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授業⑦

(これはチャンスだ!)


 イリカはスズ役をやる事になり、喜びの声を心の中で叫んだった。

 昨日、ルシゼエルから受けた嫌な出来事をやり返せる。9大魔王の娘であるスズ役をやる中で、スズの命令であれば、ルシゼエルの様に身分の低い者なら大抵の命令は聞かなければいけない。ルシゼエルが困る様な事をやらせよう。昨日、ルシゼエルからやられた事に苛立って眠れなくなるくらい感情は高ぶっている。


(では、具体的に何をやらせるかだ。シミュレーションをしてみよう)


 ◯◯◯ イリカの心の中での想定シミュレーション


 スズ役であるイリカはまず、笑顔で微笑みながら、ルシゼエルに向かって、


「ゼエル、もしよかったら、どっかデートに行かない?」

「わかった。じゃあ、どこに行く?」

「どこに行くじゃないでしょ?」

「す、すみません、本当は俺が考えなきゃいけないのにそんな事を訊いてしまって……」


 ぺこぺこ、情けなく頭を下げるルシゼエル。

 イリカは、ぺこぺこと頭を下げているルシゼエルの頭を丸めたノートで『ぽんぽん』と叩きながら、


「本当にわかってるの?」

「わかってます」

「じゃあ、誠意を見せなさい、誠意を!」

「誠意ですか?」


 マヌケを絵で描いたような顔でイリカを見てくるルシゼエル。

 イリカは、心底呆れて、『はあ……、』とため息をつき、


「ゼエルは本当に何もわかっていないわねぇー。

 誠意っていうものは、自分で考えて行動で示すものでしょ⁉︎」

「ーーうっ……、すみません、頭が悪いもので……」

「ゼエルは本当にバカだものね。

 じゃあ、仕方がないから、私が教えてあげる」

「ありがとうございます」


 尊敬の眼差しでイリカを見てくるルシゼエル。

 イリカは、髪をかきあげ、


「じゃあ、まずは跪きなさい」

「はい、」


 跪くルシゼエル。

 椅子に座っているイリカにもルシゼエルの頭部が見える。


「じゃあ、下を向きなさい」

「はい、」

「これから、記憶がなくなるくらいゼエルの頭を叩くから。

 気持ち悪い声を出さないでよね!」

「はい……、けど、なんで記憶がなくなるくらい叩くのですか?」

「それはね、昨日私が見た夢に、記憶がなくなる代わりに力を与えられるって設定の男が出てきたわ。

 ゼエルも記憶をなくせば、頭が強くなるんじゃないかって思ってね」


 笑顔で説明した後、スカートを捲り上げて、ムチを出すイリカ。

 ルシゼエルはイリカのムチを見て青ざめ、ブルブルと震えだす。

 イリカは優しく、


「どうしたの?」

「ーーちょっと、イリカのムチを見たら恐ろしくなってきてしまって……」

「へえぇ、でも、ムチで叩いて記憶をなくすのは、ゼエルが頭を強くするのに必要な事……、手術だと思って我慢しなさい」

「わ、わかりました。愛のムチだと思って我慢します」

「愛……?」

「ーーち、違う……のですか?」

「私がゼエルの様な豚を愛する訳がないでしょ!」

「ーーブヒッ(酷い……)」

「勘違いしたゼエルには罰を与えます」

「ブヒ、ブヒヒッィ? (罰? いえ、ご褒美!)」


 目をキラキラさせて言うルシゼエル。

 イリカは、醜い豚を見るような視線をルシゼエルに向け、ルシゼエルの肩を『ゲシゲシ』と踏み、


「醜い豚め、じゃあ、選択をさせてあげましょう。

 ①上半身裸で全身をムチを打たれるか、②下半身裸で全身をムチを打たれるか、どっちがいい?」

「ブヒッ、ブヒッ、ブィイィ(両方で)」

「あらあら、片方しか選べないのに、両方を選ぶなんて……、本当に頭が弱いようね」

「ブヒッィッ(すみません)」

「ちゃんと謝る事はできるようね。

 よろしい、今回は特別にゼエルのお願いを聞いてあげましょう」

「ブヒッ、ブヒッ、ブヒヒッィ(どうもありがとうございます)」


 急いで服を脱ぎ出すルシゼエル。

 そうして、イリカは思い存分ルシゼエルの体にムチを打ったとさ。


 ◯◯◯ イリカの心の中での想定シミュレーション終了

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