四人目 故人の千子陰府(せんじよみ)さん その3
記憶を奪われていた義人は、はたして無事記憶を取り戻せるか?
よみっち「今一度頭を整理しないとのう。記憶を奪う悪魔に、その悪魔を従えてしまう万感の能力の持ち主か…え~…あれ???違うのか???確か…その力はこの刀に…義人殿が生まれたときから持っていた力なのか?魔物を従える力か?」
義人「万感の力はあの時確かによみっちにいった。けどそんな力関係ないんや。ヘルパーの基本、傾聴しただけ( ̄ー ̄)あの魔物…何か俺に似てるんかも……何てゆうか、面白いことと大好きなこととか、退屈が嫌いなとことか。でも…もしかしたら…残酷なとことかが一番似てたりして…千切ってたとか言ってたし。まるで覚えてないからそこは消されたのか?何でか知らんけど。」
よみっち「何故…あんな魔物を仲間にしようと?」
義人「仲良くなれそうな気がした。よみっちの憎い敵だと言うことはわかってる。でも俺を生かして置いたのも事実で…。それって、よっぽど居心地がよかったんやろうなって…似た者同士なんかも。知りたかったんやろうな俺がこのフラクタルの事を。」
よみっち「それにしてもよく気づいたのう。よく見ておけとは言ったけど、こちらが気付かされる事ばかりで面食らったわ(・・;)」
義人「それと約束するよぉ…よみっちぃ。残りの魔物がどのくらい存在するかわからんけど、このフラクタルの力と、この万感の力、俺の経験フル動員して一匹残らずこの世から消し去るから。(ーー;)やねんけどなあ……。この左手の甲についてる印らしい『うんちマーク』…最悪(;´д`)」
よみっち「この紋様は、…適当じゃな………まるで子供の落書きじゃ。こいつはこんなに幼稚なのか?」
義人「えぇ、思った以上に。なんせ『うんち』やから。下ネタ好きなんは確定やな。うわぁ…どーしよっかなあこれ…マジかよ…(ーー;… 使役とかまるで関係ないやんけ(;´д`)」
義人「とにかく、も一回出てきてもらおうか。『うんちマーク』も何とかしてもらわないとあかんし。じゃあ……」
義人「ピンポンパンポーン♪フラクタル君、フラクタル君、至急脳内にきたまえ。繰り返します。フラクタル君、フラクタル君、至急脳内にきたまえ。ピンポンパンポーン♪」
空間を歪めながらフラクタルは、禍々しい殺気を放ち目の前に現れた。何かの本を読むのに夢中のようだ。
義人「フラクタル君?何してんの?あれ?傷完治してね?!早すぎひんか?」
フラクタル「…んーん?傷?そんなものは無かったんだよ、ここ夢の中だぜ?俺の好きなように出来るんだ。てか…あれ?呼ばれちゃった?」
「カチャリ…スーーーっ」
よみっちは腰に添えた刀を抜いた。
よみっち「義人殿…このふざけた輩、ワシに介錯させてもらえぬか?」
義人「ちょ?!待ってまてまてマティー(゜ロ゜;」
よみっちは刀をゆっくり納めた。だがフラクタルに対して警戒を緩めない様子だ。
義人「ふーーー…(この二人あまり会わせちゃ駄目だな(ーー;)」
義人「(夢の中だから何でもあり?記憶操作で?)………(;¬_¬)………何読んでるの?」
フラクタル「飯田義人の人生クロニクル。いやぁ、面白いんだこれ。小さい頃から今までが詳細に載ってるんだぁ。最近ずっと見てるよ(・∀・)」
義人「ちょ?!そんなものはどこから持ってきたの?!やーめーてぃっ(;´д`)(プライバシーが駄々漏れはヤバイ!)」
フラクタル「海馬の中枢深くだよ…仲良くなった印に、これ見てみるかい?封印した記憶部分も全部載ってるし。思い出せるよ! ̄ー ̄)」
フラクタルが持っていた本、飯田義人の人生クロニクルを義人に渡した。
本に触れた瞬間消されていた記憶の断片が義人に入ってくる。
「ズキッ!!!!!」
義人「いっ…てぇーーーーー!!」
次の瞬間、それまでいた広い運動場から、国立図書館のような広い場所に瞬間的に転移した。よみっちやフラクタル君も一緒に。
フラクタル君「ナイストゥミーチュ~♪」
次回はフラクタル君の話になります。お楽しみに。




