cos 4x 交際相手
交際相手のアパートは、歩いて数分の場所だった。
白いレースカーテン。整然と畳まれたブランケット。
清潔で、女性らしい香りが漂う部屋。
しかしリリス曰く
「被害者が見たのは、この部屋じゃない」とのことだった。
彼女は、テーブル越しに有馬たちと向き合っていた。
20代半ば。表情は落ち着いており、涙の跡は乾きかけていた。
合鍵を持っているのが彼女だけであることから、第一容疑者ではあるが、犯行時刻にアリバイがあった。
「……私たちは、交際していました。けど、最近は同棲ではなくて。彼が一人で部屋を借りて」
冷めていった原因は、プレゼントのお返しが金銭だったこと。それはもう小売業では?と腹が立ったらしい。
「昨夜の23時頃、買い物をなさっていたと伺っています。その時買ったものか、そのレシートを見せて頂いても?」
「ええ。甘いものが食べたくなって。プリンの容器は捨てちゃいましたけど、レシートが」
有馬は礼を言って受け取り、リリスに渡す。
「本当にコンビニを訪れているわ。店員さんは若い男性ね」
ミユは目を見開いた。アリバイは本当らしい。
「彼と何か、最近トラブルは?」
「……いえ。さっき言ったようなすれ違いはあったけれど……誠実な人でした。
真面目で、些細な約束も破らない。誰かに恨まれるようなこと…だから信じられないんです。どうして……」
彼女は言葉を詰まらせたが、涙はもう出なかった。
その後、リリスが浴室を確認するも、入浴剤の痕跡もなく、浴室の構造がまるっきり違っていたそうだ。
最後に彼女は静かに言った。
「お願いします。彼の仇を…取って、ください」




