表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

141/687

追加

いよいよ変わり種アイスクリームのお披露目だ。

すでにパウンドケーキを仕込んだユリは朝食のために2階に来ていた。

ユリが片付けをしていると、まだ早いのに、ユメが起きてきた。

手伝ってくれるらしい。


ソウは、仕事があるそうで、昼御飯よりは前に戻ると言って、早くから出掛けていった。


「ユメちゃん、朝ご飯食べないなら、今日のアイス食べてみる?」

「食べてみるにゃ!」


9:00少し前に厨房へ行くと、ちょうどリラも出勤してきた。


「リラちゃん、ユメちゃんと一緒に今日のアイスクリーム食べてみる?」

「え!良いんですか!? 昨日見て食べてみたかったんです!」

「まあ、味は、黒糖アイスクリームよ。きな粉かけるけど」


二人に今日のアイスクリーム「フルーツ宝箱」を出し、ユリは用意を始めた。


「わー!イチゴだ!」

「ブルーベリーにゃ!」


食べてみるまで何が出てくるかわからないのは、知っていても楽しいらしい。


「また、あとで出してあげるから今日もよろしくね」

「はい!!」「はいにゃ!」


「今日は、アングレーズソース8回分作ってもらえる?」

「はい!」


ユリはランチの仕込みを始めた。

昨日茹でておいた塊肉を薄切りにして、軽く焼く。肉の水分でバチバチ跳ねるので、蓋をして焼き付ける。その間に葉にんにくや、長ネギを刻んだ。


ユメはユリやリラに聞きながら必要なものを揃えたりしてくれている。


マーレイは仕入れの荷物を置きに来たが、この後ソウと合流すると言ってすぐに戻って行った。


ユリは、鶏肉と薄切り玉ねぎを使ったホワイトソースを作り、大量のキノコを加え混ぜ、グラタン皿に盛り付け、チーズやパン粉を乗せ焼くだけの状態にした。


「あら、思ったほどかさが減らなかったわねぇ」


火を通すとキノコはかさが減るので、多めに見積もって加えたら、40食以上できそうだった。

グラタン皿は30しかないので全部は盛り付けていないが、見た感じでは14~15食くらいありそうだ。


少し時間があまり、朝からずっとアングレーズソースを作っているリラも呼んで、ユメと二人に再びアイスクリームを出すことにした。


「リラちゃん、ユメちゃん、アイスクリーム食べて少し休憩しましょ」

「はい!」「やったにゃ!」


「アングレーズソース何回できた?」

「5回目が終わって、6回目を量ったところです」

「優秀ね。凄いわ!」

「キウイフルーツにゃ!」

「あれ?あ、あった!青い桃だ!」


「トレーの上に大きな紙を敷いておくから、その上で、薄くきな粉をふるってかけてからアイスクリームを出してね」

「はい!」「はいにゃ!」


「覚えなくても良いけど、ルビーのイチゴ、エメラルドのキウイフルーツ、アメジストのブルーベリー、カーネリアンのあんず、シトリンのパイナップル、サファイアの白桃、というつもりで作ったのよ」

「全部宝石の名前ですか?」

「そうよ。宝石は色があっていれば、違うものでも構わないわ」


「ダイヤモンドは無いにゃ?」

「透明に入れて映えるフルーツが思い浮かばなかったのよ」

「にゃるほどにゃー」

「書きとめても良いですか?」

「どうぞ、サファイアは、バタフライピーシロップで青くした桃よ」


短い休憩は終わり、客が来店しだした。


◇ーーーーー◇

ランチメニュー

回鍋肉(ホイコーロー)(豚肉と葉大蒜(はにんにく)の炒め物) 1000☆

キノコグラタン       500☆


アイスクリームセット プラス500☆

(冷茶、フルーツ宝箱)

◇ーーーーー◇


回鍋肉は4人前ずつ作った。そんなに時間がかからないので、待たせることもない。

グラタンの焼き上がりよりも早いくらいだ。

ユメがご飯もよそってくれるので、調理だけしていることができ、とても楽だった。


そういえば・・・。

以前グラタンでは足りない人がいるという話をしたのを思い出した。

今日も双方食べる人来るのかしら?


とりあえず調理が一段落したので、ユリもできたものを持って行った。



「なんか入ってる!」


声をあげた客を振り返り 覗いたリラが、それはルビーのイチゴです!と説明していた。


「ルビーが入っているから宝箱なのか!」

「私のは緑色だ!」

「そちらは、エメラルドのキウイフルーツですね」

「ご店主!、種類があるのですか!?」

「はい。もうひとつお持ちしますか?」


ユリがアイスクリームを取りに行くと、店の方で、紫のフルーツを訪ねる声が聞こえていた。


「お待たせしました」

「今度は何が出るか楽しみだ!」


追加した人は他にもいたが、ランチで来ている人はあまりゆっくりしないので、数人だけだった。


そして2順目に、双方食べる人たちが来たらしい。

リラが一応確認に来てくれた。

11人前が出た直後なのに、8人前の注文。

それを見た人たちが、更に追加。9人前注文。

15席に28人前の注文て、なんだかなと思いながら作った。

グラタンはいまだに危険だ。


あれ?もしかして、今日ランチ残らない?

予定外にグラタンが多めにできたけど、むしろ足りないかもしれないの?


ユリの予定としては、最近のランチは70~75食くらいなので、80食有れば足りるだろうと用意して、実際は85食相当できあがった。なのに、今13食多く出たのだ。


ユリは心配したが、アイスクリームの追加が出るため回転は遅かった。

先にグラタン45食が売り切れた。ユリの予想外だ。

結果、回鍋肉は4食残り、ランチ営業は終了した。


ユメとリラと、戻ってきたソウとマーレイに、バターチキンカレーか、回鍋肉を聞くと、ユメはピーマンが入っていない方という答えで、他の人はどちらでも良いという答えだった。

ピーマンはどちらにも入っていない。


ユリは、回鍋肉を5人前に分け、ミニバターチキンカレーとサラダを全員にだした。ご飯は普通に一人前ずつである。バターチキンカレーは冷凍してあったものだ。


「凄ーい!豪華!」


品数にリラが喜んでいた。


「ユリ、これ回鍋肉?」

「キャベツで作るのは、日本式なのよ」

「へぇー」


午後からの予定を説明し、しっかり休んでもらった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ