、特に何もせず笑顔で帰っていったので俺も仕事に戻ることにした。


階段の登り口に黒猫のユメが丸まっていた。


「ユメ、どうもありがとう!ところで、あれはどうやったんだ?」


するとユメは片目を開け少しめんどくさそうにしてから変身した。


「以心伝心の魔法にゃ。たっぷり魔力を使うから短い言葉しか送れないにゃ」

「ユメは凄いなぁ」

「感謝はお菓子で示すのにゃ!」

「はいはい、ちょっとまってな」


俺はユリからフルーツ入りパウンドケーキを3つ貰ってきた。


「上で牛乳と一緒に食べよう!」

「わかったにゃ」


ユメは黒猫に戻り階段を上がっていった。

いちいち戻るのは面倒じゃないのだろうかと思ったが、黒猫の方が機動性が良いのだろうと思い直した。


リビングで、猫耳幼女になったユメはすでにフォークとコップを手にしていた。


ユメ用のローテーブルに皿をおき、フルーツ入りパウンドケーキを2つ袋から出した。

コップに牛乳を注いでやるとユメは嬉しそうに食べ出した。


「ユメ、本当にありがとな」

「ユリのお菓子は美味しいのにゃ。ユリは大事なのにゃ」

「そうだな。本当にな」


拾って助けた俺より、お菓子を作ってくれるユリの方がポイント高いよな。

しかもユリのお菓子は美味しいし、癒されるし、勝てる要素がない。ははは。


「ユメ、もうひとつあるぞ、食べるか?」

「もう良いにゃ、それはソウが食べると良いのにゃ」


魔力を使うからと言ってもお菓子は沢山は食べられないのか。


ユメは黒猫に戻り、リビングから出ていった。

階段を下りる軽い足音が聞こえた。


ユメに譲られたお菓子を食べ、仕事に戻った。

クロネコのユメ

第2部分 夢の平和

掲載日:2021年 06月19日 13時00分

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ユメちゃんは綿の国星のチビ猫ちゃんを思い出しますね。 エプロンドレスを着た、ふわふわヘアの幼女って感じです。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ