四人目 故人の千子陰府(せんじよみ)さん その1
千子陰府さんが飯田へ力の根元について教えてくれます。
自宅にて寝る前。
久々にあの資格取り立ての頃の、佐藤さんの話を何故か思い出した。
と言ってもあの話、実は半分も聞いてなかったんだよね?まるで催眠術
ww.kl
だって長いねんもん佐藤さんの長話。半分趣味みたいやし( ̄▽ ̄;)
あの話知らん間に寝てたわ。だけどなんか妙に懐かしくて、凄く悲しくなったのは何故だ?うーん(´-ω-`)ほんと疲れたな。あー眠い。いつも眠いな俺。まあいいか、寝る。Zzz(-.-)Zzz・・・・
午前零時頃
「チャリーン…チャリーン…チャリーン…」
錫杖の鈴の音
「チャリーン…ズザッ…チャリーン…ズザッ…チャリーン…ズザッ…」
(何かが近づく音がする。この感じ…お爺ちゃんか?!( ̄▽ ̄;)!また夢枕に…)
「お初にお目にかかる…そなたがそうか…」
お爺ちゃんの声じゃなかった。この異様な雰囲気…そしてこの時代劇に出てきそうな虚無僧スタイル…まるで知らないんだが、向こうは俺の事知っているのか?何故?!こえぇ!!!くるくる?!やべぇ、ヤバイヤバイヤバイヤバイ???そうこうしてるうちに、夢の中で目が覚めてきた。
義人「……どちら様ですか?初めてですよね?会ったこと…有るわけないか。」
虚無僧の人「ある意味、会っているのやもしれん。そなたはあのお方の生まれ変わりなのだからな。私の名前は千子陰府刀鍛冶をしている者だ。」
義人「生まれ変わり???千子…陰府………もしかして千子村正さんの遠い親戚とか?」
陰府「?!もしかして有名なのか?村正の奴」
あれ?以外に話せる人みたいやん。
素敵やん!!
義人「めっちゃ有名人っすよ!!すんごい尊敬してます。もうほんとに、アニメとかゲームやテレビドラマの題材にもなりましたから、ええほんとにf(^_^)」
陰府「羨ましい奴じゃ村正の奴。」
義人「あっ!!あの時代の人はテレビとか知らないんだった。えと…ですね、テレビというのは…」
陰府「知っておるぞ。あの世にもテレビやインターネット、この世にあるもの全て存在している。人以外は全てな。アニメやゲームはあいにく詳しくはないが、それらも全て存在する。」
義人「マジっすか?!あの世ってもしかしてハイテクな世界なんですか?……ン………( ̄▽ ̄;)デモなんでそんな虚無僧スタイルなんですか?」
陰府「あ?これか??これはあれ…演出??雰囲気出しとかんと、低く見られてしまうかなあーて思って。」
義人「あのぉ…目が開くまで体がまるで動かんし、めっちゃ怖かったし、マジでなんか悪霊の類いかとホントに思った。すっげぇマジびびったんすけど( ̄▽ ̄;)」
陰府「いやぁすまん、ジョークだ…軽いジョーク。ワハハハハハハァ~(^O^)」
義人「……( ̄▽ ̄;)…………村正さんとどういうご関係でしょうか」
陰府「奴は子孫で儂は遠い先祖になる。…まあ血は争えんと言うかどうあがいても鍛冶職人になる運命だったみたいじゃ」
義人「(;゜゜)………?!村正が子孫???マジっすか?!」
陰府「あぁマジだwここにはなあ、そなたのじいさんに聞いて来た。」
義人「お爺ちゃん?!知り合いなんですか????」
陰府「あぁ…将棋仲間だ。ネット対戦もするぞ。そなたの好きな村正も将棋大好きじゃ。」
義人「お近付きになりたい(@_@)」
陰府「ハハハっ…そうかそうか、だがそれは当分先の話だ。お主には使命がある。それを伝えに来た。」
義人「指名?…ですか??誰から???もしや将棋ですか?誰?!まさか村正さん???」
陰府「違う、使命だ。役割があると言っておるんじゃ(゜ロ゜;」
義人「あ( ̄▽ ̄;)!!!使命ですね!!」
陰府「そう言うことだ。(こやつ馬鹿なのか?)」
義人「…で、僕に使命とは何ですか?」
陰府「そなたの世界にある過去の遺物…数多くの妖刀の残留思念を消していってもらいたいのだ。」
義人「残留思念???」
陰府「話は長くなるがの…聞いてくれ。」
義人「良いですよ。どうせ夢の中ですし。」
陰府「大昔に鍛冶職人の腕を買われて、かの徳川家康の命により影蔵の一族が全国に派遣された。目的は、武器や防具を作ることだ。」
義人「影蔵の一族とは?」
陰府「儂の弟子達じゃ。千人は…越えとるぞ、数えたことはないがな。腕も確かで儂が鍛え上げた者達じゃ。」
義人「へぇ…陰府さん凄い人なんですね。そんなにお弟子さんが居るなんて、人望がないと中々ついていかないですよ。」
陰府「元々戦によって親を無くした者らを引き取り、森の山奥深くで包丁や家具、陶器等を作って生計をたてていた。そういった技術を引き取った者達に教えて、そのうち少しずつ村が出来て数も増えていった。」
義人「その内弟子だけの村が出来上がった、と言うわけですか?」
陰府「そう言うことだ。有るものは夫婦になり、有るものは家族を呼び増えていった。いつしか儂は、武器や防具など戦に使うようなものまで作るようになった。きっかけは…まあ村の繁栄のため…だった。」
義人「だった…?何があったんですか?」
陰府「そう、何かがあったんじゃ。…ある時今でこそ有名なんだが、妖刀…と呼ばれる刀が出来た。その内の一振りを打ったのは儂だ。白羽の綺麗な、切れ味も実に見事な刀じゃったよ。弟子達もこれに追随せよと切磋琢磨しておった。」
義人「お弟子さんは、妖刀と呼ばれるレベルの刀を作り出せたんですか?」
陰府「あぁ作り上げたやつは…沢山居たぞ。儂の教え方が良かったのじゃ( ̄ー ̄)優秀な弟子達じゃ。沢山の素晴らしい刀や槍、防具が生まれた。その中で妖刀や名刀と呼ばれたものは、影蔵と呼ばれる大きな貯蔵庫に納められた。数え切れないほどにな。」
義人「素晴らしいですね!!武器見るの大好きっす(^q^)ジュルリ」
陰府「そうかそうか、やはり気が合いそうじゃな( ̄ー ̄)…だが、そんな武器の数々が、大きな死を生んだ…大好きなやつらも戦で沢山死んだ。儂ら一族の作る武器の数々は、死んだ者の魂を吸い取り、その数々の残留思念は武器を抜けて化け物へと変異した。」
義人「妖刀の残留思念の数々が…化け物…へ…と…変異…した(゜ロ゜;?!それでどうしたんですか?」
陰府「儂の作った刀の数々で、影蔵の一族共々戦った。結果はどうなったか…」
義人「勿論余裕で切り伏せたんでしょう?」
陰府「なんとか半分くらいは仲間と協力して倒したが…凄惨なものじゃった。蹂躙されたのじゃ。命辛々逃げた者達は僅12人程か…この世のものではなかった…!!」
義人「…陰府さんはその時……死んだんですか?」
陰府「こんな筈ではなかった。儂を含めて皆、良い世の中にしたいと…平和な世の中にしたいと振るった鍛冶の腕。あんな化け者共を生み出すためじゃない。無念じゃ…あの化け者共を根絶やしにしてやりたい…皆無念じゃ…」
義人「僕にどうしてほしいですか?」
陰府「一匹残らずこの世から消し去ってほしいのだ。」
義人「僕にそんな化け物を倒す力、あるとお思いですか?」
陰府「…我は黄泉よりいずる玉鋼の雷なり。たとえその身が砕け散ろうとも、祖の魂は悠久の時を越えて受け継がれるだろう。我が名は、千子陰府… 万雷をもって全てを滅却する雷刃なり……そなたの爺さんも言っていた、『万感』と言われている力が儂の鍛え上げた刀、千子陰府なの
じゃ。儂がこの世で鍛え上げ、あの世で練り上げた…化け者共を消し去る事が出来る刀だ。」
義人「はいっ………」
そう言うと義人は小さくうなずいた。
陰府「来いっ……千子陰府!!」
目の前の空間が歪み青白い稲光りを放ちながら妖刀、千子陰府が現出した。同時に義人の力も体から抜けていった。陰府さんは、宙に浮いたその刀を手に取り鞘からスーっと抜いた…。
陰府「さあーてっ…とぉ……こんな所に居たのか魔物め!!」
その2へ続く
次は千子陰府さん無双ですwww