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アルストロメリアのお菓子屋さん  ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
3章

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保温

お昼ご飯はメキシカンハンバーグをとりあえず3人前作った。

そういえば今日は、まだマーレイが来ていない。


辛味調味料は下げてもらい、冷蔵庫にしまった。

2人分は辛くないサルサソースをかけ、ハンバーグを仕上げた。


「ソース、別にゃ?」


ユリが自分の分だけ違うところからソースをかけたのを、めざとく見つけたユメに聞かれた。


「2人のはあまり辛くないソースにしたわ」

「ユリ、偉いにゃ!気が利くにゃ!」

「ユリ様ありがとうございます!」


黒胡椒が入っているため、全く辛くないわけではないが、辛味調味料を足していないので、辛味が苦手な2人には、安心の味だろう。


美味しくいただき、デザートにババロアを出すと、2人は喜んでいた。


食べ終わった頃、ソウとマーレイがやっと来た。


「やっと帰ってこれたー!」

「ただいま戻りました」

「おかえりー。ランチ食べるわよね?」

「未だある?お願い!」

「お願いします」


2人分のメキシカンハンバーグを作り、サルサソースをかけずに別添えで持っていった。

リラが気を効かせて辛味調味料を持ってきてくれた。


「おおー!タバスコモドキ」

「サルサソースに混ぜて使うと良いわよ。マーレイさんは味を見てから足してね」

「はい、ありがとうございます」


ユリは、ババロアも持ってきた。



ユメとリラが休憩に入り、ユリは栗ご飯を仕込んだ。


少し休憩し、外おやつの用意をした。

熱いお茶と冷たいお茶とパウンドケーキだ。


店のお茶も作り、厨房に2台、外に1台、夏板を準備した。

厨房のやかんは、大きいものと、リラが持ちやすいように、小さいものを用意した。

外は大きいやかんだ。


冷蔵庫のリンゴをざるにあげた。


「ユリ・ハナノ様、肉、野菜類はしまいますか?」

「あ、はい、明日の分よね。お願いします」


マーレイが全てしまい片付けてくれた。



リラとユメが戻ってきておやつタイムが始まった。


◇ーーーーー◇

おすすめおやつ


プリンアラモード(持ち帰り兼用) 1000☆(限定100)

ババロア(持ち帰り兼用)     500☆(限定100)

持ち帰りおやつは15分以内に冬箱へ入れてください。


冷茶              200☆

お茶(注文した方のみおかわり自由)200☆


常温おやつ

あられ             200☆

マロンパイ(渋皮煮の栗入り)   300☆

パウンドケーキ         150☆

リラの華            200☆

黒猫クッキー          時価

(ユメちゃんから直接購入してください)


軽食

ホットサンド(ハム、たまご)    500☆

栗ご飯             300☆ 

おにぎり(新生姜の佃煮)      200☆


持ち帰り専用

黒蜜(現在売り切れ)        800☆

  容器持参(150ml・180g)    500☆

凍結ミニミニグラタン      200☆(2個まで)

(コーン、グリンピース、ハム、マカロニ)

ミニミニグラタンの持ち帰りについて。

夏期の販売は、冬箱か真冬箱をお持ちの方に限ります。

解凍し釜で焼いてからお召し上がりください。

◇ーーーーー◇


「持っていく前に、リンゴをのせてね」

「はい!」

「プリンアラモードにゃ!」


休み前に約束していた人たちが来店した。


ホットサンド、新生姜の佃煮のおにぎり、アラレ、かなり楽しみにしていたらしく、早くから並んでいたようだ。


店内で座らず買うだけの人をユメに対応してもらい、ユリはホットサンドやアラレを作った。

リラには、すぐに出せる注文分などをさばいて貰った。


注文が落ち着いてから店に顔を出すと、質問攻めにあった。


「ユリ・ハナノ様、栗ご飯とは、栗とご飯ですか?」

「味見を持ってくるので食べて見ると良いですよ」


少しだけ持ってきた栗ご飯を食べると、即注文された。


「御店主、おにぎり(新生姜の佃煮)とはどんなものですか?」

「おにぎりは、ご飯をまとめたもので、新生姜の佃煮は、若い生姜を甘く煮たもので、ご飯の真ん中に入っています」

「少し理解が及ばないが、まあ、食べてみます」


食べ出すと、大絶賛だった。

注文が入ってからユリが握っている。(白ご飯は2階で炊いた)


「アラレ、ありがとうございます!これが食べたかった! 持ち帰りはできますか?」

「少しなら可能です。作っておきますので、帰りに声をかけてください」


「ハナノ様、先日いただいたお菓子はないのですか?」

「どれのことですか?」

「栗の渋皮煮が入っていた・・・」

「マロンパイです」

「それと温かいお茶をください」

「温めますか?そのままお持ちしますか?」

「おすすめな方でお願いします」

「では、温めてお持ちします」


「ユリ・ハナノ様!この下のはなんですか?」

「ババロアです。単品もあります」

「それをください!」


ユリが答える他、聞かれたリラがウサギリンゴについて答えていた。

ユメはマロンパイの中身について答えていた。


「ユリ・ハナノ様、ホットサンドありがとうございます!」

「常設したので、しばらくはあると思います」

「本当ですか!ありがたい!」


8枚切りの食パンを2枚ずつ保存袋に入れ、冷凍してある。



外のお茶を見に行くと、夏板について質問された。

トロピカルで売っていますよ。と答えると早速買いに行くと言っていた。

意外にも、熱いお茶を保存(保温)すると言う発想は、目新しいものだったらしい。


店内に戻り再び質問攻めにあい、ご飯ものが最初に売り切れた。

急いで2階にご飯を炊きに行った。

ユリは密かに、余ったら栗ご飯を食べようと思っていたので、明日は沢山作らねばと考えていた。



あっという間に17:00で、この時間まで明日の用意をする暇がなかった。


「リラちゃん、手が空いたらココット400洗ってもらえる?」

「はい!」


「ユリ、何か作るにゃ?」

「明日のおやつを仕込まないと明日売るおやつがないからね」

「何作るにゃ?」

「イチゴムースの予定よ」

「美味しそうにゃ!」

「子供の頃作って、失敗したわ。分離するのよ」

「難しいにゃ?」

「温度をしっかり確認すれば大丈夫よ」


「手伝うにゃ!」

「ユメちゃん、疲れてない? 大丈夫?」

「大丈夫にゃ! 疲れたら休むにゃ!」

「なら、夏板4台厨房に出してくれる?」

「わかったにゃ!」


ユリは、豚肩ロースを小さめのチャーシューの太さに切ってから回りに焼き目をつけ、大きいジッパー袋にいれ調味料をいれ、袋を水につけながら空気を抜いた。

ユメに用意してもらった夏板に空いている鍋をのせ半分くらいの水をいれ魔力で沸騰させた。

そのなかに、ジッパー袋に入れた肩ロースをいれ、落し蓋をした上で蓋を閉めて80度キープ7時間の魔力を注いだ。

全部で32袋、肩ロース約16キロだ。


夏箱を65度にセットして30分間、卵60個を2度に分け、温泉卵にした。


ユメに頼んで、洗ってもらったココットの中に、冷凍ダイスカットイチゴを少し入れてもらい、作ったイチゴムースを流し入れた。

1度で作れなくて、2回に分けて作った。


リラに店を見てもらっていたので、途中呼ばれることなく明日のデザートが出来上がった。


何とか閉店間際までに明日の用意があらかた終わった。

マロンパイを含め、デザートは全て売り切れたそうだ。


「ご飯もの売れちゃったから、急いで白ご飯だけ炊いたんだけど、肩ロースを整形したときの切り落としがあるから他人丼で良い?」

「他人丼?」

「親子丼は鶏肉と卵だけど、他人丼は、豚肉と卵で作るらしいわ」

「食べてみたいです。作ってもみたいです」

「なら、私が2つ作るから、1つ作ってみる?作り方は親子丼とほとんど一緒よ」

「はい!」

「私のは作ってにゃ」


ユメが見ているなか作ることになった。

鶏肉よりも早く煮えるので、失敗も少ない。

出来上がったと同時にソウとマーレイが帰ってきた。

リラと話して、先に二人に提供し、自分達の分をもう一度作ることにした。


割りとすぐできるためか、食べずに待っていてくれたらしい。


揃って食べはじめ、今日あったことを話した。

食べ終わるとユメは「寝るにゃー」と言って、2階に行ってしまった。やはりお疲れらしい。


ユリは、外おやつを片付け、夏板を持ってきた。

やかんのお茶は少し残っていたので、まだ冷たい方が人気のようだ。


「ユリ様、あとは何をしますか?」

「もう上がって大丈夫よ」

「食事を出してもらったので、まだ何かあると思っていたんですが?」

「リラちゃん、今日、早く入ったじゃない。すでに残業よ?」

「あ、そうだった・・・忘れてました」

「何かしたいなら、少しだけバラの練習をすると良いわ」


「バラの練習ってなに?」

「クリームのバラを絞る練習よ」

「俺もやりたーい」

「良いけど、どうして?」

「あれできたら、かっこ良いじゃん!」

「まあ、できないよりできた方が かっこ良いかな?」

「マーレイもやってみる?難しくて面白いぞ」

「無理しないで挑戦してください。うふふ」

「お役に立てるかわかりませんがやってみます」


割りとマーレイは器用なようで、かなり形になっていた。

リラももう少し練習すれば、実践で使えそうだ。

ソウは、名誉のためにもここに形容しないでおこう。

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