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アルストロメリアのお菓子屋さん  ~ お菓子を作って、お菓子作りを教えて、楽しい異世界生活 ~  作者: 葉山麻代
2章

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才能

「アイスクリームも堪能したので、クッキー作りますか?」


先ほどアイスクリーム一覧を吊るしていた場所に、カラーチャートとバタフライピーの絵を吊るす。


サリーに釜を低温でお願いし、冬箱からクッキー生地と、鞄からバタフライピーの粉を取り出した。


「お店ではこちらの8色を使用し『リラの華』を作っています」


青い生地にざわつく。


「こちらの青い生地が気になりますね。これは、この花、この絵の青い花を乾燥させた粉末でつくります。名前を、バタフライピーと言います。こちらをお茶として飲む地域があります」


「どちらで手に入りますの?」

「ここのそばの(いち)の花屋さんで売っていましたよ。いまうちのお店でも咲いています」

「そんな花があったなんて」


「こちらのカラーチャートは、赤、青、黄色を軸に、混ぜると何色になるかを分かりやすくした表です。完全な赤い生地がないので、参考程度になりますが、覚えておくと良いと思います」


「ユリ先生、白い生地はどうやって作るのですか?」

「卵を卵白だけで作ります」


「そちらの紫色は何を混ぜるのですか?」

「これは、紫芋という紫色のさつまいもの粉です。この黄色はカボチャです。緑は抹茶です。この桃色は、紫芋にレモン果汁を混ぜたものです」


「レモンで色が変わるのですか!?」

「バタフライピーもレモン果汁を混ぜると桃色になります。ビーツがあると赤が作れるのですが、見かけたことがありません。緑はホウレン草などでも大丈夫です」



「リラちゃん、ユメちゃん、割烹着の名前読める?」

「読めるにゃ!」

「大体読めます」

「名前の通りにクッキー配ってもらえる?」

「はい!」「はいにゃ!」


ローズマリーの前で覗き込むようにユメが名前を読み上げる。


「ろおずまりいにゃ!」

「はい!」


リラが「どうぞ」とクッキーを差し出すと、一度目を見張ってからローズマリーが笑顔になった。


「ありがとうですわ!」


リラは笑顔で頭を下げていた。


「ねも、ふ、い、ら、ネモフィラにゃ!」

「はい!」


ネモフィラが物凄くビックリしていた。

自分の分はないだろうと思っていたらしい。まあ、たまたま偶然有ったのだが。


「ありがとう。リラちゃん」


「ラベンダーにゃ!」

「はい!」

「ありがとうですわ!」


「まるが・・・まーがれっとにゃ!」

「はい!」

「凄いです!ありがとうですわ!」


「さんふらわーにゃ!」

「はい!」

「すばらしいわ!ありがとう」


「ろーずにゃ!」

「はい!」

「素敵!どうもありがとう」


「かめりあにゃ!」

「はい!」

「わぁ!ありがとうございます」


「ぴあにーにゃ!」

「はい!」

「凄いですわ!ありがとうございます」


「かーねー、かーねーしょんにゃ!」

「はい!」

「ありがとう。今日来て良かったわ!」


「いま配ったクッキーこそ、リラちゃんが作ったものです。ちなみに、私も作ってもらいました」


ユリは、百合の花の絵のクッキーをみんなに見せた。


「お店で売っているのはこんな感じです」


ユリは、店売りのクッキーを見せた。


「作り方については、リラちゃんに一任しています。私が間に入りますが、質問などありましたらどうぞ」


「今、どれか作って見せていただくことは可能ですか?」

「リラちゃん、できる?」

「はい!」


リラは厚み定規で生地を伸ばし、色を入れ換える花を作って見せた。


「あんな方法が!」

「私にもできそうですわ!」


ここに無い花も作って見せ、大いに感心された。


「あの、なんて呼んだらよろしいですか?」

「リラって呼んでください!」


「んー、では、教えていただくときはリラ先生で、その他のときはリラちゃんと呼ぶことにしましょう」


リラが大分焦っていた。


「ちなみに、あのカラーチャートと、バタフライピーの絵も描いてもらいました」

「素晴らしいですわね!画家の絵だと思いましたわ!」

「どなたかに習いましたの?」

「ユリ様に、この絵を描いた色のペンを貰ったときが初めてです」

「えーと、一週間、いえ、5日前かしら?」


独学のしかも初心者がこの絵を?

相当驚いたらしく、しばらく静まってしまった。


見本で作ったクッキーを頼んだ通り低温で焼いてくれたので、出来上がったクッキーは皆に見せたあと、サリーに差し上げた。


リラごとランチに誘われたが、本人にどうするか聞くと、お父さんと一緒に食べたいと言うので、サリーに任せた。

あとで聞いたら、使用人が食べる部屋で一緒に食べたらしい。


ユリはユメと一緒にランチに招待された。

今日のランチは、揚げすぎた揚げ物と野菜のスープだった。


ユメが小声で、固すぎるにゃ。と嘆いていた。

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