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神楽  作者: 黒紫
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第17話

第17話


御影 「話は後にして、先に出ましょう」

姉妹 「はい」

〈全員で部屋を出る〉

妹 「と・こ・ろ・でぇ・・」

男性 「紹介が遅れました。私は・・」

朱雪 「『角星(すぼし)』さんです」

〈朱雪は角星の左腕を両腕に絡める〉

「私のぉ、未来の旦那様ですぅ」

角星 「いや、昨日会ったばかりだ」

姉妹 「・・・」


………駐車場………

御影 「角星さん、今日はご協力頂いてありがとうございました」

角星 「いや、気にしなくていい」

「私は次の仕事があるから、これで」

〈角星は4人に会釈すると、自分の車へ向かう〉

御影 「今日はここまでです」

姉妹 「ありがとうございました」


………黒い車(帰り道)御影が運転し、助手席には朱雪、姉妹は後部座席………

女の人「朱雪さんを見付けられた理由を説明しますね」

朱雪 「お願いしますぅ」

女の人「まず考えたのが、朱雪さんが居る部屋を特定する方法でした」

「部屋に入った時、中の絵が背景になっていたので、」

「自分の居場所を教えているのかなと思ったんですけど、」

「それなら妹は、隣の部屋で ずっと待ってる筈ですよね」

「でも私が隣の部屋に行った時には妹は居なくて、背景も別の絵になっていました」

「これで、背景と居場所には関連が無い事が分かります」

「次に、攻撃してきた二人は どうなのかを考えます」

「ここで気になったのが、」

「妹の反撃を いとも簡単に無効化した事と、それが ほぼ同時に行われた事です」

「二人が御影さんと朱雪さんだとすると、」

「クラスに差があるのに不自然だと思いました」

「となると、御影さんが何等(なんら)かの方法で二人になっているか、」

「御影さんと同じクラスの人が別に居る事になります」

「それで、部屋中の気配を探ったら、御影さんとは別の誰かが居ると分かって、」

「朱雪さんは、実は私達の後に入ってきたんじゃないかって思ったんです」

朱雪 「鋭いですぅ」

女の人「ただ問題が1つ」「私、『沈黙』を飛ばせないんですよ」

「昨日は、『何とかしないと』って思ったら自然と力が出て、」

「本当は自分でもよく分からないんです」

妹 「だったら私に言ってくれれば良かったのにぃ・・」

女の人「まあまあ」

「後は、朱雪さんの僅かな気配を探して、どうやったら隙を見付けられるか」

「私が部屋を出たら朱雪さんは必ず付いて来るので、」

「特定するのは難しくなかったけど、良い方法を思い付けないままでした」

「そして最後の部屋」

「部屋に入った瞬間、ふと気付いたんです」

「朱雪さんと、ある場所から『風』の流れがある事に」

「だから、妹がその場所を全力で攻撃したら、」

「きっと朱雪さんは気を取られるに違いないと思いました」

御影 「朱雪、参考になりましたか?」

朱雪 「はい、これからも努力しますぅ」

妹 「ねえ御影さん、さっき合格って言ってましたよね」

御影 「はい」「貴女方のクラスが『B』になりました」

「『貸与』と『沈黙』が使える能力者はAクラスの資格がありますが、」

「総合評価で『B』です」

妹 「そうなんだ」

「じゃあ、角星さんはSSで、神楽さんはSSS、あと朱雪さんのクラスって・・」

朱雪 「私はAAAです」「『幻覚』を得意としていますぅ」

御影 「クラスが気になりますか?」

妹 「私、叶えたい願いと言うか、夢があるんです」

「神楽さんには、無茶だけど可能性があるって言われたし・・」

「だから もっともっと力を付けて、」

「正確に道順を選んで進めば何時か必ず辿り着けると思うんです」

「それに、私は『偶然』なんて信じないから」

御影 「『偶然』ですか・・」

〈御影は左手を軽く握り、口に当てる:2秒〉

「貴女は、これまでの人生で心の底から『怖い』と思った事はありますか?」

妹 「えっ?」「うーん。何だろう・・」

朱雪 「御影様・・」(小声で)

御影 「近い将来、貴女にとって重大な決断を迫られる出来事が起こるかも知れません」

妹 「そう・・なの?」

女の人「私、何となく分かります」

妹 「・・・」

「えーと、話は変わりますけど、ちょっといいですか?」

御影 「何ですか?」

妹 「霹靂神と神楽って、敵同士なんですよね?」

御影 「はい」

妹 「でも、御影さんと朱雪さんを見てると『()い人』だと思うんです」

「神代の人達は凄く嫌な感じがしたのに、全然違う」

御影 「霹靂神様は、『我々は良い行いをしている』と仰いました」

「私もそう思います」

「一方 神代は、自分達は『正義』だと言って、全てを支配しようとします」

「神楽様は貴女方に、私達(わたくしたち)の行いは『正義』や『善行』だと仰いましたか?」

女の人「いいえ、『あるべき姿に導こうとしている』・・と」

妹 「えっ、どういう意味?」「お姉ちゃん説明してよ」

女の人「自分で考えなさい」

妹 「うー」


………家の前………

姉妹 「御影さん、朱雪さん、さようなら」

御影 「さようなら」

朱雪 「またお会いしましょうね」

〈姉妹は玄関の戸を開け、中へ〉

妹 「ねえ、朱雪さんと角星さんって これからどうなると思う?」

「てっきり神楽さんとだと思ったのに」

女の人「そう?」「神楽さん そんな感じじゃ無かったじゃない」

妹 「そうかなぁ」

女の人【・・ふふっ、私には ちゃぁんと分かるんだぁ・・】


<別の時間:御影と朱雪>

朱雪 「御影様に乗せて頂くのは初めてですね」

御影 「神楽様に報告に行くまでです」

朱雪 「では、その後で一緒にお昼にしませんかぁ?」

「私、新しいお店の情報を入手したんですよっ」

御影 「はい」「構いません」


………次の日(8月29日)………

朝。洗面所から出る姉と、3メートル離れた所にいるパジャマ姿の妹。


妹 「お姉ちゃん。今日は逃げられないよっ」


妹は右手の甲(指先が光った状態)を姉に向け、

親指から順に光玉(ビー玉強)を次々に飛ばす。

姉も指先から光玉(ビー玉強)を飛ばして迎撃すると、(お互い時速10キロ)

妹は薄笑いを浮かべて、小指から5投目を飛ばした。


妹 「あれっ?、そんなぁ」

〈姉は素早く身をかわし、光玉は壁の中へ〉

「何で曲がらないの!?」

「まさか、お姉ちゃん・・」

女の人「そう、『虚栄』を壁に使ったの」

「私が『虚栄』を使えないと思って、私に掛けなかったでしょ?」

妹 「・・・」

女の人「という訳だからぁ、コレ、無効化しておいてねっ」

妹 「ぶーぶー」


………午前9時30分:姉妹が玄関を出ると、赤い車が止まる(神楽独り)………

神楽 「おはようございます」

姉妹 「おはようございます」

女の人「今日、御影さんはどうしたんですか?」

神楽 「代わってもらいました」

「今日は私がお二人に指導します。後ろに乗って下さい」


………車内:神楽は車を発進させる………

女の人「あれから ひと月 経ちましたね」

神楽 「はい。貴女方の成長が早く、これから先が楽しみです」

「クラスがBになり、能力者との戦いがどういうものか、」

「少し分かったのではありませんか?」

妹 「うーん」

「取り敢えず、クラスが上の人とは戦わない方がいいって事くらいは・・」

女の人「そうだね」

妹 「ねえ神楽さん、御影さんって どの位強いの?」

「差があり過ぎると言うか、」

「私とは全然違う何かを持ってるって感じがするんだけど」

神楽 「私が聞いたところでは、」

「一度も負けた事がなく、神代の幹部クラスでも戦わずに逃げてしまうそうです」

「私も神楽のメンバーと対峙する事がないよう、指示には注意していました」

女の人「そう言えば、妹が操作された時、神楽さんと角星さんが来ていましたよね」

「あれはそういう意味だったんですね」

神楽 「はい。相手の力に此方も戦力を合わせなくてはいけませんから」


………5分後………

神楽 「それでは、今日の課題です」

「難易度が高く、失敗すると好ましくない結果を招きますが、」

「心の準備はいいですか?」

姉妹 「はい」


<1章完>



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