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アルストロメリアのお菓子屋さん  ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
3章

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絶賛

異世界に来たからにはマヨネーズを作らなければ。

なんて。すでに誰かが出していると思うのよね。


残念ながら自作マヨネーズは誰も出していない。転移組全員が現物は持ち込んだが、ありふれた調味料を自作するという発想がないため、作り方を詳しく知らないのである。

その点ユリは、大量の缶詰やカレールーやソースやケチャップは持ち込んだのに、マヨネーズは家内用の数本しか持ってこなかった。


少し捻って、ポテトサラダにしましょう。久しぶりに食べたいし。


じゃがいもを半割りにして蒸し器で蒸かして、ついでに皮を剥いたニンジンもいれて、卵を茹でて、マカロニを茹でて、じゃがいもの皮を剥いて熱いうちにポテトマッシャーでしっかり潰して、塩コショウして、1度芋を冷やして、ハムを切って、きゅうりを切って塩揉みして水気を切って、茹で玉子を荒く刻んで、ニンジンを切って、全てをマヨネーズで和えたら出来上がりだ。


かなりめんどくさい。


早朝、パウンドケーキを作った後、朝ご飯の前に蒸し器にセットし、ジャガイモとニンジンを蒸かしたおいた。

熱々のじゃがいもを取り出し皮を剥いて潰しているとリラがきた。


「おはようございます」

「おはようー」

「何作ってるんですか?」

「ポテトサラダよ」

「ポテトサラダ?」

「じゃがいものサラダよ」


サラダと言えば、トマトか青菜のイメージのため、リラにはじゃがいもがサラダになるというのがわからない。


「何をすれば良いですか?」

「時間になってから、マカロニを茹でて、そのお湯でいいから次に卵を茹でてくれる?」

「はい!」


あれ?文字が読めるから説明しなくても茹で時間わかるのかしら?


ユリは潰し終わったじゃがいもに塩コショウして、あら熱をとって蓋をして冷蔵庫にいれた。

次はマヨネーズだ。


ボールに卵の黄身を5つ入れ、良く混ぜてから塩を混ぜ、酢を大さじ5杯入れる。しっかり混ぜ白っぽくなってきたら油を少しずつ加えていく。機械にかかる量になったらミキサーのボールに入れ、高速回転させながら油を少しずつ加えていく。たまに止め、ゴムベラで下からすくって混ぜる。油が全部混ざったら出来上がり。


油は酢の約10倍入る。卵黄1つ(約20g)に対し、酢7.5mlと油75ml ~ 酢25mlと油250mlくらいまで出来るらしい。

ユリは、卵黄1に対し、酢15mlと油150mlで作った。


時間になったのかリラがエプロンを付けて現れた。

早速マカロニをゆでている。


「リラちゃん、茹でるものの後、きゅうりとハムとニンジンを切ってもらえる?」

「はい!」

「ハムはこのくらい、ニンジンはこのくらい、きゅうりは薄切りね」


ユリは、ニンジンを5mm幅程度のイチョウ切りにし、スライスハムを1.5~2cm角くらいに切って見せた。


ユリはカスタードクリームを作り、バットに広げあら熱をとってから冷蔵した。


ポテトサラダに戻り、茹で玉子の殻を剥き、白身を大きめに切り、黄身は適当に潰した。

リラが切ったきゅうりを塩揉みし、水気をしっかり切る。


さて、これで揃ったわね?


「これを混ぜます」

「はい!」

「マカロニを持ってきてもらえる?」


潰したじゃがいもにマヨネーズを混ぜる。かなり沢山入る。作り方を見るとカロリーの高さにおののく。だからといって、マヨネーズを控えると美味しくない。

ハム、ニンジン、玉子、キュウリ、マカロニを加え、ふんわりしっかり混ぜるとできあがり。


「味見してみる?」

「はい!!」

「小皿持ってらっしゃい」

「はい!」


ユリはたっぷりよそってくれて、リラはあまりの多さに少し驚いた。


リラが一口食べる。


「ん?何これ!!!」


あまりの美味しさに、多くて驚いたはずが気がついたら何もなかった。


「ユリ様 凄いです!ものすごく美味しいです!!」

「それは良かったわね ふふふ」


「いい匂いがするにゃ」

「あら、ユメちゃんおはよう」

「ユメちゃん、おはようございます」

「おはようにゃ。何作ってるにゃ?」

「ポテトサラダよ。味見どうぞ」


ユリはリラに渡したよりは少し少ないくらいをユメに渡した。


「味見、多いにゃ」


もらったユメはやはり驚いていた。

ところが食べ出すと一気に食べ終わり、もう少し欲しいと言っていた。


「ランチの時に出すから楽しみにしていてね」

「はーい!」

「わかったにゃ」


「リラちゃん、ポテトサラダを中デッシャーでココットに80個お願い。疲れたら代わるから言うのよ?出来たらプチトマトを1つずつのせてね」

「はい!」

「一緒にやるのにゃー!」


中デッシャーは2つ有るのでユメも手伝ってくれるらしい。

夏のアイスクリームで使い込んで、握りがだいぶ柔らかくなったようだ。

ポテトサラダこそ、そもそも本来持ち込んだ理由の使い方なのだ。


「残ったら私たちの分は多めで5つ作ってね」

「はい!」

「やったにゃ!!」



ユリは玉ねぎを刻み、途中でリラも加わって更に刻み、2/3の玉ねぎを鍋で炒めた。


玉ねぎをたくさん刻んだため、リラがボロボロと泣いていた。


「換気して顔洗うと良いわよ」

「ふぁい」


涙声だった。

早く言ってあげれば良かった・・・。


冷えた玉ねぎと、挽き肉と、パン粉と卵と牛乳を加えて混ぜハンバーグ種にして、50個に分けて丸めて形を作り冷蔵した。

ハンバーグ種を分けるのはすっかりユメの仕事になったらしく、頼まずともやってくれた。


トマト缶と、避けておいた刻み玉ねぎと刻みセロリと調味料でトマトソースを作り、パセリを刻んだ。



リラに頼み、炊けたご飯にケチャップを合え、グラタン皿にいれてもらう。

少し緩く直したカレーをかけ、ユメがチーズをのせてくれた。


生クリームを作り、冷やしておいたカスタードクリームをまぜ、クレームディプロマートを作った。


リラにも頼み、細い口金を付けた絞り袋で、シュー皮に中身をいれていく。

あまりにリラが不安げなので、外おやつ用を任せた。


少し時間があまり、リラとユメにはクッキーを作ってもらった。


11:00になり、ランチが始まる。


◇ーーーーー◇

今日のおすすめランチ

カレードリア        500☆(限定40)

イタリアンハンバーグ   1000☆(限定45)

(チーズとトマトソース付き)


セット        プラス500☆

(冷茶、ポテトサラダ、シュークリーム)


持ち帰り専用

凍結グラタン(1人前) (袋100☆)  600☆

(キノコ、ブロッコリー、ハム、マカロニ)

夏期の販売は、冬箱か真冬箱をお持ちの方に限ります。

解凍し釜で焼いてからお召し上がりください。


※器返却スタンプ始めました!

◇ーーーーー◇


一気に席が埋まり、ユリは調理に集中した。

いつものように店をリラとユメに任せ、ドリアが焼けたと声をかけると、リラとユメが取りに来た。

ハンバーグも焼き上がり、チーズとトマトソースはリラがのせてくれた。


一段落し店に顔を出すと、ポテトサラダとシュークリームに質問が集中した。


「ユリ・ハナノ様! これ、これはなんですか!あまりに美味しすぎて・・・これは注文できないのですか?」

「えーと?」


声をかけてきた客は、ポテトサラダを指していた。


「少し残っているので、300☆で追加持ってきますよ」

「是非!!」

「あ、私もください!」

「こちらにも!」

「同じく!」

「すみません、ポテトサラダ追加が欲しい方は手を挙げてください」


1、2、3・・・15、全員だった。

リラが気を利かせて持ってきてくれた。


「ハナノ様、このパンのようなお菓子はおやつ時間には販売がありますか?」

「はい。これと、もうひとつ見た目が派手なのを販売します」

「楽しみにしてます!」

「はい。おまちしてます」


厨房へ戻り、追加に使ったポテトサラダの分をデッシャーでココットに入れた。

もう一度15個分は厳しそうなので、追加販売は完売ということにしましょう。


客が入れ替わり、早速ポテトサラダの追加を聞かれたが、完売だと断った。

ものすごく残念がられ、再販を希望され、来週にでも出しますと約束した。


これ以外は順調にランチは終了した。


ランチが終わる頃にソウとマーレイも来たので、みんな揃ってお昼ご飯を食べることができた。

ソウとマーレイもポテトサラダを絶賛していた。

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