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アルストロメリアのお菓子屋さん  ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
3章

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葉脈

栗ご飯をセットし、外おやつに冬箱に入れたミニシュークリームを用意し、温かいお茶と冷茶を用意した。


アングレーズソースを作り、冷やしている間に、イチゴアイスクリームを1回作り、バニラアイスクリームも1回作った。


おやつタイムが始まり、注文をリラとユメに任せ、とりあえず15個あれば足りるかなと普通のシュークリームを用意したあと、スワンシュー用のシュー皮をカットしていった。

作ったアイスクリームは、ソウとマーレイにデッシャーですくってもらった。


◇ーーーーー◇

おすすめおやつ


フルーツパフェ(店内専用)   1000☆(限定14)

スワンシュー(店内専用)     500☆(限定45)

シュークリーム(持ち帰り兼用)  300☆(限定300)

持ち帰りおやつは10分以内に冬箱へ入れてください。


冷茶              200☆

お茶(注文した方のみおかわり自由)200☆


常温おやつ

マロンパイ(渋皮煮の栗入り)   300☆

パウンドケーキ         150☆

リラの華            200☆

黒猫クッキー          時価

(ユメちゃんから直接購入してください)


軽食

ホットサンド(ハム、たまご)    500☆

栗ご飯             300☆(限定15) 

おにぎり(新生姜の佃煮)      200☆


持ち帰り専用

黒蜜(現在売り切れ)        800☆

  容器持参(150ml・180g)    500☆

凍結グラタン(1人前) (袋100☆)  600☆

(キノコ、ブロッコリー、ハム、マカロニ)

グラタンの持ち帰りについて。

夏期の販売は、冬箱か真冬箱をお持ちの方に限ります。

解凍し釜で焼いてからお召し上がりください。


※器返却スタンプ始めました!

◇ーーーーー◇


注文の入ったフルーツパフェやスワンシューを作り、すぐ出せるものは出してもらった。

おにぎりまで手が回らなく、どうしようかと思っていたら、ユメが作ってくれるらしい。

2階からラップフィルムを持ってきて、新生姜の佃煮入りのおにぎりを作ってくれた。

どうやらリラにも教えてくれたらしい。


注文が一段落し、リラとユメを呼んで、スワンシューの作り方を教えた。

生クリームは割りと隠れるので、絞り方の練習にもちょうど良い。

最後に粉糖をかけるので、より白鳥らしくなる。


「ユリ、実験はどうなったにゃ?」

「あー、冷蔵庫見ると良いわよ」


不思議そうな顔をしてリラとユメは冷蔵庫を見に行った。


「にゃ!」「うわ!」


そこには、首がぐんにゃり横に曲がったスワンシューがあった。


「味は変わんないと言うか、シュー皮が湿気った味はするけど、とにかく見た目がね」

「確かにこれはダメですね」

「ダメにゃ」

「なにか方法はないんですか?」

「ホワイトチョコレートがあれば、なんとかなるけど、でも一番美味しいのは作ってすぐだから、店内専用のままで良いと思うのよね」

「にゃるほどにゃー」

「美味しい方が良いですね!」


ユリはそのスワンシューをぱくっと食べ、リラとユメには、自分用に作るように言った。


いきなり客用を作るのはハードルが高いようだが、自分用ならと緊張せず作れたようだ。


お昼ご飯のあとアイスクリームをすくって、その後すぐに仕事に行っていたソウとマーレイが戻ってきた。

二人にココットを洗ってもらい、全員を呼んだ。


「さあ!練習の成果を見せるときです!生クリームで、薔薇を絞ってもらいます」

「え!」「にゃ!」「まじか!」「!?」


皆一様に驚いている。


くちなし(黄色)、バタフライピー(水色)、ビーツ(桃色)で、色付けした3色と、色付けしていないままの生クリーム(白)を用意した。


「お好きな色でどうぞ。50個くらいお願いします」


リラが桃色、ユメが黄色、ソウが白、マーレイが水色を選んだ。


プリンカップの後ろに絞り、冷凍する。

固まったらペティナイフで切り取り、ココットに、新しい生クリームを少し絞って糊がわりにし、張り付ける。再度冷凍する。


ユリはココット300個に生クリームで小さめのローズバッドを絞り、冷凍した。

(ローズバッド:星口金で丸い感じに絞るバラのつぼみ)


次に緑色の生クリームを作り、バラの横に小さな葉っぱを絞っていく。


店の注文をこなしながらユリは作業していた。

マーレイが先に50個作り終わり、次にリラが終わった。


リラは店の注文を取りに行き、マーレイはユリがやっていたバラをココットに移す作業を代わってくれた。


ユメが終わり、ソウの残りをユリが引き取った。

ささっとバラを作り、冷凍した。


大きいココットにバラを4種類入れたものを作り、葉っぱを絞り、やはり冷凍した。


大きいココットのバラ4つ入り25個、ココットのバラ1つ入り100個、ココットのローズバッド入り300個が出来上がった。全て冷凍してある。



ユリが店に顔を出すと、栗ご飯に今まで書いてなかった限定が書かれたのは何でなのかと聞かれた。

栗の在庫がなくなるからです。と言うと、栗を待ってきたら作ってくれるのか聞かれ、栗を持ってきて、一緒に剥いてくれるなら作ります。と答えておいた。


どうやらこの国では、栗はその辺で拾って茹でたり焼いたりして食べるもので、野菜として流通していないらしく、ユリは入手できなかったのだ。

花畑を見に行ったときソウもそんなことを言っていた。ユリの感覚で言うなら、栽培ものではない山菜みたいな扱いなのだろう。


「ユリ様、スワンシュー売り切れました!追加希望が出ていますが、どうしたら良いですか?」

「私が行ってくるわ」


食べ損ねたわけではなく、おかわりで食べたかったらしい。

すでに材料がないので、またそのうち販売します。と約束し、納得してもらった。


ソウとマーレイに残していた分を仕上げ、二人にスワンシューを渡した。

マーレイは店で売り切れなのにと驚いていたが、ソウは食べたかったらしく喜んでいた。


ターメリックライスを炊き、ソウとマーレイに洗ってもらったグラタン皿に入れた。

キノコ入りのホワイトソースを作り、ハムをターメリックライスの上に散らしたあと上にかけ、チーズをのせキノコドリアが完成し、全て冷凍した。


ユリはゼリーを作り始めた。

缶詰めを開け、フルーツを小さくカットしてもらった。


閉店前にシュークリームも売り切れ、焼き菓子以外は売り切れた。


カットしたフルーツをバラの生クリーム入りのココットの端の方に入れてもらい、再び冷凍した。


ゼリー液ができたので、ローズバッド入りのココットを出してもらい、固まるギリギリまで冷やしたゼリー液を静かにローズバッドにかけ、生クリームの回りをゼリーで固めた。今度は冷蔵してもらい、冷凍してあるココットを順番に出してもらった。


すべてのバラをゼリーで固め、今度は少しだけゼリー液の温度をあげ、ゼリー液の表面が平らになるまで注いだ。


「よし、完成!」

「おおー!俺が苦労した甲斐が!」

「凄いですね。水中花みたいです」

「水中花は有るのね」

「ユリ、冷凍したのはなぜにゃ?」

「花びらの形が崩れないようにね」

「先に少しゼリーを入れたのはなんでですか?」

「浮いちゃうのよ。生クリームが」

「にゃるほどにゃー」「そうなんですね!」


「ユリ様、葉っぱの作り方も教えてください」

「教えてにゃ!」

「良いわよ。今やってみる?」

「はい!」「やったにゃ!」

「ソウとマーレイさんもいかが?」


ユリはコロネを作り、(三角形の紙を円錐型に丸めたもの)先を潰して両端から斜めに切ったものと、更に中心を少し切り込んだものを作った。

練習用クリームをいれ作って見せた。


「これを力を入れすぎないように絞って、スッと引くとできるわ」

「やってみて良いですか?」

「どうぞ」

「あれ?あれ?・・・あ、こうかな、できた!」


最初は力を入れすぎて長い海草のようなものができていたが、力加減を弱めたらきれいな葉っぱになったようだ。

リラはユメにコロネを渡し、ユメもマーレイもすぐにできるようになった。


「ユリ様、もうひとつはなんですか?」

「これはね、こうするのよ」


ユリは中心をカットしたコロネで少し振動を与えるように絞り、違う葉っぱを絞って見せた。


「バラの葉っぱはこっちね」

「凄い!葉脈だ!・・・あれ?ココットのバラはなぜこっちじゃないんですか?」

「果汁入りのゼリー越しで見るからね。あまり細かいところは見えないのよ」

「どういうときに使うんですか?」

「ケーキの上に飾るときね」


「さあ、ご飯にしましょう」

「はーい!」「手伝うにゃ!」


ユリたちがご飯を作りにいったあと、ソウは葉っぱを作っていた。


カレードリアを温め、残っていたポテトサラダをユメが5つに分けた。ランチの店売りより少しだけ多い感じだ。


ドリアを運んでも、ソウはまだ葉っぱの練習をしていた。


「ソウ、ご飯食べましょう?」

「あ、うん」


ソウは自信を取り戻したようで、笑顔だった。


「俺、葉っぱなら絞れるみたい!」

「ソウ凄いわ、私は覚えるまでに結構かかったのよ」

「え?そうなの?」


ただし、ユリが覚えるのに時間がかかった最大の理由はコロネのカットの方である。

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