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アルストロメリアのお菓子屋さん  ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
3章

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女給

「ユリ様!! 助けてくださって本当にありがとうございます!!!」


物凄くハイテンションのイリスに詰め寄られ、ユリは腰が引けていた。


「お店終わるまで待っていてよかった」


マーレイが小声で呟いたのが聞こえてしまった。


「イリス、他の人に聞かれたら困るのにゃ」

「はい、ごめんなさい。でも、一度もきちんとお礼を言っていないんですもの・・・」


そういえば、そうかもしれない。


「イリスさん。どういたしまして。今聞いたので、この先は、思い出したようにお礼したりしないでくださいね。マーレイさんやリラちゃんにも言いましたが、普通な感じで接してくれるのが一番ありがたいです」


イリスを治療して帰ってきた日、いつまでも(こうべ)を垂れてお礼を言い続けるマーレイとリラにユリは言ったのだ。「そんなにも感謝してくれるなら、今まで通りにしてくれるのが一番嬉しいです。いえ、むしろ、言いたいことがあったら意見をちゃんと言ってくれるのが良いわ」そう言われた二人は、選択肢を出されたらちゃんと選択し、意見を聞かれたら意見を出すように意識を変えている最中なのだ。


「はい! みなさま、これからどうかよろしくお願い致します!」


「はい。こちらこそよろしくお願いしますね」

「よろしくなのにゃ」

「よろしく頼むな!」

「お母さん、よろしくね!」

「みなさん、イリスの事、よろしくお願いします」


「さあ、ご飯にしましょう。今日はイリスさん座っていてね。マーレイさんもそのままで」


ユリがグラタンを焼いている間、ユメがサラダやパイや冷茶を用意してくれた。

ソウはイリスの厨房への出入(ではい)りの登録をしたあと、リラに何か頼んでいるようだったけど、遠くて聞こえなかった。

イリスの見たこともない料理がならび、そわそわしているのが見えた。


みんなで食べ始めると、イリスが目を輝かせて美味しそうに食べていた。

「美味しい、美味しい」と言って喜び、サラダのマヨネーズをリラが作れると知ると、リラに教えて!と頼んでいた。


ユリがフォンダンショコラを焼いて持ってくると、どこからともなくソウがバニラアイスをもって来た。


「いつ作ったの?」

「リラに頼んで素を作ってもらった。フォンダンショコラと言えば、バニラアイスだよなー」

「ふふ、お店でも出せばよかったわね」


温かいフォンダンショコラと、冷たいアイスクリームの組み合わせは美味しかった。

イリスもとろけるフォンダンショコラと、冷たいアイスクリームを物凄く喜んでいた。


「イリスさん、明日は、14:00から18:00で来られますか?」

「はい。あ、リラと同じ9:30からではないのですか?」

「リラちゃんは仕込みを手伝うので、早くからですが、イリスさんには、花形のお店の女給をお願いしたいので、週明けからは11:00から18:00でお願いします」

「花形」

「はい。お店の注文を聞いてくるのは大変な仕事なのです。イリスさんには、花形の女給をお願いしたいのです」

「それなら明日も11:00からでお願いします!」

「行きなり仕事復帰して大丈夫ですか?疲れますよ?」

「全く問題ありません!」

「では、明日からお願いします」

「はい!」


和やかに解散した。

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