五人目 不定形の魔人フラクタル その1
あの世の悪しき者と言う意味あいの強い魔人がこの話以降出てくるようになります。今回は記憶の魔人の話やそれに関係するアイテムについても触れていきます。
国立図書館のような場所…だが窓の外から見える景色は真っ白だ。ここには沢山の数え切れない書物が置いてある。実に様々な種類だ。
義人「ここは……?」
「はじめまして、まあゆっくりして行きたまえ( ̄▽ ̄)」
見たこともないような巨乳美女がそこに立っていた。かなり色っぽい。図書館の管理者だろうか?
義人「あの…どちら様ですか?」
「俺だよ俺…ふふふふふ。本渡しただろ?」
義人「?!??…もしかしてフラクタル君か?いや…フラクタルさん…かな?すっげぇ巨人の魔人やったやんか?しかも声まで女の人みたく…何にでも変われるの?変わりすぎやろそれ ビシッヾ(・・;)」
義人は思わず突っ込みを入れた。
その時!!頭をそれてその突っ込みが、溢れんばかりの胸の谷間に挟まってしまった!!!!!……
フラクタルさん「…んあぁ!ん…♡」
義人「あ!!ご…ごめんっ!(゜ロ゜;」
「チャリっ!!!」
よみっちは刀を抜いて構えた。
よみっち「貴様……義人殿をたぶらかすか?ワシに対して殺気が駄々漏れじゃぞ…………!!!」
フラクタルさん「おいおいおい、そりゃねぇぜダンナ(・∀・)そっちだって俺の仲間をかなり殺ったじゃねぇかよ???俺は義人君の友達なんだぞ?良いのか?」
義人「(ちょっと気持ちよか……じゃなくてヤベー…よみっち激おこぷんぷん丸やんけ。あ!そうだ印の話だった。)」
義人「あーーーっ!!(゜〇゜;)フラクタルさんあの印のことやねんけど!!あれデザイン変えることできひんかな??!」
義人は強引に話を切り込んだ。
よみっち「(そうそう、それが目的じゃ)」
フラクタルさん「あのマークやっぱり嫌?」
義人「さすがにうんちは…もしかしてわざと?」
フラクタルさん「プッ( ´,_ゝ`)…絶対呼んでくれると思って。」
義人「やっぱりわざとか( ̄▽ ̄;)あれじゃ仕事出来へんから(・・;)」
フラクタル「じゃあ指輪とかどう?取り外しができるし。」
義人「良いね。クロムハーツみたくかっこいいの出来るかな?」
フラクタルさん「お安いご用だ我が友よ。」
フラクタルさんは、両手の平をピンと伸ばし向い合わせにした。すると3Dプリンターみたいにクロムハーツ風のリングがみるみる組み上がってきた。
フラクタルさん「ほら、私の魔力で編み込んだ特注品だよ。中指にもぴったりサイズだ。これで現実世界でも呼び出せる。」
クロムハーツ風のその指輪には、中央に五芒星の形があしらわれてあり、最前面には西洋の両刃剣がクロスしたような彫刻がなされた感じのデザインだ。ネックレスのトップにしても様になりそうなカッコ良さである。これぞいぶし銀。
フラクタルさん「普段は君の脳内に居るから、いつでも呼び出せるよ。」
義人「フラクタルさんは一体どの姿が本当の姿なんや?」
フラクタルさん「さあーてね…考えたこともないけど、今のこの姿が本当だと良いな。まあ、ゆっくりしていってよ。」
フラクタルさんは、その時初めて少し悲しそうな顔をしていた…。そんな気がしてそれ以上聞け無かった。
義人「そうか………。あ!そうそう、よみっちに聞いときたかってんけど、その魔物の残党?どうやって見つけたら良い?」
よみっち「そう言うと思って用意してきた、受け取れ。」
義人「ボールペン?どうやって使うん?」
よみっち「そうかそうか(・∀・)知らないんだったな?先端に付いてるボタンを押すんじゃ。」
義人「ここ…?」
先端にボールペンのノックボタンのような物があり、そこを押すとなんと?!シュルシュルと音を立て、薄く黒いシートが飛び出して大きめのスマホになった。
義人「ヘ(゜ο°;)ノ…え?何これ???スゴい!シートからなんかスマホ画面みたいなものが出て電源入った。え?え?!スマホなんこれ?凄い………軽い(゜ロ゜;」
よみっち「びっくりしたじゃろう?( ̄▽ ̄)それ誰が作ったと思う?義人殿も知っているあの『スティーブ ジョブズ』なんじゃ。」
義人「えぅぇいうぇ?!じゃあこれってアイ○○○?!平成最後の遺産と呼ばれたあのアイディアがこれ??俺最先端のスマホ持ってる!!!!」
よみっち「そうじゃ。デザインの元になったものは、なんと…巻物なんじゃ。それっぽいじゃろ(・∀・)ちなみにボタンをもう一度押すと自動で巻き取るようになっておる。」
義人「…ほんまや!言われてみれば、飛びだし方も巻物ぽかったな。スーゲェ斬新なデザイン。ジョブズさん実は日本びいきなんかもな。うわぁ…鳥肌立った((゜ロ゜;」
よみっち「…そのスマホにはな、魔物の気配を探知出来るアプリが入っておるんじゃ。『魔物供養』と言う。この世にいる魔物の残存数表示機能と、魔物の現在地表示機能が備わっておる。先ずは、そのアプリを開いてみい。」
義人「何種類かアプリが入ってるな………あったぞ、これか?魔物供養…これやな。」
魔物供養アプリを開くと、早速反応!!
義人「ええ…と、残存数は、2319匹???聞いてたより増えてない?そしてこの場所にいる魔物は…1匹、場所名は……悠久の記憶図書館!!これって…」
よみっち「そうか…昔よりも数が増えておるか……そしてこの場所にはフラクタルとか言う魔人が1匹いる…という事じゃ。」
義人「うーーーん…聞いた話じゃ昔1000匹いて、何とか半分くらいまで倒したとか言ってなかった?」
よみっち「実はのう、このスマホの製造にあたり、わしも協力しておるんじゃ( ̄▽ ̄)」
義人「うっせやろぉ…(゜ロ゜;ちょぉジョブズさんとそんな(;´д`)うらやま…じゃなくて…何でそんなことになんの?マジあんたなにもんやねん!??」
よみっち「わしの刀はこっちじゃすごく有名なんじゃ( ̄ー ̄)当然ワシは超有名人じゃぞ。」
義人「確かに、よみっちの刀はすごく綺麗でカッコいい…じゃなくて何で妖刀の魔物以外にも反応するようにしてしまったの?」
よみっち「協力してもらってる者の意向で魔人以外にも悪しき者であれば討伐して欲しい、と言う要望があり反応するようになってしまった。詳しくは聞いておらんが、恐らく『ついでに倒してくれ』と言う考えなんじゃろうな。」
義人「えらいサブイベントやな………( ̄▽ ̄;)魔人だけ相手すると思ってたのに…( ̄▽ ̄;)」
よみっち「ついでで良い。そんなに強くはないから安心しろ。あ!!魔人だけを調べる場合は、アプリ内の設定に魔人のみ検索か他の魔物もあわせて検索か選んで設定を固定出来るんじゃ」
義人「なーんかようっ(;´д`)これってよぅ!( ̄▽ ̄)!やり損じゃねぇかよう(`ω´)!もう、わかったよ。気が向いたら討伐しとくわ。」
義人は何故かネットの落とし子シャムさん風に突っ込んだ。
よみっち「さあ肝心の魔人の数が気になるのう。早速魔人のみで設定してみてくれるか( ̄ー ̄)」
義人「これでようやくほんとの数がわかるんやね。んーと設定からチェック入れて…と………はいっ、はい来ました!残存する魔人は、105匹か( ̄^ ̄)」
よみっち「随分減ったのう、しかし残ったのは厄介な魔人ばかりということになる。特に寿命の短い者に取り憑いていると、あの世との繋がりが強くなり、多量の瘴気を纏い強くなる。十分用心するんじゃ。」
義人「ちょぉ?!今凄いこと言ってたな?随分減って今残ってる魔人が選りすぐりの精鋭なのはわかる。寿命の短い者に取り付いてると………強さが増すの????何で?ええ?!初耳!もっとはやくゆってよぉぉん(;´д`)…まあ、用心するよ…いや割りとマジで。」
あの世で作られたスマホが、後々重要なキーになってきます。お楽しみに。




