豆腐
「ユリー、豆腐買ってきたよ30丁!」
「どうもありがとう!」
こちらにも豆腐はあるらしい。
がしかし、運んでくるのはかなり大変だとマーレイに言われたので、ソウに頼んだ。
「ユリなら豆腐も作れるかと思ったけど、作れないものもあるんだな」
ソウは少し楽しそうに言っていた。
「あ、えーとね。絹豆腐はにがりがあれば作れるけど、木綿豆腐は素人には上手に作れないって感じかな」
「え!作れるの!?」
「絹豆腐は豆乳温めて、にがり入れて手早く混ぜて型にいれるだけだから、なんなら先に混ぜて、電子レンジに入れればそのまま出来立て豆腐が作れるわよ?」
「今度、豆乳とにがり買ってくる!」
「あ、その場合、豆乳は豆腐屋さんで買うか、無調整豆乳を買ってきてね。調整豆乳では作れないからね」
「了解!」
ソウが倉庫側の扉から出ていくと、豆腐がわからなかったらしいリラに質問された。
「ユリ様、豆腐ってなんですか?」
「水に浸けた大豆をすりつぶして、液体を絞って、その液体をにがりと呼ばれるもので固めたものね」
「大豆は凄すぎますね!」
倉庫側から一度外に出たソウがすぐに戻ってきた。
「ユリ、たぶん食器屋が来てる」
「え?こんな朝早く?」
店側の戸を開けて外に出ると、ボーンリーフ商会のいつもの二人と、昨日の人がニコニコとして立っていた。
「ユリ・ハナノ様、ドレッシング用に、ソースボトルお持ちしました!」
「え!もうできたんですか?」
「この形はソースボトルでして、既存品なのです。150お持ちしております。今日の夕方まででしたらあと500ご用意が可能です」
「凄いですね。ありがとうございます。取り敢えず150で充分です。週明け以降残りをください。使用するのは週明けからです。仕込みの材料が足りないもので。あ、取り敢えず中に入りませんか?」
「仕込み等でお忙しい時間だと思いますので、品物だけ入れさせていただきます」
横にいたソウが聞いてきた。
「ユリ、内倉庫?」
「あ、うん。お願いできる?」
「良いよ。受けとくから仕込みに戻って」
「ソウありがとう」
「ボーンリーフ商会さん、どうもありがとうございます」
ユリは仕込みに戻り、リラとドレッシングを作りはじめた。
「今日はマヨネーズ7倍ね」
「もう、マヨネーズは完璧です!」
「毎日作っているものね。白すりごま 820g、マヨネーズ 1250gだけど全部、砂糖 450g、酢 380ml、サラダ油 230g、醤油 180mlです」
「今日のは何て名前ですか?」
「ごまドレッシングよ」
「そのままの名前なんですね」
「ふふふ、そうね」
マヨネーズのミキサーのまま他の材料を合わせ、ごまドレッシングは完成した。
カンロレードルと共に、寸胴缶に入れた。
「それ出来たら次はハンバーグね」
「お肉の割合はどうしますか?」
「今日は、鶏肉と豚肉で挽き肉を作って、白っぽいハンバーグを作ります」
リラがてきぱきと用意をし、いざ挽き肉を作ろうとしたらユメが起きてきた。
「おはようにゃ!」
「あら、ユメちゃん早いわね。おはよう」
「ユメちゃん、おはようございます!」
「挽き肉にゃ?やりたいにゃ!」
「じゃあ、2台出して、二人でお願いします」
「はい!」
「頑張るにゃ!」
ユリは、蓮根と玉ねぎのみじん切りをはじめた。
切ったものはフライパンにいれていった。
玉ねぎで目がいたくなった頃、リラが切るのを手伝いに来た。挽き肉はユメに任せたらしく、残りの玉ねぎを代わってくれた。
「なんか、今日の玉ねぎは、特に目に来るわぁ」
「えぇーそうなんですか!?」
「よく冷やしてよく切れる包丁で手早く切るとか、むしろ(電子レンジで)火を通してしまうとか、一欠片咥えるとか有るけど、玉ねぎを冷やして包丁の切れ味っての以外試した事はないわねー」
「今の最後のはなんですか?」
「一欠片咥えるってやつ? 昔から聞くけど、試した事はないわ。信じられないし」
「面白そうなので試しても良いですか?」
「構わないけど、効果は知らないわよ?」
リラが玉ねぎを咥えながら玉ねぎを切っている所にちょうど来たマーレイが、こわごわユリに尋ねてきた。
「ユリ・ハナノ様、リラのあれは何かの儀式でしょうか?」
涙が出ない方法の話をしたら、試したい!と言って実践中であって、決して何かの試練ではないと説明すると、マーレイが笑い出した。
なんと、昔、妻が同じことをしていたことがあって、その時も怖くて本人に聞けなかったそうだ。
「ユリ様ー。これダメです。確かに涙は出にくいみたいですけど、ヨダレがこぼれそうになるし、目の痛さは変わらないと言うかむしろ痛いかも」
「だから、私は信じられないって言ったのに」
リラは、咥えていた生玉ねぎをそのまま食べながら話していた。
「あー金曜日だからダメなのねー」
「Gの日?だと目に染みるんですか?」
「そうじゃなくて、包丁を日曜日に研いでいるから今日が一番切れない日なのよ」
「そんな理由だったんですか!」
「なるべく潰さないように切れば成分が飛びにくいんだけどね」
「いつもユリ様が平気そうなのって、切り方が上手だからなんですね」
「刃物が良い刃物なのよ。無理な力をかけずに切れ味で切るようにすると良いわよ」
「はい!」
ユリは麻婆ダレを作って、豆腐を出して切り分け、容器に戻した。
「凄い!手の上で切ってる!」
「あー、リラちゃんは危ないから真似しないでね。一応説明するけど、豆腐は刃物の重さで切るようにして、手の上では絶対に引かない事が大切よ」
「わかりました!」
玉ねぎが切り終わった。
ユメの挽き肉も終わったようだ。
「玉ねぎ炒めてハンバーグ作りましょう。ユメちゃん、玉ねぎ炒めてみる?」
「良いのにゃ?」
「お願いします。しんなりすれば出来上がりよ」
リラとユメはフライパンで玉ねぎを炒め出した。
結構な量があるので大変なのだ。
ユリは月曜日分のパイ生地の計量をし、昨日作ったパイを焼きはじめた。
「ユリ様、パン粉は量りますか?」
「今日はね、パン粉と牛乳の代わりに豆腐を潰して入れます。あとはいつもと同じです」
「玉ねぎまだ熱いですね」
「大きいココットに、九龍球60組、ガラス容器に30組作ってください。ガラス容器は洗って使うことになります」
「はい!」
「作るにゃー!」
「お玉だと傷つくから、レンゲか木製の匙を使ってね」
二人が九龍球を作っている間に、ユリはパイの3×4を折った。
少しまだ熱がある玉ねぎに、冷たい豆腐を加え、充分冷やしてから卵と挽き肉と塩を加え、リラとユメが混ぜた。
「冷たいにゃーー!」
「私も最初、そう思いました!」
二人で仲良く混ぜ、量って丸めていった。
ユリも手伝い、ハンバーグ型に整形し、トレーに並べていった。
「今日も時間が余ったわねー。ブルーベリーパイ食べたいでしょ?」
「はい!」
「食べたいにゃ!」
「思ってたより酸っぱい!」
「カスタードクリームが甘くてちょうど良いにゃ」
「リラちゃんは生のブルーベリーは食べたことないの?」
「今食べた以外だと、アイスクリームだけです」
「あれ、もしかして、この国にブルーベリーってないの?」
「いえ、あると思います。でも私は食べたことがないです」
「あると思うにゃ。どこかで食べたことあるにゃ」
ユメちゃんの言う何処かって、昔と言う意味なのか、猫の時にと言う意味なのか、でもこの国にあるならよかったわ。
ユリの中の持ち込み制限はかなり独特である。
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おすすめランチ
照り焼き和風ハンバーグ 1000☆(限定45)
麻婆豆腐(豆腐の辛味煮込み) 500☆(限定40)
ごま風味サラダ 300☆(限定90)
デザートセット プラス1000☆(限定90)
九龍球(フルーツ寒天)、お茶又は冷茶
パイ
ブルーベリーパイ(持ち帰れます) 300☆(限定90)
クロ猫ッカン(持ち帰れます) 250☆(限定90)
冷茶 200☆
お茶(注文した方のみおかわり自由) 200☆
フルセット(サラダ、九龍球、パイ1つ、お茶類)
照り焼き和風ハンバーグ 2500☆
麻婆豆腐 2000☆
フルフルセット(サラダ、九龍球、パイ双方、黒猫クッキー、お茶類)
照り焼き和風ハンバーグ 3000☆
麻婆豆腐 2500☆
持ち帰り専用 (袋100☆)
凍結グラタン(1人前) 600☆
凍結ミニミニグラタン(1/4人前) 200☆
(ハム、コーン、ブロッコリー、マカロニ)
グラタン&ドリアの持ち帰りについて。
冬季以外の販売は、冬箱か真冬箱をお持ちの方に限ります。
解凍し釜で焼いてからお召し上がりください。
※器返却スタンプ始めました!
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