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アルストロメリアのお菓子屋さん  ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
1章

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価格

ユリがあれこれ考えていると入り口のドアのベルが鳴った。


カランカランカラン


「あのー。お仕事ありませんか?」


ドアを開けたのはリラだった。


外の片付けが一段落し、手が空いたらしい。


「リラちゃん、まだ食べていないでしょ?お父さんも呼んできて一緒に食べましょう」

「はい!」


リラは返事をすると外にいるマーレイを呼びに行った。


「ユリー、洗ったお皿しまったよー」

「ありがとう。ソウ、私達も食べましょう」


テーブルにビーフシチューを四人前と、冷蔵庫に残しておいたサラダ用の野菜、果物、ローストビーフを出してきてグラスを用意した。


戻ってきたリラとマーレイは少し緊張しているのか固まっていた。


「どうぞー座ってね」

「同席してよろしいのですか?」

「え?」

「あー、ユリ、言ってなくてごめん。普通は同席を奨めないから人によっては卒倒するかも」

「えー!・・・だめなの?」

「ダメじゃないよ。ただ、嫌がる人もいると覚えてくれれば大丈夫」

「うん、わかった!・・・マーレイさん、リラちゃん、一緒に食べてくれますか?」


ソウが苦笑してる。マーレイとリラは目が真ん丸だった。


「よ、よろしくお願いします」

「はい!」


ユリはにっこり笑って返事をした。


「いただきます!」

「いただきます」


食べ始めるとリラが歓声をあげた。


「凄い!こんなに美味しいの食べた事無い!」

「おかわりもあるからね」

「おかわり?ってなんですか?」

「追加、二杯目という意味だよ」


ソウが説明してくれた。

どうやら、最初によそったものを食べきる文化らしい。

この国には食べ放題とか無いんだろうね。


「もう一回食べて良いんですか?」

「はいどうぞ」

「凄い・・・。ユリ・ハナノ様・・・」

「なあに?あ、名前、ユリで良いわ」

「ユリ様、いつもこんなに美味しいものが食べられるんですか?」

「お店に来たらという意味?」

「はい」

「毎回この料理ではないけど、美味しいと思うわ」

「ずっとお手伝いしたいです!」

「え!本当?」


マーレイが少し慌てていた。


「ま、リラなら良いんじゃないか?誓いもしたし」


あの「誓い」というのは、魔力に誓う強制力のあるものらしい。

右手の人から左手の人へ魔力で何かを強制させるときにするんだとか。


それは私にはできないわね。

魔力なんてないし。


あと、倉庫の室内側の入り口や2階に上がる場所にも魔力の扉があるんだって。許可されていない人は通り抜けられないってソウが言ってた。

私には影響がないから知らなかったよ。



体格も良くしっかりしているので10代後半かと思っていたけど、リラはまだ13歳だった。

学校が有るんじゃないかな?


お休みの日だけ手伝ってもらおうかしら。



結局

いくらだったら食事に来られるかという疑問は、

平民300~1000☆

裕福500~2000☆

貴族1000~20000☆

位だろうということだった。


500☆と1000☆の定食を作れば良いのかな?


人を雇う場合、アルバイトは時給800☆

社員的な場合、月給200000☆以上というのがこの国の普通らしい。

これが円なら数年前の時給かと思う。


マーレイさんには20000☆(小金貨2枚)

リラちゃんには10000☆(大銀貨10枚)を払っておいた。

金種の違いは、年齢と使いやすさを考えた結果だ。


マーレイさんはそもそもソウに月契約250000☆で雇われているそうで、空いた時間は自由という契約らしい。

なので、全額辞退されたけど、空いてる時間に私が雇ったんだから別口だといって無理矢理受け取って貰った。


リラちゃんは小躍りして喜んでいた。

子供って、本当に踊り出すんだね。



18:00すぎ、残る5人が、多少の時間差で食べに来た。ビーフシチューを小鍋で温め、パンとサラダとローストビーフと果物は一人用に盛ったものを出した。

お菓子のお土産も渡し、みんな笑顔で帰っていった。

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