表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/66

授業④

 ルシゼエルがスズに初デートを、ユミのお礼会と一緒にやろう、と提案した事に対して、スズ、アリカ、イリカはそれぞれの反応を見せる。


「つまり、ゼエルはみんながいる所でいちゃいちゃしたいと?」と、スズ。

「…………」(うん、違うよ。俺はスズと二人きりになるのが嫌だからだよ)

「んっ、なんだ? ゼエルは大胆だな」と、アリカ。

「…………」(大胆っていったい何が? 俺とスズがみんなの前で何をやるって思ってるの?)

「えーと、今度はみんなに見られている中でスズに馬乗りになると?」と、イリカ。

「…………」(みんなの前でスズに馬乗りになんかなるわけないじゃん、って、俺は人気のない所だってそんな事はしないけれどな!)


 こんだけ突っ込みどころの多いスズ達の反応があると、なんて返答したらいいのかルシゼエルは困る。本当の彼氏ではなく、彼氏役にすぎない俺にいったい何を求めているのだろうか? スズ達はふざけてやっていると思いたくなるような表現だ。

だが、現在のスズ達の表情から、ふざけているとは思えないような雰囲気が伝わってくる。スズは初デートに期待を膨らませて行っているような表情。アリカはルシゼエルとスズとどんな行動をするのか興味津々な表情。イリカは変質者を見つけたような表情をしている。ここは無難な回答をスズ達にしておこう、とルシゼエルは思い、


「いや、いきなり深い仲になったような行動はしない」

「ーーえっ…………、『いきなり深い仲になったような行動はしない』……、って事は……、徐々に時間をかけて深い仲になっていき……、キャッ……」


 口を開けて驚いた表情をした後、顔を徐々に赤らめていき、恥ずかしそうに顔をうつむきになるスズ。

 アリカは、ニヤニヤしながら、スズの方を向いて、


「きっと、ゼエルはデートの1〜2時間ぐらいたったら、スズと深い仲になろうとしてくるからな」

「いや、ゼエルは1時間も待てずに深い仲を迫ってくるに違いありませんわ」

「イリカ、俺はスズに深い仲になろうと迫ったりなんかしない」

「……えっ……、なぜ?」


 と、さっきまで恥ずかしそうに下を向いていたスズが、意外そうにルシゼエルを見る。

 ルシゼエルはむしろこちの方がそんな事を聞かれて意外だよ、と思いながら、


「いや、なぜって、俺は彼氏役、つまり本物の彼氏なんじゃないんだから、当然だろ」

「ひどい、いくら本物の彼氏じゃなくったって、彼氏は彼氏なんだから、彼氏らしい事をすべきなんじゃないの?」


 と、上目遣いでスズはルシゼエルに訴えて来たのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ