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アルストロメリアのお菓子屋さん  ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
3章

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要望

冷凍のパイ類を冷蔵庫に出し、今日焼く分を解凍する。

あとは、朝一番でドレッシングを作ることにしよう。


まずはマヨネーズ。

卵黄10個で、10倍マヨネーズを作る。

業務用ミキサーがあってよかった。こんなの手では作れない!と、ユリはマヨネーズとドレッシングの計量をしながらソウに感謝していた。


シーザーサラダドレッシングを20人前、コブサラダドレッシングを124人前、これで計算上は、今日のサラダ分に99人前使って、シーザーサラダドレッシングを販売3本分、コブサラダドレッシングを5本分作って、容器にぴったりな容量で、マヨネーズも使いきる計算である。

ユリは昨晩、マヨネーズを残さないように作るにはどうしたら良いか、さんざん計算してたどり着いた答えであった。

そして、又抜けているのである。他の者も欲しがるであろう先読みが。


ドレッシングは計量だけして、鳥むね肉で蒸し鶏と、茹で玉子を作った。

生姜焼き用の豚肩ロースを切っているとリラが来た。


「おはようございます!」

「おはよう。今日はドレッシング教えるわね」

「はい!! 早く入って良いですか?」

「調整してくれれば良いわよ」

「はい!エプロン着てきます!」


リラは休憩室に行き、エプロンを着てきた。

ユリはまだ肩ロースをスライスしているので、口頭で、指示した。


「卵黄10個分でまずはマヨネーズを作ってください。わからないことは遠慮なく聞いてね」

「はい!」


リラは以前教わった通りにマヨネーズを作り、ユリが肩ロースを切り終わる頃、マヨネーズも出来上がった。


「できたマヨネーズを250g取り分けてください。これは、昨日のシーザーサラダドレッシング20人前を作ります。残りはコブサラダドレッシングを124人前として作ります」

「はい!」

「先にシーザーサラダドレッシングを作りましょう。必要なものは、おろしにんにく10g、マヨネーズ250g、無糖ヨーグルト50g、牛乳50g、パルメザンチーズ50g、黒胡椒 です。これは20人前なので、自分で作るときは、1/10で作ると良いですよ。今度計量スプーンを一組持ってきます」

「はい!」

「コクを出すために少量の砂糖を加えても良いですが、私はさっぱりした方が好きなので加えていません。先にヨーグルトと牛乳を合わせ、よく混ぜておきます」


リラはボールにヨーグルトを入れ、かき混ぜてから牛乳を加え混ぜた。


「はい!混ざりました!」

「パルメザンチーズと、すりおろした大蒜(にんにく)を加えて混ぜてください」

「はい!にんにくの臭いがしますね」

「マヨネーズを混ぜたら出来上がりです。できたら黒蜜用にもらった見本瓶に3等分してください。およそ136gです」

「はい!」

「後で、厚紙を渡すので、『シーザーサラダドレッシング』と書いてください」

「はい!」


「次に、ケチャップ930g、無糖ヨーグルト930g、にんにくおろし124g、胡椒13g、塩30g、チリパウダーを用意してよく混ぜてから、残りのマヨネーズ1600gに混ぜたら出来上がりです」

「辛そうな臭いがしますぅ」

「ふふふ、こちらは140gに量って5瓶、コブサラダドレッシングと書いてください」

「はい!」

「昨日より少し大きなカンロレードルさしておくわねサラダに1杯づつかけて出してね」

「はい!」

「家庭用の量のメモあげるわ」

「ありがとうございます!」


◇ーーーーー◇

シーザーサラダドレッシング(2人前)

おろしにんにく 小さじ1/4(1g)

マヨネーズ 大さじ2(25g)

無糖ヨーグルト 小さじ1(5ml)

牛乳 小さじ1(5ml)

パルメザンチーズ 大さじ1(5g)

黒こしょう 少々


コブサラダドレッシング(2人前)

マヨネーズ 大さじ2(25g)

ケチャップ 大さじ1(15g)

無糖ヨーグルト 大さじ1(15g)

おろしにんにく 小さじ1/4(1g)

こしょう少々

塩ひとつまみ

チリパウダー適量

◇ーーーーー◇


「あー、ケチャップ教えないと作れないわね」

「大変なんですか?」

「まあ、煮詰めるのがね」


「私はカレーを作るけど、適当に休憩してね」

「はい」


ユリはココナツカレーを作った。

鶏肉と、カレー粉と、ココナツミルクを煮込むだけの簡単メニューだ。味の調整に、砂糖やナンプラーを少し入れると本格的だけど、ここの人たちは魚醤は合わない気がするので入れなかった。


朝解凍しておいたパイ類を焼いた。

マロンパイ、アップルパイ、クロ猫ッカン。

ポットパイは、注文があってから焼く。


30分休んだと言ってリラが戻ってきた。

サラダの仕上げをしよう。蒸し鶏をスライスし、茹で玉子を1/4に切って2カット、アボカドを切り、プチトマトをひとつ、それらをレタスの上に乗せた。見本を見せ、残りをリラに頼んだ。


「サラダって、お肉も入るんですね」

「その鶏肉の料理名ね、サラダチキンって言うのよ。ふふふ」

「えー、名前がサラダなんですか!」

「昨日のシーザーサラダは、本来、ドレッシングでロメインレタスなどの野菜を合えてから焼いたベーコンと、粉チーズをかけて仕上げるのよ」

「色々あるんですねー」

「そうね」


キャベツの千切りを作り、生姜焼きのたれを作り、ランチの準備が整った。


「少し時間が余ったからお茶でも飲みましょうか。アップルパイ食べたいでしょ」

「はい!お茶持ってきます!」

「おはようにゃ!聞こえたにゃ良いところに来たにゃ!」

「ふふふふふ。おはようユメちゃん」

「ユメちゃん、おはようございます!お茶で良いですか?」

「お茶飲むにゃ」


ユリはアップルパイを持って来た。

二人は、見た目がきれいで良いと言って食べていた。


「アプリコットよりもこっちが好きです!」

「どっちも美味しいにゃ!」

「他に、パイナップルとブルーベリーを予定しているわ。何か乗せたいものがあったら教えてね」

「はい!」「わかったにゃ!」

「さあ、ランチが始まるわよ!」


◇ーーーーー◇

おすすめランチ


生姜焼き(豚肉の生姜醤油焼き)  1000☆(限定45)

ココナツカレー         500☆(限定45)


チキンとアボカドのサラダ    350☆(限定90)


デザートセット     プラス1000☆(限定90)

ポテロン(かぼちゃのケーキ)、お茶又は冷茶


パイ

ミニアップルパイ(持ち帰れます) 300☆(限定90)

クロ猫ッカン(持ち帰れます)   250☆(限定90)


冷茶              200☆

お茶(注文した方のみおかわり自由) 200☆


フルセット(サラダ、ポテロン、パイ1つ、お茶類)

生姜焼き           2500☆

ココナツカレー        2000☆


フルフルセット(サラダ、ポテロン、パイ双方、黒猫クッキー、お茶類)

生姜焼き           3000☆

ココナツカレー        2500☆


持ち帰り専用 (袋100☆)

凍結グラタン(1人前)       600☆

凍結ミニミニグラタン(1/4人前)  200☆

(ハム、コーン、ブロッコリー、マカロニ)

グラタン&ドリアの持ち帰りについて。

冬季以外の販売は、冬箱か真冬箱をお持ちの方に限ります。

解凍し釜で焼いてからお召し上がりください。


※器返却スタンプ始めました!

◇ーーーーー◇


「フルフルセット、生姜焼き、冷茶で!」

「フルフルセット、ココナツカレー、冷茶で!」


お客の方も注文に慣れてきて、聞く前にお茶の種類などを言ってくれるようになってきた。


「ケーキとお茶だけ頼むといくらですか?」

「お食事なしという意味ですか?」

「聞いてみたいだけですが」

「今日だと、1200☆ですね。おやつタイムと同じ価格になります」

「成る程! 注文は、フルフルセット、生姜焼き、冷茶で!」

「はい。お持ちします」


ユリは数件聞くと厨房に作りに行った。

ココナツカレーは、リラとユメに任せ、ユリは生姜焼きだけを作っていった。


「生姜焼きは全部で8です」

「はい。了解です!」


大きなフライパンで、タレにつけた豚肩ロースを焼いていく。薄いので、最後の肉をのせる頃には最初のが大方焼けて、ひっくり返し終わる頃には最初においた肉が焼き上がる。

出来上がった皿をおいておくと、リラとユメが運んでくれる。

今日は提供が早いので、ユリも店を見に行った。


「かぼちゃのプリンは前にも食べたことがありますね!もう一度食べたかったので嬉しいです!しかも、更に美味しくなってますね!」


料理より先にデザートを食べている人から声をかけられた。


「ありがとうございます。リクエストが多かったので、作りました」

「リクエスト受け付けているんですか?」

「どこかの席に有るノートに、感想やリクエストを書いていただいているのですが、ランチでは皆さん急いで帰られるので書く方はあまり見かけないですね」

「そのノートは何処に?」


お客と一緒にキョロキョロしていると、カウンターから声をかけられた。


「これですかね?」

「そうです、そのノートです」

「是非、書かせていただこう」

「はい。よろしくお願いします」


入れ替わりはじめた客の注文を聞き、ユリは再び作る方に集中した。


「ユリ、持ち帰り希望してるにゃ」

「ランチ時間は全員に対応できないから、凍結グラタン以外なら、品物聞いておやつ時間に来て欲しいって言ってもらえる?」

「品物はケーキにゃ。言ってくるにゃ」


すぐにユメは戻ってきた。


「ポテロン30個にゃ。おやつの時間に来るって言ってたにゃ」

「ユメちゃん、ありがとう!」


出来上がっていてすぐ詰め込めるものならともかく、ケーキ類は箱に入れる手間が厳しい。


「パイ持って帰るのに、袋使って良いにゃ?」

「100☆の袋? お客さんが払うって言うなら構わないわよ。あ、直接入れないで、クッキーとか包んでる薄い紙のスリーブに入れてからにしてね」

「わかったにゃ!」


ランチの生姜焼きを作りながらパイ生地の計量をし、パイ生地を仕込んだ。

バターを叩いているところにユメが来て、少し怯えているように見えたけど、大丈夫かしら?


この後入った注文は、数人を除きフルフルセットばかりだったらしく、生姜焼きは売り切れで、ココナツカレーは8つ余り、サラダやパイなどは14余ったらしい。

お店を任せていたおかげで、ユリはパイが半分終わり、午後の予定が楽になった。

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