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-i  作者: リョーシリキガク
6章 財閥編

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51/51

cos 51x 「薔薇の入浴剤2」

 工場棟の奥深く、うす暗い照明の下で、有馬とリリスは死闘の真っ只中にいた。鋼材の山を押しのけるように、悪魔が這い出してくる。黒い皮膚に骨のような外殻、口元からは螺旋状の触手が伸びていた。


「な、なんだこれは……っ! お前ら! 守れ!」


 セレス国の外務大臣が、作業デッキの縁で震えていた。


「もちろんです! 離れないでください!」


 有馬の声が飛ぶと同時に、彼の右手に黄緑の光が灯る。光が実体化し、淡く唸る剣となった。刹那、悪魔の一体が大臣に向かって突進を始める──。


「下がれっ!」


 リリスが地を蹴り、横滑りに悪魔の進路へ飛び込む。

 そのまま大臣を抱きかかえるようにして床を転がり、寸前で悪魔の爪をかわす。白いスーツの背が裂け、リリスの髪が宙を舞った。


「くそっ……!」


 有馬がテレキネシスを発動。空気がうねり、悪魔の巨体が弾かれるように吹き飛んだ。壁に叩きつけられた個体が一瞬動きを止めると、有馬は光剣で一閃。

 悪魔の首を断ち、黒い液体が床に弾け飛ぶ。

だが……


「一匹、抜けた!」


 工場の通路奥、警報がけたたましく鳴る中、別の悪魔が影のようにすり抜け、式典会場方面へと消えていった。


 そのとき、階段の方から足音が重なる。


「7番隊、援護に到着しました!敵影を確認、迎撃します!」


 黒の戦闘服が翻り、数名が即座に配置についた。


「ターゲット補足、左手前──っ!」


 先頭の一人が叫び、手を前方へ突き出す。すると、空気がひしゃげたように歪み、不可視の衝撃波が悪魔の体を押し潰す。

 別の隊員は手に持った銃を構え、空間を裂くような銃声を一発──

 先ほど抜けかけていた悪魔の個体が、寸前で撃ち抜かれて崩れ落ちた。


「一体討伐!」


 後方から声が飛ぶ。


 さらにもう一人、背中に背負った巨大な盾を展開し、悪魔の突進を受け止めながら仲間の前に立つ。雷のように走る音とともに、電撃が盾を伝って悪魔を焼く。


 しかし、悪魔は起き上がった。


「っ、奥からさらに来ます!三体、いや四体……!」


 影が重なり、地響きとともに悪魔たちが這い出してくる。リリスは一瞬息を呑み、ナイフを握り直す。細かい傷が腕を走っていたが、気に留める様子はない。


「キリがない……どこかで押し留めないと……」


 そのときだった。

 濃密な薔薇の香りが鼻先をかすめる。すぐ傍の棚に並ぶ、薔薇の入浴剤──淡紅色の液体。リリスの瞳が見開かれる。


「封印装置と同じ成分……っ!」


 有馬が振り向きざまに声を張り上げる。


「入浴剤!!力を込めれば、悪魔を引き寄せられる!」

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