第63話
第63話
<神楽のグループ:神社を出る3人>
神楽 「E地点へ向かいましょう」
「状況的に私達のグループが一番先に到着するかも知れません」
「誰かのグループが『秘密』に気付いたようです」
風雅 「誰かが気付いた?」
「4グループの時間は其々違うのでは・・」
神楽 「いえ、我々の世界での話です」
「ですから、此方の世界でも そうなっていると思います」
都筑 「私達の世界でも、この世界の私達が『地図』を求めて行動しています」
「両方の世界には共通部分が多く見られますけど、」
「一部の概念や能力、又は数の扱いに関して明確な違いがあり、」
「これは その世界の住民が自らの力で『継承』するしかありません」
風雅 「つまりそれは、」
「『紙と鉛筆』だけでは『永久機関』だと伝える方法が存在しないのと同じ・・」
<油留木のグループ:道路(2車線)の歩道を歩く3人:無人の車が行き来きする>
油留木「そろそろ『境界』を跨ぐわよっ」
〈油留木と安茂里が並び、3人の歩調が揃う〉
妹 「あっ、もう夜になってますね。それに車も消えちゃったぁ」
(道路と街路樹が街灯で赤色に照らされている)
油留木「アナタ達、『六鳥神社』の近くで『戦い』になると思うから、そのつもりで」
安茂里「はい」
妹 「うー」
<姉のグループ:深夜:広い道路(4車線)の歩道を歩く3人>
女の人「また誰も居なくなりましたね」
鈴音 「そうね」
朱雪 「何だか、とっても嫌な予感がしますぅ」
女の人「あっ、あそこの神社ですね。これで謎が解けるといいんだけど・・」
<油留木のグループ:歩道を歩く3人>
妹 「ねぇ、油留木さん」
油留木「なあに?」
妹 「『紙と鉛筆』だけで『永久機関』だと分かる方法って無いの?」
油留木「無いわよっ」
「えーと、そうねえ。アナタ、『予言』って信じてる?」
妹 「予言って、やっぱり私達の世界って ずっと繰り返してるんですか?」
油留木「この世界は元々『永久機関』の中なんだからぁ、そりゃそうでしょう」
安茂里「『予言』とは、純粋に過去を記した日記のようなモノだと言われます」
「管理者が砂時計を引っ繰り返してしまうと、全て元に戻ってしまいますが、」
「『属』が所有する複数の『空間』で時間の差異がある場合、」
「異なる空間同士で微少な情報の遣り取りが可能となります」
妹 「じゃあ、気の遠くなるような『繰り返し』の中で、『予言』として成長した!?」
油留木「まあ、永久機関から『抜け出せる方法』として実行したんでしょうけど、」
「実際、一般的な予言が本当に過去の記憶だと証明する方法なんて無いわね」
妹 「うーん、でも私は信じたいなぁ」
油留木「仮に予言が本物だとして、管理者がそのままにしておく筈がないでしょ」
妹 「安茂里はどう?」
「三元神が『記憶』を発明したから抜け出せるキッカケになったんでしょう」
「そもそも三元神は何で永久機関だと分かったんだろう」
安茂里「『閉じられた世界』とは言っても、現実には小さな穴が開いているそうです」
「もし、完全に閉じられた状態なら、管理者は中の様子を知る事が出来ません」
「完全に密閉された『ボトルシップ』を作る事は可能でしょうか?」
「三元神は、その穴を通る術と隠す術を持っていると言われます」
<姉のグループ:神社敷地内(4500平米)の駐車場:白い明かりに照らされる3人>
朱雪 「『八鳥神社』ですね」
「矛盾が無ければ、これで7つの神社の位置と番号が揃っている筈です」
鈴音 「E地点で合流して、みんなの意見を聞くのが手っ取り早いけど、」
「貴女は そう思っていないみたいね」
女の人「・・ちょっと、お参りして行きませんか?」
………石の階段を登る3人:正面に御手洗と拝殿、右側に祠………
女の人「こんな時間でも ちゃんと水は出てるんですね」
鈴音 「私は遠慮しておくわっ」
朱雪 「私は祠の方へ行ってみます」
姉は拝殿、朱雪は祠の道に進み、鈴音は御手洗で待機。
朱雪が暗い道を歩いて祠の前まで来ると、センサーが反応して電球が点いた。
朱雪 「お賽銭は111円にしましょうか」
〈財布から100円・10円・1円玉を取り出し、小さな賽銭箱へ〉
………御手洗に集まる3人………
鈴音 「貴女の考えを聞かせてっ」
女の人「朱雪さんって、本当はSSSで『未来予知』が使えるんですよね」
朱雪 「はい」
女の人「朱雪さんが『影の世界』へ行くのを禁止されているのは、」
「入れ替わり私達の世界に来る もう一人の朱雪さんに能力を使われると困るから」
朱雪 「多分そうだと思います」
女の人「そして、入れ替わらずに自由に行動できるのは御影さんと霹靂神だけ」
「となると私達が戦う相手は、作戦に参加した11人以外の誰か」
「或いは、御影さんか霹靂神本人」
「私、最近までずっと思ってたんですけど、」
「『情報』って、『嘘』か『本当』か分からない場合は全く『役に立たない』って」
「でも実際は、『嘘か本当か』よりも、」
「相手が反応を示した事自体が『情報』なんですよね」
「例えば、全員が『分からない』って答えたら、」
「『分からない』って答えた事が『答え』なんだって」
「だから、『影の世界』の地図が何千年も入手出来なかったのは、」
「『その答え』と関係があると思うんです」
鈴音 「そう・・」
「今度から、もう少し話を短くして貰えると有り難いわね」
「新しい神楽さんっ」
女の人「はい。気を付けます」
鈴音 「さてと、そろそろ行きましょうか」
「私、彼女と戦うの、本当に凄く嫌なんだけどっ」
<油留木のグループ:2車線の交差点:赤い照明の中に人影が3人:油留木が中央へ走る>
油留木「千鳥ぃ、アナタ達も来たの?」
単 「霹靂神様に同行を命じられたので、二人に声を掛けました」
〈妹と安茂里が油留木に追い付く〉
千鳥 「油留木様ぁ、8番目の場所は もう見当がついてるんですかぁ?」
「サクサクっと謎が解けるのって気持ち良いですよねっ」
(千鳥は右腕に赤い紐をしている)
五百箇「安茂里様。私、少し怖いです」
〈妹が一歩前に出る〉
妹 「千鳥さん」
「千鳥さんって、油留木さんと同じでオレンジジュースが好きなんですよねっ」
〈妹が千鳥にペットボトルを見せる〉
千鳥 「あっ、クレるの?丁度 喉が渇いてたんだぁ」
妹 「良かったらどうぞっ」
〈千鳥がペットボトルを受け取る〉
安茂里「姉様っ」
〈妹は後ろに下がって3人と距離をおく〉
単 「千鳥、アナタらしいわ」
五百箇「千鳥さん、失敗しました」
千鳥 「まっ、いいじゃない。作戦変更よっ」




