両方
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バターチキンカレー 500☆
ふわふわオムライス 500☆
セット プラス 500☆
(冷茶、アイスクリーム2色盛り)
リラの華 200☆
(ブローチ型クッキー)
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「今日はどちらも初出だね?」
「あ、そうかもしれません」
あれ?オムライスって、出したことなかったかしら?
ユリはちょっと自信がなかった。
自宅では食べているので、お店でも出したか思い出せないのだ。
(普通のオムライスは開店初日に出している)
ふわふわ玉子を作るくらいしか手のかかる作業がないので、釜でクッキーを焼き、アングレーズソースを作りながら、ランチを乗り切った。
リラの華はランチの持ち帰りで300個以上売れた。
すべてセット注文だったランチの双方と栗のアイスクリームも食べた人にはとても好評で、ちょっと少なめの72食が売れた。
残りは、バターチキンカレーが約13人前と、オムライスが約5人前だ。
「ご飯食べましょう!バターチキンカレーとオムライスです。どちらにしますか?」
「ただいま!」「ただいまにゃ!」
あれ?ソウはともかく、ユメちゃんが外から帰ってきた?
ユリが不思議に思ったように、リラも驚いていた。
「ソウに連れていかれたにゃ」
「人聞きの悪い。ちゃんと交渉しただろ?」
どうやらユメはソウと一緒だったらしい。
「バターチキンカレーとオムライス、どっちにする?」
「それ、バターチキンカレーは夜でも食べられるけど、オムライスは今食べた方が美味しいよな。全員オムライスにすれば?」
「両方食べるにゃ!今はオムライスにゃ!」
「私も両方食べたいです!オムライスにします!」
「皆さんと同じでお願いします」
「みんな、お店に優しいのね。ふふふ」
「リラちゃんは作るの見る?」
「はい!」
「なんなら、作っても良いわよ?」
「はい!!作ってみたいです!」
ユメはなんだか疲れているらしく、マーレイが気を効かして冷茶を用意していた。
「本当はタマゴパンという卵専用のフライパンでオムレツを作るんだけど、ランチだと間に合わないし小さいフライパンで作ると簡単なのよ。
まず、チキンライスを型に入れてお皿に盛り付けておきます。フライパンにたっぷりのバターを溶かして、溶き卵3個を一度にいれて、少しかき混ぜて、しっかり底を焼くようにしたら、チキンライスの上にのせて出来上がりです」
「親子丼の卵と少し違うんですね」
「そうね。油で焼くし、分けないものね」
ケチャップ、作らないとそろそろ足りなくなるかなぁ。
ユリは、持ち込んだものがなくなったら作る気でいた。
「ケチャップとチキンライスは、今度教えるわね」
「はい!」
リラは頑張って2つのオムライスを作った。
やはり、マーレイは大事そうに食べていた。
「美味しいにゃ!」
「久しぶりに食べた気がするな」
そうだったかしら?そんなに作っていなかったかしらねぇ?
前回食べたのは一人だったときだが、ユリはどうやら思い出せないらしい。
「美味しいです!同じように卵でも全然違うんですね!」
「本当に・・・美味しいです」
マーレイのしみじみな発言に、今まで本当にろくなもん食べてないんだな。とソウは思っていた。まあ、料理に興味のない味覚音痴が作る食事はたしかにカオスの一言である。
「ユメちゃん、お疲れみたいだからアイスクリームじゃなくて葛切りにする?」
「葛切り食べるにゃ!」
「私作りたいです!」
リラが名乗り出たので葛切りは任せることにした。250gの葛粉は750mlの水に溶かし裏ごしてある。つまり10人前だ。
「ソウ、今日は何時からお願いできる?」
「ユメに手伝ってもらったからな。もう仕事ないぞ」
「助かるわぁ。明日ラムレーズンだから」
「ラムレーズンか!予定は?」
「ラムレーズン7回、りんご4回、中デッシャー150、ココット詰め60の予定よ」
「どっちから作る?」
「全部じゃないけどアングレーズソースも何回分かはできてるわ」
ソウはりんごから作ることにしたようである。
ユリは、プレザーブのりんごを賽の目切りにしたものと、手動フードチョッパーで荒く潰したものを用意した。
(プレザーブのりんごは、カットりんごのシロップ煮。シナモンやレモンを加えるとそのままアップルパイのフィリングにもなる)
「プレザーブのりんご、潰した方は最初から入れて、賽の目切りの方は出来上がる直前でお願いします」
「了解!」
「できましたー!」
リラが葛切りを作って戻ってきた。
早速ユメは食べ始めている。
「俺らもいただこう。早くしないと全部ユメが平らげるぞ」
「そうね、ふふふ」
テーブルにつくと、すでにユメはおかわりをしていた。
「マーレイさんも早く食べないとなくなるわよ。リラちゃんも給仕していないで食べなさい」
「はーい」
「ありがとうございます」
それでもユメは5人前くらい食べていた。おかわりをしていたソウは多分2人前くらいだ。
「あ!そうだ、ソウ、リラちゃんが充填しても大丈夫?」
「どれに?」
「んー、どれなら大丈夫?」
「100p、もしくは、1メモリまで」
「なら、新しく届いた夏板、大丈夫ね。50pって言っていたもの」
「何か届いたのか」
「電磁調理機モドキ」
「あー、トロピカルのか!」
試作アイス箱は300pなのでリラには危険であるが、きちんと1メモリがわかるようになれば試作アイス箱に1/3~2/3の充填はできるようになるはずである。しかし、総量が少ない設定のものがあるのなら、そちらで練習した方が危険が少ない。
「では、休み時間明けからアイスクリームよろしくお願いします。ラムレーズン7回、りんご4回、中デッシャー150、ココット詰め60です」