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食器

お蕎麦と野菜天ぷらを食べながらソウが報告してくれた。


「はい、聞いてきたよ。家が12件、大人が約30人、子供が約20人、幼児乳児が5人」

「60人前用意すれば良いのかしら?」

「充分じゃないか?」

「足りない食器とカトラリーは持参してもらえば良いよ」

「それは助かるわ!食器60組も無いもの」


全ての食器は30組しか持ってこなかった。

カトラリーも30組、グラスだけ60個。

カクテルグラスやティーセットは15個ずつで、破損分を考えてもこれ以上は要らないと考えていた。


「ソウ、手伝ってくれる?」

「勿論!他にも手は必要?」

「そうね、一人か二人いてくれると助かるかな?」

「じゃあ、マーレイを呼ぼう」

「その方はどなた?」

「馬車で会ったよ」

「ああ、是非お願いします」

「明日で良い?」

「はい。あと、お礼はどの位するのが普通?」

「それも本人に聞いたら良いよ」



少しするとマーレイが顔を出してくれた。


「ユリ・ハナノ様、お呼びとのことで伺いました」

「マーレイさん、来てくれてありがとう。明日皆さんにお料理を振る舞いたいと思いまして、お手伝いいただけたら良いなと」

「はい。何をすればよろしいですか?」

「運んだり配ったり洗い物とか。それと、皆さんに呼び掛けてくださるとありがたいです」

「それでしたら、娘のリラにも手伝わせてよろしいでしょうか?」

「お嬢さんがいらっしゃるのね!お嬢さんもお願いします!」

「かしこまりました」

「明日のお昼ご飯を振る舞う予定です。あ、食器が少し足りないのでお皿とカトラリーを持参してください」

「はい。では、皆には昼頃皿などを持って来るように伝えます」

「お願いします!」

「はい。明日伺います」


そうと決まったら料理を仕込まなくっちゃ。

カツは明日揚げるとしても、ビーフシチューとお菓子は今日作らなきゃね。

ローストビーフは明日朝から切るとしても仕込んでおかなきゃね。

まず、ビーフシチュー!


一番大きな鍋に玉ねぎ、野菜くず、ブーケガルニ、牛すじ、牛すね肉、牛骨をいれてとにかく煮込む!


別鍋に、形を整えたにんじん、ペコロスを柔らかくなるまで茹でる。

形を整えたじゃがいもを茹でる。

房に分けたブロッコリーを茹でる。


4~5時間ほど煮たら骨と肉とブーケガルニを取り除き裏ごしする。

少し煮詰めたトマト缶詰と赤ワインと塩コショウを加え味を整える。


普段なら提供する前に一人前ずつ小鍋で合わせて温める。


クッキー生地を仕込む。

二色のアイスボックスクッキー。


パウンドケーキは酒に漬け込んだドライフルーツをたっぷりいれて作る。


バターを常温に戻し、砂糖をいれてホイッパーで良く混ぜる。白っぽくなるまで良く混ぜたら、溶きほぐした卵を少しずつ加えていく。振るった小麦粉を加え艶が出るまで混ぜ、ドライフルーツを加え軽く混ぜる。

バターを塗って粉をはたいた五個のパウンド型に入れオーブンで焼く。

石窯だけど。まあ、なんとかなるでしょ。


パウンドケーキが焼けたらクッキーを焼く。


ローストビーフを仕込む。

お店でローストビーフなんて出した事無いから、なんちゃってローストビーフだけどね。


程よい大きさに切って、塩コショウした牛モモ肉を塊のままフライパンで焼き色をつける。


口が留まるビニール袋に、肉と、少量の赤ワインと蜂蜜を入れ、良く空気を抜き、60~70度のお湯で1時間位茹で、火を止めそのままにする。冷めてから切る。



探してみたけどやっぱりパン粉が無くて、カツは無理だわ。


今日は早く寝ようっと。


明日はパウンドケーキを切って、クッキーも一緒に袋づめして、サラダ用の野菜やフルーツを切って、ローストビーフを切って、


ふと気がつくと、作業台の端にサンドイッチがメモと一緒に置いてあった。


「ユリの分だよ!!」


夕飯忘れてた!


ソウ、ごめん、ありがとう!

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