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アルストロメリアのお菓子屋さん  ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
3章

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孤独

「んなっ!」


ユメちゃんが、語尾が「にゃ」じゃない言葉しゃべった!?


発したあと固まったように動かなくなっていたユメは、少し疲れたようにユリに言った。


「イリスを迎えに行ってくるにゃ」

「え?いつ行くの?」

「そうだにゃ。一人では無理だからソウに頼むのが良いにゃ」

「ソウがいないと、厨房も入れないと思うわ」

「とりあえず、行って話してくるにゃ。少しリラをつれていって良いにゃ?」

「お店の開店までに戻ってきてね」

「わかったにゃ」


ユメはリラをつれて店の外に行ってしまった。

久しぶりに厨房に一人になって、人の声の聞こえない静けさと、人気(ひとけ)のない空気感に寂しくなった。

早朝だって一人で仕事をしているはずなのに、居るはずの人が居ないことの寂しさは、予想以上にユリに一人を感じさせた。


ほんの15分程度だったのだが、当たり前が当たり前ではないとユリは改めて思い知らされたのだった。


ユメちゃんは女王に戻っても、本当に一緒にいてくれるのかな?



しばらくすると、なんだか疲れた感じのユメが外から帰って来た。


「戻ったにゃ。ユリ、イリスは明日からでも働けそうにゃ」

「え、えー!」

「戻りました!お母さんビックリするくらい元気で、変な料理を作りたがるから早く迎えに来てくれって、おじいちゃん?に言われました」

「二人ともおかえりなさい。給仕専門で良いのよね?」

「はい!そのほうが良いと思います」

「酷い目に遭ったにゃ」

「お母さんのクッキー、歯が折れそうなほど固いか、物凄く苦いか、しょっぱいかでしたー!あはは!」


「それはなんとも・・・」


そんな漫画のネタの失敗の代表みたいなクッキーって存在するのね・・・。

世の中には、致命的に料理やお菓子作りが向かない人というのが、少なからずいるのである。


そういえば学生時代、バレンタインのケーキが上手くいかないからちょっと教えてほしいと招かれた友人宅で、ボールもホイッパーも秤もなく、いままでどうやって作っていたのかむしろ聞きたいと思ったことがあったなぁと。

そして、その友人の手際や知識量を知り、その年はとても間に合わず、購入することをおすすめした苦い経験を思い出した。


そういえば、アルストロメリア会のメンバーって優秀なのね・・・。


お店の準備が早く終わり3人で休憩しているときの出来事だった。


◇ーーーーー◇

おすすめランチ


カレーピラフ          500☆(限定45)

サーモングラタン        500☆(限定45)


温野菜サラダ(+マヨネーズ)    350☆(限定90)

(ブロッコリー、紫じゃがいも、ニンジン)


デザートセット      プラス500☆(限定90)

(フォンダンショコラ)、お茶又は冷茶


パイ

パンプキンパイ(持ち帰れます)  300☆(限定90)

クロ猫ッカン(持ち帰れます)   250☆(限定90)


冷茶              200☆

お茶(注文した方のみおかわり自由) 200☆


フルセット           2000☆

(サラダ、デザート、パイ1つ、お茶類)


フルフルセット         2500☆

(サラダ、デザート、パイ双方、黒猫クッキー、お茶類)



持ち帰り専用 (袋100☆)

凍結グラタン(1人前)        600☆

凍結ミニミニグラタン(1/4人前)  200☆

(ハム、コーン、ブロッコリー、マカロニ)

グラタン&ドリアの持ち帰りについて。

冬季以外の販売は、冬箱か真冬箱をお持ちの方に限ります。

解凍し釜で焼いてからお召し上がりください。


※器返却スタンプ始めました!

◇ーーーーー◇


ランチが始まり、サーモングラタンの質問が多かった。

「いつものグラタンに少し鮭が入っています」と説明すると、「骨や生臭さはないのか?」との心配が多かった。


「骨は取り除いているためありませんが、生臭みに関しては人によって感じる程度が違いますので、もし生臭さを感じて食べられない場合は、違うものにお取り替えいたしますので、お声がけください」


ユリが言うと、皆納得して注文した。

食べてみて無理そうと言った人はなく、サーモンピンクが白いグラタンソースに映えてきれいという感想まであった。


かたくなに魚を避けている人も、色味のきれいさに、次回機会があれば食べてみようかなとまで言い出す人もいて、次回ってあるのかなぁ?と、むしろユリが心配になった。


サラダのマヨネーズも好評で、やはり販売希望が多く、おやつタイムに来てくださいと断った。


ランチタイムが無事終了する頃、ソウとマーレイが顔を出した。

二人は洗い物を手伝い、皿を片付けてくれた。

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