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授業③

「しっかし、ゼエルを彼氏役にっていっても、日常系では具体的にどんなことをやらせるんだ?」

「うーん、ムチ打ちなんてどうでしょう。

 まさに、スズとゼエルの熱き触れ合い」

「いや、イリカ……、ムチ打ちなんて普通の彼氏彼女はしないから。

 いったいどんな関係を想像してるんだ?」

「アリカ。私が想像しているスズとゼエルの関係は、奴隷ゼエルがお姫様のスズに身も心も全力で捧げる姿ですわ」

「うわぁー、時々、私とスズとイリカで恋バナをした時と同じ事を言っているよ。

 今は本当にどうしようっていう話をしている時にそんなことを言い出すなんて、イリカは冗談で奴隷彼氏にお姫様彼女って言ってたわけじゃなかったんだな」

「私がスズとアリカの前で嘘つくはずがないわ」


 と、言って、ほお膨らませるイリカ。

 アリカは、まあまあ、とイリカの肩を叩いて、


「ここはスズがどうするかを聞いてみようぜ。

 で、どうするんだ? スズ?」

「私は……、アリカとイリカにいつも話しているように、ロマンチックなデートを……、まずは夜景の綺麗な所で食事をして色々とお話をして……、キャッ……」

「キャッって、いったい何をスズは想像したんだ?」

「えーと、えーと、それはぁ……って、アリカは何を言わそうとしてるのよ」

「何をって、ナニを?」

「ごほん、私の事はいいわ。

 いつも恋バナをする時にいないゼエルの話を聞いてみましょう」

「おっ、そうだな。

 スズの言う通りで、いつも女しか意見を聞くことがないから、男の意見を聞いてみたいよな」

「そうですわね。アリカ。

 私も変態さんのお話を聞いてみたいわ」


 スズ、アリカ、イリカは興味深そうな目でルシゼエルを見てくる。


(さて、なんて答えようか……)


 ルシゼエルは、スズ達の質問に対してなんて答えるか困った。そもそも魔界ではどんなデートがセオリーなのかは知らないし、 ちゃんとしたデートプランを考えてスズに気に入られて何回もデートするようになってしまっても面倒だ。だから、むしろ最悪なデートプランを考えた方がいいかもしれない。最悪なデートプラン……、それはスズが求めたデートの逆をやればいいのだろう。景色の悪い場所……、例えば、ゴミの産廃所という臭い場所で、まずい食事を食べるというのはどうだろう。なんなら、この俺がまずい食事をしっかりと作ってスズに持って行ってもいいのかもしれない。だが、そんなスズにあえて嫌われるプラン立てるのは勇気がいる。もしかしたら、いずれ問題が起こった時にスズに助けを求める時が来るかもしれない。その時に、あん時よくも最悪なデートをしてくれたわね、とか言われて、助けてくれないって事になってしまったら大変だ。無難なプランを考えよう。こういう場合、冷静に考えて天界であればどんなデートをするのか考えてみよう。天界であれば……、くそっ、デートなんかした事がないからどういうのがいいのかわからない。ただ、天界であっても女性の喜ぶような所に行くのだろう……。んっ? 待てよ、天界といえば、ユミが怪しい男から助けてもらった事に対するお礼の会を開くって言ってたな。それと、デートを一緒にしてしまえばいいんじゃないか。


「スズ、いきなり2人きりでデートをしなくてもいいんじゃないのか?

 今度あるユミのお礼会の時を利用して徐々に彼氏ができたようにアピールしていけばいいと思う」


 ルシゼエルはスズ達がこの内容で了解してもらえるよう、祈るようにスズを見て言ったのだった。

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