小型
明日から休みだわ!
今日一日頑張ろう!
朝ごはんを食べ、掃除のために外に出ると、又並んでいた。
なんでー?
いつものように聞いて回ると、理由はミニミニグラタンだった。
今までのアイスクリームよりも並んでいる。
戻ってこないユリを探しに来たソウと一緒に、とりあえず並んでいる人に販売した。
47人並んでいたため、冷凍グラタンは、ほぼなくなった。
「追加作った方が良いかしら・・・」
「材料足りるの?」
「無いわね。ハム、ブロッコリー、牛乳が足りないわ」
「それ買ってくれば作れるの?」
「玉ねぎ、マカロニ、チーズはあるわね。お願いできる?」
「わかった。すぐ買ってくるよ」
「ソウありがとう」
さすがに開店前に売り切れは想定していなかったわ・・・
まだ8:00前である。
とりあえず、冷蔵庫にあるミニミニグラタン100個を冷凍庫に移した。3時間冷凍すればかなり固まるだろう。
ココットを200個洗い、玉ねぎを切り、マカロニを茹で、ランチの準備をしながらソウを待った。
リラが来るよりも早くソウが戻ってきた。
ブロッコリーを房分けしてから茹で、ソウにハムを切ってもらい、ユリはホワイトソースを作った。
9:00頃、ホワイトソースの途中で来たリラが、少し驚いていた。
「おはようござい、ま、す? グラタンですか?」
「おはよう。持ち帰りの冷凍分、ほぼ売り切れたわ」
「早く入っても良ければすぐ手伝います」
「お願いします」
出掛けなければならないソウと代わってもらい、リラにココットに具を分けてもらった。
昨日と同じなので、何も指示を出さなくてもこなしてくれた。
同じものだけを分けるのではなく、50個位ずつ作ってくれたので、ユリは作りやすかった。
出来上がっているホワイトソースを分けていくと、具を入れ終わったリラは、何も言わなくてもチーズをのせてくれた。
「全部冷凍ですか?」
「昨日の冷蔵分を冷凍に移してあるから、昨日と同じで100個ずつ冷凍と冷蔵でお願いします」
「はい!」
「11:00過ぎまで持つかしら・・・」
急いでハンバーグと夏野菜カレーを作った。
開店少し前に外を確認すると、やはり並んでいて、62人。この時点で冷凍グラタンは足りなかった。9人分は、あまり凍っていない事を付け加えて販売した。
あと82個。
◇ーーーーー◇
今日のランチ
ハンバーグ&ミニミニグラタン 1000☆(限定45)
夏野菜カレー 500☆(限定50)
ミニミニグラタン 200☆(限定50)
(ハムとブロッコリーのグラタン)
オレンジゼリーセット 500☆(限定98)
(ゼリー、ミニサラダ、冷茶)
持ち帰り可能品
凍結ミニミニグラタン 200☆(限定300)
ミニミニグラタンの持ち帰りは、
冬箱か真冬箱をお持ちの方に限ります。
解凍し釜で焼いてからお召し上がりください。
アイスクリームご希望の方は、
おやつタイムに2~4人組でお越しください。
◇ーーーーー◇
お店が開店し、予想通り夏野菜カレーを注文する人がミニミニグラタンを注文した。
ハンバーグの注文なのに、ミニミニグラタンを頼む人までいて順調に売れていった。
食べたあとに持ち帰りを買う人も多く、リラはお店に出ずっぱりだった。
ユメが来たらリラと代わってもらおうと思っていたが、ユメはなかなか来なかった。
12:00過ぎに持ち帰り用のミニミニグラタンが売り切れた。
開店してから1時間以上たったのだ。もう良いだろう。
やっとリラは解放され一息ついたようだった。
「リラちゃんありがとう。大変だったわね」
「アイスクリームよりも売れましたね」
「そうね。12:00頃までに300は凄いわよね」
「次は何をしますか?」
「今30分休むか、13:30から休むか、どっちが良い?」
「ユメちゃんが来ていないのであとで休みます。とりあえず洗い物します!」
「お願いします」
できた料理をリラが運ぶと、何か聞かれたらしい。
「ユリ様、持ち帰り可能なものはないですか?と聞かれました」
「クッキー、パウンドケーキ以外って意味よね。オレンジゼリーを300☆で出しても良いけど」
「聞いてきます」
リラはすぐに戻ってきた。
「ゼリー12個出します。7人の注文です」
「はい、お願いします」
ユリも作った料理を出しに行った。
「ご店主殿、ミニミニグラタンは又今度売ってもらえますか?」
「休み明けでよければ」
「それで構いません!」
何人かが小声で「おー」と言っているのが聞こえた。
リラにアングレーズソースの計量をしてもらっていると、13:00過ぎにユメが来たので、リラに13:30から休憩に入ってもらった。
ラストのチョコアイスクリームの引き換え客が結構来て、ユメが忙しそうだった。
14:00前にソウとマーレイも来て、食べ終わっている食器を下げたり洗い物をしてくれた。
ユリはハンバーグとミニミニグラタンを5人前作り、ユメにリラを呼んでくるように頼んだ。
「ユリ、あのあと大丈夫だったか?」
「リラちゃんが来てくれたから大丈夫よ」
「グラタンはどうなったの?」
「12:00頃に冷凍は全部売れて、冷蔵分も今食べる5個以外残ってないわ。あ、ミニサラダ用の野菜が残っているから昼も夜もサラダ食べてね」
「サラダ用の野菜?」
「オレンジゼリーを単品で持ち帰りに出したのよ。グラタン売り切れちゃったから」
「持ち帰れば何でも良いのか!?」
ソウは驚いたあと笑っていた。
リラが来て全員揃ったので、まずは話題のミニミニグラタンをみんなが食べた。
「美味しいです!中身が変わると大分印象も変わりますね」
「美味しいにゃ!グラタン好きにゃ!」
「ハム旨いな。もう少し欲しいな」
「はい、もっと食べたいですね」
「余ったら冷凍すれば良いかと思ったけど、早々に売り切れちゃったからね。休み明けに又作るわ」
ハンバーグとたっぷりのサラダを食べた。
「ゼリー食べる?」
「はい!」「食べるにゃ!」
「ありがとうございます」
「俺はいいや」
ソウは残りが4個なのを知っていた。
冷茶を取りに行ったときに見たからだ。
「ソウ、半分こにしましょ」
「え、あ、ありがとう」
ソウは少し照れたように笑っていた。
ユリは半分弱を自分の皿に出し、器ごとソウに渡した。
ソウは、なぜか少し残念そうにしていた。
みんながお昼休みに入り厨房からいなくなると、ユリはアングレーズソースを作るのだった。