俺は100回死んだ
はじめまして。人生で初めて小説に触れ、書いてみました。
記憶を失った主人公と、自称「親友」の青年。
だがその青年は命よりも重い秘密を抱えている...。
ループする世界で何が起きているのか……。
拙い部分もあるかと思いますが、楽しんでいただければ幸いです。
──気づいた時には、俺の体はバラバラになっていた。
《ゴーン》
「......またか」
"鐘の音"が鳴った。
そしたら、俺は記憶を失っている。
それを何度も繰り返してきた。
───────
───100回目
気づくと俺は、夕日が綺麗に見える海の砂浜で寝ていた。
水面はまるで、ルビーでできてるのかと思うほど赤く美しい。
「綺麗だな......」
だが、海を見て黄昏ている時にふと思った。
「名前......なんだっけ......」
目が覚めた時には記憶を失っていた。
自分の名前も、ここにいる理由も、全てが分からない。
しかもひどく体が重い。フルマラソンを完走した後のようなダルさと疲れが俺を襲っていた。
所持している物は何も無く、周りにも人は居ない。
俺はどうすることもできず、行く宛てもなくさまようしかなかった。
来た道を戻り、そして進む。それを繰り返す。
「これからどうすればいいんだよ......」
そんな時、俺より少し身長が低いくらいの中性的な顔立ちをした青年が声を掛けてきた。
そいつは、どこが見覚えのある顔で、年齢は俺と同じくらいだろうか。
俺の様子をみて心配して声を掛けてくれたのか...?
「君は神谷朧。この世界でたった一人の親友なんだよ.....?」
「思い出せる...?」
今にも涙が零れそうな表情で言われた。
それなのに、瞳の奥には乾いているように見えた。
俺はこいつのことを信じきれなかった。
いくら記憶を探ってもこいつとの思い出は何も無い。
それでも、胸の奥に響くような何かがあった。
一応もっと詳しく聞いてみるか?
だが、次に言葉にしたのは質問ではなく否定だった。
「違う、俺は......」
無意識にそう言っていた。
俺は......なんだっけ.....?
喉の奥くらいまででていたのに、すぐに忘れてしまった。
「思い出せ、僕は中原凪だ」
その男は俺の目に訴えかけるようにそう言った。
だけど、名前を聞いてもピンと来ない。
いきなり思い出せって言われても、こいつと俺は知り合いだったか?
そんな時だ。
いきなり、右腕に焼かれるような痛みが襲ってきた。
「は......?」
自分の腕を見て絶句した。
俺の腕はまるでパズルのピースのようにバラバラに砕け散っていく。
「ッ......ア...ア゛ア゛ア゛ッッ」
痛い、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。
熱い。熱い熱い熱い、なんでこうなってる?
骨を直接砕かれるような感覚。
腕からは血が滝のように流れ出していた。
この時には、もう呼吸は上手くできなくなっていた。
あぁ.......がッッッッッ、どうし、どうすれば......。
助けて助けて助けて助けて助けて助けて...
その痛みも恐怖も、だんだん遠ざかって、凍えるような寒さに変わっていく。
「寒い寒い、なんだこれ、」
「俺......死ぬ...?」
青年は何かを言っているようだが、頭が真っ白になり、よく聞き取れない。
「朧、お前は......」
そして、気づくと俺の視界には自分の足が立っていた。
上の方を見ると、それには首がなかった。どうやら俺の首は地面に転がったらしい。
「え......?」
その瞬間、俺は真っ黒になった。"鐘の音"と共に。
「またか.....もう嫌だ............。」
《ゴーン》
Loop100のエラーを検知。
再起対象:凪。
《静寂崩壊エラー》
復興プロトコル起動──
.........
《記憶侵食エラー》
───中原凪は削除されました。
100回目終了。
そして、俺はまた記憶を失った。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
これからも読んでいただけると嬉しいです!




