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目覚め

『貧民による貧民のための貧民による政治!


もはや、これ以上、1%の富裕層の傲慢を許してはならない!


我らは一握りの金持ちの奴隷でなはいのだ!』


声高に壇上から満場の人々に訴えかける白髪混じり初老の男。


現代十戒に敢然と立ち向かう貧民解放運動の旗頭『油葉大地』である。


彼に寄り添うように幼い少女が袖をしっかり握って離さない。


彼の一人娘、凛花の姿もそこにあった。


『お父さん……お腹空いたよう。』


老婆が壇上に近付きパンを二つに割って凛花に手渡した。


『お食べ……』


頬が痩けてふらふらと体を左右に揺らす凛花。


『おばぁちやん……ありがとう。』


幼い瞳に涙をためて老婆からパンを受け取った。


ひと欠片のパンさえも貴重な命を支える大切な食料だった。


貪るようにパンを食べる凛花の姿は、何も珍しいものではなかった。


この希望の広場に集まった人々は、誰しもが同じ状況にあつた。


油葉大地は娘の姿を見て更に話を続けた。


『このような社会を誰が望んだろうか!』


『通貨発行権を大衆の福祉に着眼する真の指導者に戻すのだ!』


『私利私欲に走る一部の人の形をした悪魔の頭に今こそ怒りの鉄槌を下す時だ!』


『そうだ!そうだ!』


『その通りだ!』


『我らの自由を悪魔から取り戻すのだ!』


群衆の間から大きな賛同の喚声があがる。










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