手紙
お昼ご飯を食べ終わり、ココットに入れたティラミスの耳を冬箱ごと外おやつに出し、栗ご飯を炊き、休憩に入った。
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おすすめおやつ
ティラミス 500☆(限定80)
(コーヒー風味の柔らかチーズケーキ)
冷茶 200☆
お茶(注文した方のみおかわり自由) 200☆
常温おやつ
パウンドケーキ 150☆
クロ猫ッカン 250☆
フルーツパイ 300☆
マロンパイ 350☆
リラの華 200☆
黒猫クッキー 時価
(ユメちゃんから直接購入してください)
軽食
ホットサンド(ハム、たまご) 500☆
ポットパイ(パイ皮付きシチュー) 500☆(限定30)
コールスローサラダ 350☆(限定15)
栗ご飯 300☆
おにぎり(新生姜の佃煮) 200☆
持ち帰り専用
ティラミス(約2人前) 1200☆(限定50)
10分以内に冬箱に入れて持ち帰ってください。
タルタルソース(日持ち、本日中) 1000☆(限定20)
コールスロードレッシング(1~2日)1000☆(限定20)
黒蜜 800☆
黒蜜・容器持参(150ml・180g) 500☆
凍結グラタン(1人前) 600☆
凍結ミニミニグラタン(1/4人前) 200☆
(ハム、コーン、ブロッコリー、マカロニ)
グラタン&ドリアの持ち帰りについて。
冬季以外の販売は、冬箱か真冬箱をお持ち方に限ります。
解凍し釜で焼いてからお召し上がりください。
※器返却スタンプ始めました!
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おやつが開始して、一通り注文を出し終わると、ユリは紫芋モンブランを作り始めた。
一番大変な芋の裏ごしが終わっているので、楽々なのだ。
まずはシートスポンジを焼いて、カスタードクリームを作って、それらでロールケーキを作ってカットする。
少し硬めの生クリームを作り、刻んだ栗を混ぜ、倒したロールケーキに絞り出す。
それを一度しっかり冷やし固めてから、紫芋で作ったモンブランクリームを絞りだし、提供する直前に粉糖を振るって出来上がり。
昨日絞ってみたからなのか、ユメもリラも絞りたいと言い出さなかった。
パイを作り、パイ生地を仕込み、ポットパイと持ち帰り用のグラタンも作った。
リラを呼んで、栗きんとんパイをどういう形にするか話し合い、折り畳んだ三角形にすることに決まった。
栗は大きめに刻み、きんとんに混ぜるか、半分に切ってドンと入れるか、リラの好きなほうを選んで良いといったら、最初は大きいまま入れたいと言っていたが、パイを閉じるのが大変だったらしく、大きめに刻むことに変更した。
お店が落ち着いてきたタイミングで、リラはだし巻き玉子を作り始めた。
やはり少し焦がしたらしく、甘い良い匂いがする。
「おいしい匂いがするにゃー」
焼き上がっただし巻き玉子を18等分にし、15切れを皿に乗せて、お店に行ってユリが配ってきた。
「リラちゃんが練習で作ったので、よかったら召し上がってください」
「貰おう」
「リラちゃん、頑張ってるな!」
「ほぅ!御相伴に与かろう」
「感想は本人へお願いします」
「ユリ・ハナノ様、これの正解的なものはどのような感じなのですか?」
「ほとんどできているんですけど、本人が納得していないんです」
「成る程、道理で旨いわけだ」
片付け終わったリラが、店に顔を出した。
「リラちゃん!美味しかったよ!」
「女給さん、良いものをいただいた」
「旨かったよ。これからも頑張ってな!」
「売り出したら必ず買うから、頑張ってな!」
「リラ殿、リラ殿の師匠は良い師匠であるな」
「はい!皆さんありがとうございます!」
リラはみんなに認められていっそうやる気が出たみたいだった。
「ユリ・ハナノ様、少しよろしいか?」
「なんでしょうか?」
「家の者が私から文字を習いたいと言っていてな。それで教えたんだか、上手くは書けなくて、それでも頑張って書いていたようだから、笑わずに読んでやってほしい」
「はい。これからお手紙が来るということでしょうか?」
「使用人用に用意しているお茶の礼らしい」
「なるほど、お外にあるのですね。後で見てみますね」
「よろしく頼む」
「はい」
全ての客が帰ったあと、外おやつを片付けにいくと、封筒に入った手紙がおかれていた。
なかには、震えるような文字で、「いつもおいしいおちやとおいしいおかしをありがとうございます」と書かれていた。
ユリは心が暖かくなった。
こうして、Fの日とWの日も、いつものように過ぎていった。




