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光差すところ闇、現れる。

ドドドドドーーーーーーーン))))))


希望の広場にあるモニュメントが大音響と共に吹き飛んだ。


遠巻きに、それを眺める特権市民階級の一団。


プロビデンスの目という大きな闇の力から恩恵を受ける彼らは


従順な兵士もしくは諜報員として暗躍し、手先として反体制派の粛清を行っていた。


言うまでもなく、彼らの言う反体制派とは貧民解放運動連盟だった。


B層とい屈辱的な名称で貧民たちを(さげす)


もはや奴隷とも家畜ともいえる同じ扱いを強いていた。


貧民解放運動の象徴である七っの希望の星が刻まれた石板が粉微塵に砕けた跡地にポッカリと空いた穴。


爆風が止み砂ぼこりが去った後、静かな足取りで陥没した穴近くへと歩み寄る男。


名をマラルタ.トリッキー、特権市民階級(MT)の支部長である。


黒々とした長い髭を蓄えた筋肉質の男で、まだ年若い青年ようではあるが


さながらナチスドイツの将校を思わせる黒一色の軍服の身なりは粛清隊長としての威厳が満ちていた。


腰のサーベルを抜き陽に翳すと光が陥没した穴に現れた階段を照らした。


『やはり、ここにあったか。』


マラルタ隊長の指示に従い数名のMT隊員がサーチライトを手に階段を降りていった。


(しばら)くすると三人の人物が拘束されて穴から出てきた。


博士たちの姿を認めたマラルタ隊長は皮肉たっぷりの口調で話し出した。


『これは、これは、お久しぶりございます、名高き博士の皆様。』


『これから、愚民の片棒を担ぐのでなく我らプロビデンスの方へ与力して頂きたい。』


キッと厳しい表情でマラルタ隊長を睨む三人の博士。


やがて後から出てきたMT隊員がマラルタ隊長に近づき報告した。


『隊長、愚民紙幣印刷機に爆薬を仕掛けました。』


『印刷済みの愚民紙幣も焼却いたしました。』


マラルタ隊長は深く頷き呟いた。


『ご苦労!』


MT隊員から起爆装置のスイッチを受け取った彼は印刷機の設計者である博士たちを前にほくそえんだ。


『我らに、(あがな)う事が如何に無駄な努力であるか、これでおわかりのはず』


ドドドドドーーーーーーーン)))))))


起爆装置のスイッチがマラルタ隊長により押された。


『これで、あなた方がの計画も灰塵へと帰した。』


『ここで、我らに従うか、それとも、あくまで抵抗し自ら死を選ぶか、選択していただこう!』


三人の博士は互いに顔を見合わせ、高笑いした。


『そのような質問は私たちに対する侮辱以外の何物でもない!!』


『私たちは地涌の女神を頂点とする湾岸水滸伝の義兄弟!!』


『仲間を裏切り生き延びて何の意味がある!!』


しばらくの静寂の時が流れた後…………マラルタ隊長が口を開いた。


『何と気高きことよのう!』


『流石は湾岸水滸伝の勇士よ!』


『ならば、お前たちの望み通りに死を授けよう!』


『MT銃撃隊、構えよ!!』


『お前たちの救世の女神にでも祈ることだな、ワハハハハ…………


『待てーーーー!!』


『その物たちを殺してならん!!』


後方から聞こえた声の方を振り返るマラルタ隊長。


『誰だ!!』


『この私に指図するとは!!』








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