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僕達は異世界で安寧を求める  作者: 無気力な天狗
2/4

未口くん無理をする。

今回は残酷な描写がチラホラ出るので一応注意です…

探索を初めて30分は経っただろうか、道なき道をずっと歩いて、さすがに疲れてきたな……

波山さんも少し辛そうだ。


「波山さん、ここで一回休憩しない?」

「うん…わかった、そうしよう」


そういって俺は近くに生えている木のもとに座り寄りかかる。

波山さんは俺の正面に座った。

それにしても何もないな…どうしよか……少し腹も減ってきたし、野草とか?いやいや、怖すぎるだろ…

もし食べて、毒草とかだったら洒落にならんな


「あ、スマホで連絡とれるかな…」


そういいながらポケットに手を入れスマートフォンを出し電源を入れた

……あれ、時間がHRホームルームから三時間も経ってる、ってことは30分ぐらい歩いたから2時間判前か…

まぁ、それは置いといてだ、とりあえずマップアプリで位置情報を…あ、ここ圏外だ・・やっぱり樹海のなかって電波が通じないのか…


「はぁ~…」

「未口くんどうしたの?」


俺がため息をついたからか波山さんが俺に声をかけてくる。


「いやぁ~、やっぱり樹海ともなると携帯の電波入ってこないのかぁ…って」

「この大きな木がきっと邪魔してるんだとおもう…」

「そっかぁ~………ん?じゃあ、この木を登れば電波が入るかもしれないってことか!」


閃いた、こういう時にこう天才的な発想ができるやつがやっぱりモテるよね!……彼女いないけど…


「未口くんて…その…アホなの…?…」

「え?」


波山さんが急にアホって言った…え、聞き間違えかな…そうだよねきっとそうだ!


「ごめん波山さん、今なっていったかもう一回聞かせて」

「いや……未口くんってたまに…アホだよね…」


聞き間違えじゃありませんでしたー!いや…波山さんに言われるならそれはそれで……


「未口くん、この高さ登れないよさすがに……それにもし落ちてここで怪我されても……困る…」

「あ…うん、そうだね、ここで怪我してたら抜けられる樹海も抜けられないよね」


波山さん正論……後先考えないのは悪い癖だな……


「そういえば、波山さ……」


俺が、そう言いかけたとき5、6m先の茂みが「ガサガサ…」と不自然に揺れた……他のクラスメイトか…いやもしかしたら俺たちをここに置いてきた犯人かも!?

そう思い俺は携帯のメモ機能を使って「あれがまだ何かわからないから様子を伺おう」と伝え木の陰に隠れソレが出てくるのを待つ。

ウサギとか食べれる動物だったら大歓迎だな!そんなことを思っているとソレは姿を現した。


「「……ッ!?」」


俺と波山さんは驚きソレをさらに凝視する。


ソレは人の形をした何かだった…

身長は120㎝ぐらいで深緑色の肌、目が血走ったかのように真っ赤で口元には牙のようなものが生えていて耳が軽くとんがっている。

服装は何かの革を腰に巻いているだけのようだった……

あれは何なんだ…?


「波山さん、どうする?」

そう、携帯のメモ機能を使って伝えたら、波山さんも自分の携帯を制服の懐から出し画面を見せてきた。


「少しずつ距離をとって逃げたい」


そりゃ、未知の生物にはかかわりたくないよね……

俺は波山さんの目を見て頷き少しずつ後退することにした・・・・


「……パキッ…」


あ、やってしまった、落ちている小枝を俺が踏んでしまったのだ……それはもう静かな樹海ですから響くは響く……こんな緊張したのはいつぶりだろう。

そんなことよりあの緑の化物みたいのはどうなった?


「グルゥ!」


そう言ってこちらに向かってくる歩を早めているさっきは角度的に見えなかったがあの緑の化物は手に60cm程ありそうな木の棍棒を持っている。


「波山さん!隠れて!!!」

「で、でも、未口くんが!」

「大丈夫だから、隠れて!」


俺はそう言って波山さんが隠れたのを確認し化物を迎える…


「グォオオオオ!!!」


化物はそう一声上げると猛ダッシュしてくる

やばい、来た!


俺は猛ダッシュしてくる緑の化物めがけて学生カバンを投げつけた

緑の化物の顔面にヒットして手から棍棒がこぼれ落ち、化物が倒れた!

緑の化物が倒れている隙き距離を詰めて馬乗りした状態になり、制服の胸ポッケットに入っていたシャーペンで緑の化物の両目を潰した。

うぇ、気持ち悪!なんか、グジュグジュしてる…もう、吐きそう!

そんなことを思いながら暴れる緑の化物を抑えて喉にシャーペンを突き刺そうとするが向こうを命がかかっている、必死の抵抗をされ化物の爪に左腕が引っ掻かれる……


「――っ!!」


傷はそんな深くないものの制服とワイシャツが引き裂かていた。

一旦距離を取り、木の物陰に隠れ様子を伺う………


はぁ…はぁ…基本運動しない俺に化け物を倒すのは少し、いや割ときついな


緑の化物は手探りで草むらに落ちた棍棒を探していた……残念!距離を取るのと同時に持ち帰ってきました!仕事早くて頭が回る俺って…やっぱり天才じゃね?


「未口くん!後ろ!!」


波山さんの声と同時に緑色の化物が俺が背にしていた木に体当たりを食らわしてきた。

俺は蹌踉めきながらもなんとか立て直し横に飛んだ

…どうやって場所がわかった!?両目は潰したはずなのに…まさか化物だから回復したのか……いや、違うもしそうなら緑の化物は俺を追撃してくるはずだ。

よくあの化物を観察するんだ……あ、息遣いが荒いのかわからないけど微妙に鼻がヒクヒクしてる、とおもったら今度も俺の方向めがけて体当たりもしようと猛ダッシュしてくる

なんとか間一髪で避けてまた距離を取る……そしてまた一定の鼻ヒクヒク時間タイムが訪れる。

やっぱりこれ匂いであと追ってきてるよね……体臭?それとも血の匂い?わからんけど制服にはどっちも匂いが染み付いているはず!

そう思って化物の横に向かって制服を投げた、すると間違えなく化物がその制服の方向めがけて猛ダッシュして木にぶち当たるが気を失わずによろよろしている。


あれ?これ、いけんじゃね?


そう思い化物のは背後から近寄りもともと化物が持っていた棍棒を化物の頭に向かって上から下に振り下ろした。

かなりの威力だった……緑の化物が倒れた…そっと見ると化物の頭が凹んで潰れた目玉らしきものが飛び出ている…


「はぁ…はぁ…もぅ……大丈夫かな……?」


俺はつけれていて小さな声しか出せなかった……そして緊張が溶けたのかその場に座り込んだ・・・・そして、前かがみになり吐き始めた・・・・・


「うぇ‥…」

当たり前だ、誰だってこんなグロ画像よりも鮮明なやつ見たら吐くに決まってる…まぁやったのは俺なんだけど…


吐き始めてからしばらく吐いて……気分が少し落ち着いたのを見計らってか、波山さんが茂みから声をかけてくる


「未口くん大丈夫?」

「波山さん‥…大丈夫だよ…けどこっちには来ないほうがいいかも…‥割とグロいよ‥‥」

「う…うん…わかった」


俺は立ち上がり波山さんの声がした方の茂みに近寄るとスッと波山さんが…出て来る


「未口くん、随分無理をした…ね」

「うん‥波山さんは怪我してない?」

「うん‥…私は大丈夫…それより未口くん座って…」

「え?……あぁ、うんわかった」


そう言って俺がその場に座ると波山さんが俺の左隣に座りカバンの中からポーチを取り出し、そのポーチの中から消毒液と少し大きめの絆創膏を取り出した。


「んんんん!!!」


手当してくれる波山さん優しいな~そう思っていたらいきなり傷口に消毒液をかけてきた


「滲みるけど、我慢」


波山さんはそう言うと垂れた消毒液を拭き取り少し大きめな絆創膏を何枚か貼ってくれた……


「波山さん……ひと声かけてから始めてほしかったな…‥」

「これは、無理した罰…‥」


波山さんはそう言って消毒液と絆創膏をポーチの中にしまってジッと見つめてくる……そんな瞳で見つめられたら…‥照れるなぁ~


「未口くん……もう、無理はしないで……お願いだから……」


涙目になりながら波山さんは俺のをジッと見つめて手を握りながらそう言ってくれる。


「うん、分かったよ、ごめんこれからは出来る限り無理はしないようにするよ。」

「うん‥‥」


俺は少し驚いた、こんなにも波山さんが俺のことを気にかけてくれているのかと……いや、きっと今は頼れるのが俺一人だからそう言ってくれるのだろう。

それでも俺は嬉しかった…‥多分俺は波山さんのことを好きになってきているのだろう…吊り橋効果ってすごいな!


「波山さん、ここから移動しよう…」

「でも、未口くんそんな体で動けるの?」

「いや、ここはあの化物の血で他の化物がよってくるかもしれないから少しでも移動したい」


俺は緑色の化物の死体の方向を指差しながら言うと波山さんは「分かった」と言ってくれた。


そして俺達はさっきの化物がいた方向と真逆の方向に歩き始めた。


最後まで読んでいただきありがとうございます!

次回いつになるかわかりませんが、読んでくれたらうれしいです!

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