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アルストロメリアのお菓子屋さん  ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
2章

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炒飯

おやつタイムが終わって客が帰っても、ラムレーズンアイスクリームは終わらなかった。


思い出したようにリラが話しかけてきた。


「ユリ様、ココットって、内倉庫にあるだけですか?」

「そうね。もしかしてたりない?」

「ユリ様が避けていた色付きのもののほか200くらいです。洗った返品分で今作っているアイスクリームの分は足ります」

「やっぱり器作らないとダメかもしれないわねぇ。リラちゃんありがとう」


閉店以降 出来上がるまでは手持ち無沙汰(てもちぶさた)になるため、片付けをする他にリラと一緒にリラの華を作っていたが、ラムレーズンアイスクリーム10回目を作る頃には19:00を過ぎ、クッキーを終了し食事を作ることにした。


「ユリ様、何を作るんですか?」

「凍っているご飯がたまったからチャーハンを作ろうと思っているわ」


ユリは冷凍ご飯を朝から冷蔵解凍していた。同じく冷蔵解凍した低温チャーシューの試作品と、長ネギと卵とレタスを使い、2回に分けて半盛りのチャーハンを5皿ずつ、合計10皿作った。

更に出汁あんかけを作り、先に作った方のチャーハンにかけた。


ユメとリラが冷茶とサラダを用意した。


ちょうどラムレーズンを詰めていたのでみんなで手伝い、片付けを一旦放置して食事にした。


「チャーハンとあんかけチャーハン?」

「中華鍋の限界がせいぜい3人前なのよね」

「あー、成る程」

「食べるにゃー!」


ユメにせかされ、みんな食べ出した。


「ご飯パラパラで旨いな」

「電子レンジがない頃は残ったご飯ってチャーハンだったわよね」


ソウは物心ついた頃から家に電子レンジがあったのでユリの言うことがいまいちわからなかった。

ユリの家は食堂をやっていたので、むしろ電子レンジを導入したのは両親が亡くなってからだ。

昔かたぎの職人発想である。


「このチャーシューはどうしたの?」

「これは低温チャーシューよ。夏箱で作ったのよ。でも、教えてくれと言われたら困るわね」

「何がダメな要因?」

「ジッパー袋」

「ああ、食材じゃないんだ」

「60~80度を数時間かけても漏れない袋があれば良いんだけどね。まあ、煮汁を大量に余らせること前提なら入れ物に落とし蓋をすれば近いものは作れるかもしれないわ。この場合、保温調理ね」


「ユリ様、とても美味しかったです。おかずが一緒に入っているご飯って美味しいのですね」

「あー、チャーハンはおかず入りご飯なのか。成る程なぁ」

「炊き込みご飯作らないし、そう思うわよね」

「パエリアとか出さないの?」

「一人前で作れないからね」

「成る程」


「チャーシュー丼は出したいなぁって思っているのよ」

「旨そうだな」

「食べるにゃ!」

「今度先に賄いで出すわね。あとは焼売(しゅうまい)を作りたいけど、蒸す時間があるものは難しいわね。材料的にも揃わないのよね」

「何が足りないの?」

「竹の子とホタテ」

「あー」

「そういえば、コバヤシさんのところ、竹の子どうしてるのかしら?」

「そういえば、ラーメンに乗ってたな」

「機会があったら聞いてみましょ」

「さて、片付けをするか!」


アイス箱とデッシャーとスプーンを洗って片付け解散になった。


「明日もよろしくお願いします」



明日はアルストロメリア会だ。

ユリは明日の持ち物を用意すべく、外倉庫で開けていない段ボールを漁っていた。


「あったー!」

「何があったにゃ?」


後ろから覗き込んだユメに聞かれた。


「ユメちゃん、これ、パフェグラスと、サンデーカップと・・・パフェスプーンはどこかしら?」

「長いスプーンにゃ?」

「そうそう、どこかで見た?」

「カトラリーの引き出しの奥にあったにゃ」

「ありがとう!」

「何作るにゃ?」

「パフェを作る予定よ」

「ついていくにゃ!」

「ユメちゃんいつもありがとう」


ユリは普通のプリンと、ココアのプリンを10個ずつ作り、イチゴソースとブルーベリーソースとアプリコットソースとバタフライピーシロップを作った。

キウイフルーツって、この国にもあるのかしら?

緑色のソースもほしかったわ。

一応、銅鍋持っていこうかしら。

(銅鍋:キウイフルーツのジャムやソースを色鮮やかに作るため)



「あ!そうだ!コーンフレーク!」


「何作るにゃ?」

「とうもろこしを使って、お煎餅みたいなお菓子よ」


とうもろこしを房からはずし、手動フードチョッパーで、念入りに刻み、オーブンシートなどに伸ばして焼くだけだ。割りやすくするために途中で少し筋をつけておくとあとで扱いやすい。


ユメと一緒に楽しく伸ばした。

低温の釜で焼いていると、ソウが来た。


「二人で何作ってるの?」

「コーンフレークにゃ」

「え!コーンフレークって、作れるの!?」

「あの見た目にはならないけど できるわよ」


まだ、乾いていないわね・・・もう少しかしら。

ユリは鉄板の様子を見ながら、回転させたり場所を移動させたりしていた。

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