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狂気の弾丸
壇上に立つ油葉大地に向かい一発の弾丸がいづこからともなく放たれた。
バキューーーーーン》》》》》
その弾丸は油葉大地の心の臓を貫通し背中の希望の旗印を血で染めた。
ざわめき立つ群衆の一団が、一人の男を取り押さえた。
その男の手にはピストルが握られていた。
年の頃は30過ぎくらいで、スーツで身を装った紳士。
壇上で崩れ落ちる油葉大地の姿を見届けると薄笑いを浮かべた。
凛花は、突然の出来事に茫然としていたが幼いながらも父の危急を悟り彼のもとへと駆け寄った。
『お父さんーーー!!』
彼は娘の凛花に最後の言葉を述べた。
『強く生きなさい!』
『そして人々の真の指導者として悪を糾弾し奮い立つのだ!』