三人目 下半身麻痺の佐藤よし子さん その3
影蔵の一族と、陰府本人の繋がり、それと有名な徳川家康が絡むことで、物語は広がりを大きくしていきます。
家康「さてどうしたものか…その刀、手に持たせてもらっても良いか?」
陰府「どうぞお持ちください…」
「スーーッ…カチャン…」
手に持った刀を鞘に納め、家康公へ渡した。
家康「これは…以前から持っていたように良く馴染む。」
そういうと家康公は、鞘から刀を抜き出した。刃の波紋全体から白い光がほとばしる。辺り一面白い霧に包まれた。まるでタンポポの綿毛のように飛び散っているようだった。
「スチャッ」
家康公は刀を上段に構えて、目の前の巨大な木を目掛けて袈裟斬りを放った。
「ズバァァァァァァン!!!!!シュルシュルシュル…フッ!」
刀の切っ先から鍔本まで台風のような轟音が鳴り響き、巨大な木は真っ二つに両断され、辺り一面円を描き前方へ巻き込みながら……消滅して灰になった。
陰府「何という威力!!なんという精神力…!誠に天晴れ!!!!」
家康「これは…………!?」
陰府「家康様、力を使ったときに何が見えましたかな?」
家康「…まさに万感の思い…そうだこれは…様々な人の思いか?それが今一つに合わさって…沢山の笑顔と、沢山の花畑が見えた…ぞ……?!」
陰府「…様々な人々の思いが、家康様に力を貸していると思われます。この刀は妖刀…しかし持つ者次第でどんな色にも染まり、その力の出所も様々。私の場合は鍛冶職人をしているせいか、ひたすら切れるような刀を念じ作る日々…故にあのような現象が発生したのでしょう。…家康様は人の思いが見えた。その様な色と力…見たことがない。…真の和睦統一…出来るのやも知れません。そしてそれは、私の願いでもあります。ですのでその刀、お差し上げします。」
家康公は、刀を鞘に納め陰府にそっと返した。
家康「…やはり返そう。よく知った故人の顔がいくつも見えた。わしにその者達から力を借りる資格など…あろう筈がないのだ…」
陰府「…家康様…それは違います…そもそもこの刀は、力を貸してくれる所からしか借りられはしないのです。無理矢理は借りれない…この刀の名は千子陰府私と同じ名前。そしてこの刀にはかくされた真の名がございます。陰府…真の名は千子陰府…現世でないあの世で作られた刀です。千子村正は私の子孫でして、あれの刀は…この刀と表と裏…とも言うべき存在。」
家康「えっ…?スッゴいさらっと色々喋りおるな?!?………………千子村正…だと?!聞いたことがあるぞ……妖刀村正のことか………あの世だと?!ん?同じ千子??どう言うことだ???お主はいったい何者なのだ?」
家康公は、同時に色々暴露されてパニックになったようだ。
陰府「鍛冶職人…( ̄ー ̄)…妖刀と言われる武器を作り出した始祖の鍛冶職人と呼ばれるものでございます…。家康様、影蔵の一族共々宜しくお願いします(_ _)そろそろ時間かな…」
影蔵の一族全員集まり陰府の周りを取り囲んだ。
陰府「皆心配かけたな(´ω`)一族の長っぽく振る舞えたかな???( ̄▽ ̄)」
一族の者「陰府様…行ってしまわれるのですか!?」
陰府「ああ…そろそろか…その前に…この刀、やはり家康様を置いて扱いきれるものは…いないだろう(´ω`)それにあの色…成すべき事を全う出来る者の色だ。間違いない…差し上げますので…使うべき時にお使いください。必ず必要になります。皆も家康様に誠心誠意仕えるのだ……」
刀を家康公に差し出した。同時に陰府の生気が引いていくのが見てとれた。
家康「………わかった。そなたの気持ち、しかと汲み取った。…陰府…そなたすでにこの世には…なんと言ったら良いのか。」
陰府から刀を受け取る家康公。その時、太陽色の強い光が陰府から家康公の刀を持つ手に移った。まるで向日葵のような、暖かな光を纏いながら。
陰府「そろそろ行く…」
一族一同「陰府様ーーーー(ToT)」
陰府「おう、またな(^-^)/…さあてと…いつなるかわからんぞい(´ω`)んじゃバイバーイっ……………でいいかな?」
陰府はスーーっとろうそくの炎が消えるように消えた。陰府は既にこの世にいない死者だったようだ。
一族一同「会うたび…最後言葉遣いが可笑しくなるの何でだろう?( ̄▽ ̄;)」
影蔵の一族とはいったいなんなのだろうか?そしてその口振りから現世に何度か現れては消える陰府とはいったい何者?
妖刀村正と妖刀陰府の表と裏の存在理由…
かの征夷大将軍徳川家康とのその後の影蔵の一族との関わり…
謎は深まるばかりである。
因みにかげくらの一族の字は、陰府から陰府と悟られないように一族の者達が陰府の一族から影蔵の一族と変えた説がある……と、まあこんな話なんだけども…聞いてる???
飯田「Zzz(-.-)Zzz・・バイバーイ
・・んアッ( ̄▽ ̄;)」
佐藤さん「完全に寝てたね?ん??」
飯田「(・・;)………( ̄▽ ̄;)ハイ…すみませんでした」
飯田「時間も過ぎたし帰ります。失礼しましたー(^-^)/」
義人の物語は、まだまだ続く。
次回タイトルからまた現代に戻ります。
鋭意製作中です。よろしくお願いします。