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アルストロメリアのお菓子屋さん  ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
3章

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練習

カレーと、シーザーサラダを食べ終わり、みんな休憩に入った。残ったユメが小声で聞いてきた。


「ユリ、カレーはソウが作ったにゃ?」

「そうよ。ソウが作ってくれたのよ」

「あとで食べるにゃ」

「うん。ありがと」


ユメは気をきかせたのか、カレーを後で食べるらしい。

リラちゃんに聞いたのかしら?


ユリは外おやつの用意と、午後の準備をしながら予定を考えていた。


久しぶりにアングレーズソースを作って冷やした。

栗ご飯7合炊き、白ご飯3合をセットした。


あ、そうだ!と、冷蔵庫からカスタードクリームを持ってきて、1/3取り分けた。生クリームを泡立てほんの少しだけ残して混ぜ合わせた。


シュー皮を10個用意し、5個にカスタードクリームを絞り、5個に今作ったクリームを絞った。

冷蔵庫に戻し、シェル型のシュー皮をひとつだけ持ってきた。

上部を切り取り、縦に2つに切り分けた。

入れ物側にカスタードクリームを絞り、その上に生クリームを星口金で高く絞った。

S字に焼いたものを丸み側に差し込み、二つに切り分けた羽の部分を飾った。スワンシューだ。


スワンシューは、食べずに、明日まで置いておく。


「ユリ、それはなんにゃ?」

「スワンシューよ。白鳥の形ね」

「凄いにゃ!白鳥にゃ!」

「凄ーい!鳥だ!」

「あ、リラちゃん、もう時間?」

「いえ、お茶をもらおうと思って」


「明日売るにゃ?」

「そうね。明日売るのに、店内専用にするか、持ち帰り兼用にするか、決めるための実験よ」

「実験?」

「ホワイトチョコレートがあれば、持ち帰りにもできるんだけどね。たぶんダメだと思うわ。明日になればわかるわよ」


「二人とも、おやつ食べられる?」

「はい!」「たべるにゃ!」

「これ、明日のシュークリーム。こっちがカスタードクリームで、こっちが、クレームディプロマート」

「なんか凄い名前ですね」

「外交官のクリーム?」

「あ、ソウも食べる? カスタードクリームと、クレームディプロマート、どっちが良いか決めてもらおうと思って。あ、クレームディプロマートは、カスタードクリームと生クリームを混ぜたものよ」


マーレイも来て、みんなで試食した。

結果、全員クレームディプロマートが良いと言う意見だった。


「ユリ、カスタードクリームと生クリームを混ぜないで両方入れるのは作らないの?」

「作るわよ。スワンシューでね」


話しているうちに15:00になった。


◇ーーーーー◇

おすすめおやつ


フルーツパフェ(店内専用)   1500☆(限定14)

イチゴムース(持ち帰り兼用)   500☆(限定323)

持ち帰りおやつは10分以内に冬箱へ入れてください。


冷茶              200☆

お茶(注文した方のみおかわり自由)200☆


常温おやつ

パウンドケーキ         150☆

リラの華            200☆

黒猫クッキー          時価

(ユメちゃんから直接購入してください)


軽食

ホットサンド(ハム、たまご)    500☆

栗ご飯             300☆ 

おにぎり(新生姜の佃煮)      200☆


持ち帰り専用

黒蜜(現在売り切れ)        800☆

  容器持参(150ml・180g)    500☆

凍結ミニミニグラタン      200☆(2個まで)

(コーン、グリンピース、ハム、マカロニ)

グラタンの持ち帰りについて。

夏期の販売は、冬箱か真冬箱をお持ちの方に限ります。

解凍し釜で焼いてからお召し上がりください。

◇ーーーーー◇


「あ!しまった、アイス作ってないわ」

「俺作るよ何アイス?」

「イチゴとバニラ」

「手伝うにゃ!」

「ソウとユメちゃんお願いします。バニラは1回、イチゴは小さいアイス箱で2回です。出来たら大デッシャーで14個にしてもらえると助かります」

「リラちゃんは注文聞いたあと、フルーツ切ってもらえる?」

「はい!」

「マーレイさん、器だしてきて洗ってもらえます?」

「かしこまりました」


ユリはリラと注文を聞きに店に顔を出した。

ご飯ものとできているものは、さっさと出し、問題はフルーツパフェだけになった。

注文を受けるときに少し時間がかかると伝えたので、大丈夫だろう。


2個のオレンジを使って飾り切り。リンゴも2個を使って大きいうさぎりんご。缶詰めパイン半分、黄桃、キウイフルーツ、冷凍ブルーベリーをつかう。


容器に、イチゴシロップを入れ、アイスを2種類入れ、生クリームを絞り、フルーツとクッキーを飾る。


おやつタイム一巡目の注文を全てだし、少し落ち着いた。


「リラちゃん、クッキーお願いします」

「はい!」

「ソウ、餡子作るのと、クッキー作るのと、パイ生地作るのならどれが良い?」

「一番失敗が少なそうなのは?」

「餡子、クッキー、パイ生地の順かな」

「あんこ作るよ」

「じゃあこれ」


ユリは、水に浸けてあるさらし餡をソウに渡した。


「あんこって、小豆(あずき)からじゃないんだね」

「粒餡なら小豆からでも良いけど、こし餡はさらし餡からの方が楽かな」

「たまに跳ねるから火傷に気を付けてね」

「わかった」

「マーレイさん、クッキーの補助お願いします」

「かしこまりました」


お店はユメがみていてくれるらしい。


ユリは、パイ生地の計量始めた。

まずはバターを切って1cm厚の正方形に固め、一旦冷蔵庫に戻す。

台に小麦粉を振るい、中央を開け、水分を入れ、カードを使いだんだんに混ぜていく。

ひとかたまりになったら濡れ布巾を被せ休ませる。


最初に作ったバターを出してきて、麺棒などで叩き、少し柔らかくする。

30分位休ませた生地に十字に切り目をいれ開くように伸し、正方形にする。

生地に対し、バターを斜めにおき、耳の分を被せバターをきれいに被う。しっかりくっつくように留める。


体重をかけるように麺棒で伸す。

四つ折にする。90度向きを変え伸ばし、三つ折にする。冷蔵庫で休ませる。

1~2時間後にもう一度、四つ折りと三つ折りをするとパイ生地が完成。


休ませている間にクッキーを焼き、手の空いた人にはバラの練習をしてもらった。

マーレイとリラは実践で使えそうだ。


「リラちゃん、ユメちゃんと代わってもらって良い?」

「はい!」


フルーツパフェは2順目で売り切れたので、面倒な注文もない。



「ユリ、呼んだにゃ?」

「ユメちゃん、バラ練習しない?」

「今、練習して良いにゃ?」

「はい、お願いします」


ソウも練習に加わった。

昨日よりもだいぶましになってきた。


みんなにバラを練習してもらい、閉店する頃には、時間はかかるものの、なんとか全員作れるようになった。


ソウとユメが練習している間に、ユリはパイ生地を伸し、マーレイを補助にマロンパイを作った。

これで今日の予定が全て終わり、お疲れ様!と、チャーシュー丼を振る舞った。

※王国語は、英語ではありません。

ユリの言葉として、シュークリームと言っています。

(仏)シュー・ア・ラ・クレーム

(英)クリームパフ


フランス語の「シュー」はキャベツのことで、「エクレア」は稲妻らしいです

また、英語圏で、「シュークリーム」と言うと、靴用クリームだと思われるそうです。

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