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転生②

 ルシゼエルが次に目を覚ますと、あたりに建物がなく、荒れ果てた荒野の中にいた。おそらく魔界なのだろう。

 ルシゼエルが魔界に来たのは久しぶりになるが、天界や人間界とはまた違った雰囲気や空気を覚えていた。以前、魔界に来たときはそんなに長く滞在したわけではないし、いろんなところを巡ったわけではない。なので、今いる場所が、魔界のどこになるのかまではわからない。

 そうやって、ルシゼエルが自分のいる場所を見渡していると、目線がいつもと違っていて低くなっていることに気がついた。自分の体を見ると、身長が低くなっており160cmくらいになっていたのだった。白い学ランのような服を着ており、黒い髪が肩にかからないくらいの長さで、ルビー色の目だった。

 ルシゼエルがそうやって体を確認していると、空からゆっくりとサタンが羽をはばたかせながら降りてくる。


『思ったより早く起きたな』

「この体はいったい?」

『ああ、その体な。

 天使の姿だと魔界では何かと不便だろうと思って最高の体をプレゼントしてやったぜ。

 それに、そこに落ちている剣もプレゼントだ。

 両方とも最高の代物だ。俺様に感謝しなっ』


 そう言って、胸を張って威張るサタン。

 ルシゼエルはサタンに言われた剣が気になり、手に取り、抜いてみる。すると、全ての光を吸収する黒水晶色の刀身だった。やや細身で軽く、振りやすい印象を受ける。

 ルシゼエルはそんな風に剣を観察したあと、構えたり、軽く振り回し、試しに何か斬ってみようとする。

 そんなことを、ルシゼエルがしているときだった。

 サタンは不満そうな声で、


『おい、おい、俺様が色々やってやったのに感謝の言葉すらないのかい?』

「悪かった。ありがとう」

『まあ、俺様は感謝の言葉がなくったって根に持つような男じゃないけどなっ』


 と、言いながら、ルシゼエルから感謝の言葉を言われて、照れ臭そうにするサタン。そのあと、サタンは遠くのほうを指でさし、


『ところで、最初の仕事だ。

 あっちのほうに行きな。魔王ルキフグがいる。

 そして、魔界について色々と教わりな』

「つまり、天界に攻め込むためには魔界の力を最大限に集める必要がある。

 だから、まずは魔界のことをよく知ろ、ってことなんだな?」

『そうだ。俺の少ない言葉からちゃんと意図を理解できるとはさすが俺様が見込んだ男だな』


 じゃあな、とサタンは言ってどっかに飛んで行ってしまったのだった。

 そうして、ルシゼエルはサタンが指でさしたほうに歩き出したのだった。

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