年賀状の価値
「来年もよろしくお願いします」と書いた年賀状が届いた。
宛先は息子宛なので、きっとこの葉書の主も同級生で、書いている時の気持ちのままに書いてしまったのかなと、クスリと笑った。
年賀状の切手部分は種類があるので、他のと少し違う柄だわぁと思いながらも、そのまま息子の受け取り分に振り分けた。
家族分を全て振り分け息子に渡すと、早速、先程私が笑った年賀状を見つけ、笑いだした。
「うわー!本当にアイツ馬鹿だ!」
「書いている時の気分のまま書いちゃったのかもしれないね」
私が少し庇って言うと、思わぬ答えが返ってきた。
「これ、前の年の年賀葉書だよ」
「え!?」
もう一度見せてもらうと、確かに年号表記が去年だった。切手部分が違うなぁとは思ったのに、前年の年賀葉書を送ってくる人がいるなんて思いもせず、意識の中になかった。
「間違って使ってしまったのかねぇ?」
「わざとだよ。だって、来年もよろしくって書いてるし」
そんな斬新な年賀状、子供の考えることは、大人には考えが及ばないようだ。




