表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アルストロメリアのお菓子屋さん  ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
2章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

140/688

詩的

ランチにワインシャーベットをつけた。

オレンジシャーベットに変更できますと書き添えたが、誰一人変更する人はいなかった。

それどころか、ランチからワインシャーベットの追加をする人まで現れた。


明日分のアイスクリームは黒糖アイスクリームだ。ユリは早めにアングレーズソースを作った。

昨日の夜作ったフルーツ氷を2粒入れ黒糖アイスクリームを被せ、上にきな粉をふるって出来上がる。


恐らく明日は焼けないのでと、リラには目一杯クッキー(リラの華と黒猫クッキー)を作ってもらった。

ユリは気合いをいれてクッキーを焼いた。


ソウとマーレイがいるので午前中から作っているため、お店のランチが終わる頃には10回目が作り終わっていた。

出来上がりを数えたら252個ある。

普段1回作ると、21~22個出来上がるが、氷を入れている分出来上がる数が多いらしい。


ユリは製氷皿に、少しだけ氷を作った。イチゴとブルーベリーなら凍っているためすぐに作ることができる。ランチを食べているうちに固まるだろう。


みんなでランチを食べ、ドアの外に人影を見つけ、確認にいくと、案の定並んでいた。


ワインシャーベットは15回作って、312個、ランチで出たのが78個、残り234個だ。店売りに50個を想定して、184個までなら持ち帰りに販売できると思う。


外にいる人数を確認すると36人だったので、すぐに販売した。残り112個販売できる。


しっかり休み15:00に外を見るとやはり並んでいた。

イーゼルにおすすめおやつを書いた板を載せ、お土産だけの客に待ってもらった。

ところが、やはり店内で食べると言い出す人がかなりいた。

それでも買って帰る人が9人。


◇ーーーーー◇

おすすめおやつ

オレンジシャーベット 500☆(限定9)

赤ワインシャーベット 500☆(限定50)


できたて!(15分程かかります。持ち帰れません)

スパークリングワインシャーベット(限定56人前)

3.5人前35000☆  7人前62000☆


持ち帰りシャーベット

オレンジシャーベット 500☆

赤ワインシャーベット 500☆(限定94)

5分以内に真冬箱に入れてください。

◇ーーーーー◇


「ご店主!スパークリングワインシャーベットとは、どのようなものですか!?」

「私はあまりお酒が得意でないのですが、お酒が好きな方には絶品だそうです」

「この価格、書き間違いなどではないのですな?」

「はい。これで儲けはほぼありません」

「なんと!」

「この、7人前というのは、いつもの入れ物で7つ分と言うことかね?」

「はい、その通りです」


「では、このテーブルに7人前を!」

「こちらは3.5人前と、赤ワインシャーベット3つお願いする」

「持ち合わせがぁー!わいん、赤ワインシャーベットを2つで」

「二人でも3.5人前注文して良いかね?」

「はい、構いません。取り皿は2つで良いですか?」

「それで頼む」


「あのー、連れではなくても3.5人前頼めますか?」


カウンター席からの注文だった。


「皆さんで了承されていればかまいません」

「では、カウンターに、3.5人前を!」


とりあえず人手が足りなくなった。


「あの、スパークリングワインシャーベットですが、店で作りますか?作ってみたい方いらっしゃいますか?お手伝いいただくと、2000☆引きになりますけど」

「割りきれないからちょうど良いか!作ります!」


最初に言い出したのは、3人で3.5人前を頼んだグループだった。


結局、7人前を注文した席以外、作ってくれることになった。

7人前は席でユメが作り、自分で作る席には、ユリとリラが説明しながら作った。


充填に10p必要です。と言うと不思議そうな顔をされたが、30分しか冷えないので、と説明すると、画期的だと感心された。


持ち合わせがなかった二人が羨ましそうにみていた。


7人前作り終わったユメが、何か言われて厨房へ取りに行った。

戻ってきたユメは小皿を二つ持ってきて、少しだけすくうと、持ち合わせがなかった二人に持っていった。


もらった二人は、分けてくれた紳士に頭を下げてお礼を言っていた。


親切な人だなぁ。


ユリは、頼まれたワインシャーベットを持ってきて、食べ比べるらしいテーブルに出した。


どちらもとても評判がよかった。

スパークリングワインシャーベットの味は、いままでに食べたことの無い幸福感に満たされる味なのだそうだ。

爽やかな青春を彷彿させる甘い想い出の味だった。とか、軽やかな夢を見ている少年の気持ちを思い出す。とか、ワインを語る人って、何でこう詩的なのかしら?

お酒の表現に少年ってどうなの?と思ったユリだった。


店内ではスパークリングワインシャーベットしか食べなかった人も、持ち帰りには赤ワインシャーベットを買っていった。


入れ替わってもワインシャーベットは良く売れた。反対に、スパークリングワインシャーベットは、入れ替わり後は持ち合わせの無い人が多く、ほとんど出なくなった。


まあ、確かに、あり得ないほど高額だしね。


明日分のアイスクリームは、ほぼソウとマーレイが作った。明日提供する前に、きな粉をふるおう。



ソウとマーレイのおかげで残業なしで終わることができた。閉店後食事をして、予約分以外出なかったオレンジシャーベットをみんなで食べて解散になった。


解散後、ユリは、皮付きの豚肉の塊をゆっくり茹でた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ