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最強のお嫁さんが俺を甘やかします ~もう頑張らなくていいんだよ!~  作者: 灯色ひろ
第六章 実家に帰らせていただきます編(新婚旅行編)

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ママカツ、はじまります

 ――『ママ活』。

 それは聖都で現在流行中の活動であり、子どもを持つ現役ママたちはもちろん、これからママになろうという者たちも含めた妊娠・出産・育児に至る一連の『家族計画』を指す。魔族たちとの戦争が終わったことで女性たちはより育児に専念出来るようになり、ママたちによるコミュニティは活性化し、ママ活は大きく広がっていた。フィオナも、以前から街の奥様たちにあれこれ話を聞いていたのである。

 クレスにはまだその概念がよくわからなかったようだが、それでもフィオナの気迫だけはちゃんと伝わったようだ。


 フィオナはやる気を瞳に灯して話す。


「はい! ママ活です! ただ、あまり焦るのはよくないかもって、わたしに子どもが出来にくい体質なのは、神様が考える時間を与えてくれたのかもしれないって、エステルさんやセリーヌさんがアドバイスしてくれて……。子どものことを第一に考えたら、ちゃんとわたしたちのこれからを想定した後でもいいのかなって、思ったんです」

「あ、ああ、そうだね。それは大事なことだと俺も思うよ。ヴァーンなんかは、『若さに任せて好き放題やりまくりゃいいんだよ。後のことは後で考えろグワハハハ』と笑っていたが……」

「ええっ。そ、それはヴァーンさんらしいですね……」


 ぽっと赤くなるフィオナ。レナが「無責任おじさん……」と目を細めながらつぶやいていた。


 それからフィオナは気を取り直して言った。


「そ、そういうわけでですねっ、この機会に、わたしたちの『家族計画』を立てておきませんか? 例えば、いつ子どもを作るのか、何人作るのか、家族でどうやって暮らしていくのか……そういうことを、もう少ししっかりと考えてみたいなと思ったんです」

「家族計画……そういうことか。もちろん俺も賛成だよ。確かに、親になる者として未来を考えておくことは大事だ。家庭を作るとはそういうことだろう。目先のことばかりで、俺も無責任だったように思う。すまないフィオナ」

「そ、そそそんなクレスさんは悪くないですよっ! わたしもその、ク、クレスさんと結婚出来て嬉しくて、毎日が楽しくて、舞い上がってしまっていたと思うんです。クレスさんと子どものことを考えたら、もっとしっかりしたお嫁さんになるべきだと気付けました! なのでその、い、一緒に、これからのことを考えてもらえますか……?」

「フィオナ……ああ、もちろんだ。これからもよろしくお願いします」

「は、はいこちらこそですっ!」


 お互いに歩み寄り、手を取り合う二人。

 そんな二人の間で、レナがミルクのカップをテーブルに置いて足をぷらぷらとさせた。


「仲が良いのはいいんだけどさ……それって、二人だけで話した方がいいんじゃないの? レナがいていいの?」

「「え?」」

「……え?」


 クレスとフィオナが「何を言ってるんだ」とでも言いたげな目で同じ反応を示したからか、レナの方が呆然とした顔になった。


 クレスとフィオナが揃ってレナの両隣に座る。


「レナがここにいなくては問題だろう。家族の話なのだから」

「え」

「そうだよレナちゃん。だから、レナちゃんがいてくれる時に話したかったんだよ」

「え…………っと……」


 レナは両隣の二人を何度か見やって、それからその顔が紅潮していった。

 クレスがレナの頭を撫でる。


「眠たい中で俺たちを待っていてくれて感謝するよ、レナ」

「うん、ありがとうレナちゃん。レナちゃんは妹がほしいんだよね? えっと、もうちょっとだけ待っていてもらえるかな? わ、わたし頑張るよっ! レナちゃんがお姉さんになれるように、頑張るからね!」

「フィオナにだけ頑張らせるわけにはいかないな……よし、俺も頑張ろう」

「あ、クレスさんは頑張らなくて大丈夫ですよ」

「やっぱりダメなのか!?」

「ダメです♥ このアディエルの家族は、わたしが頑張って守ります! というわけで、アディエル家の家族計画スタートです! みんなで、幸せな家族を作りましょうね♪ えいえいおーです!」

「わ、わかった。えいえいおー」

「ほらほら、レナちゃんも一緒にやろうね、えいえいおー!」

「さぁレナ、一緒にやってみよう。えいえいおーだ」

「わ、わかったから。その……え、えいえいおー……」


 ノリノリな夫婦に挟まれたレナは、二人に手を挙げさせられて一人赤くなる。

 それからクレスとフィオナは、アカデミーでは時間がなくて話せなかった旅の思い出をレナに聞いてもらい、夜遅くまで盛り上がったのだった。


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