表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
極東の神国  作者: 灰色坊や
【第X章】ちょっと未来の話
4/31

【4話】 最強の盾は、最強の矛にもなる


「なーるほど」武良(むら)はスチャッとマグナムを腰に差す。


『武良くん、それを使わない手は無い――』


「言わなくても分かっとるっつーの!」


 岡部(おかべ)の言葉を遮った時、A子が武良に向かって氷の壁をぶん投げてきた。

 うなりをあげながら回転して向かってくる氷の壁を、武良はサイドステップでかわす。微震と共に、氷の壁が地面に突き刺さる。

 突き刺さった巨大な氷の壁を、武良は片手で軽々しく引き抜いた。スマホ五台分くらい分厚い氷の壁を、武良はA子に向かってぶん投げる。


「うおりゃあああああああああ!」


 ゴシュッ! 武良が目一杯に回転をかけて投じた氷の壁は、初動でそう鳴いた。

 そのままシューー! とシャープな音を奏でて、氷の壁は回転しつつA子に向かう。A子は咄嗟に、己の前方に氷の壁を張って防御。

 やや右にカーブする軌道を辿った氷の壁は、A子が造り出した氷の壁を綺麗に両断し、そのままA子を斬首した。

 A子の首は静かに氷の大地に落下し、その胴体は空中でグラッと後ろへ傾く。血等は一切出ず、首の切断部はマネキンのように白い。

 武良が投じた氷の壁は、高層ビルのど真ん中にぶっ刺さった。その衝撃で、ビルのガラスや壁の破片がパラパラと滴り落ちる。


『さっすがアタシらのミスターサード。ナイスコントロール。一撃で決まったね』


「いや、俺の予想が正しければ――」


 奴らには第二形態の上に、第三形態がある。そいつらは、


「恐らく、今回の奴も両方しなきゃダメだな」


 武良の予想通り、A子はそのまま白煙となって消滅しなかった。首が無いまま、後ろに傾いた体を空中でゆっくりと起こして、両手に氷の壁を造り出した。時間差で、先ほど落下したA子の首が白煙となって消滅。


「ったく、こりねえな」


『また最強の武器にされるのにねー。学習能力無い?』


 ここで岡部のライフルが放たれたが、A子は背後に氷の壁を造り出して難なく防御。その壁を使い捨てるようにして、A子は垂直落下させた。そして先ほど両手に出した氷の壁を、それぞれ片手で武良に投じてくる。

 武良はヒョイヒョイとバックステップでかわし、地面に突き刺さった氷の壁を一つ拾った。ヒンヤリとした壁を、武良は再びA子に投げ返した。今度はA子の心臓部を目がけて……。やや左にカーブしつつ、氷の壁はA子に向かった。が、氷の壁はA子の真正面で、音も鳴く消え去ったのだった。


「なっ!」


『にい?』


 阿吽の呼吸で驚愕した武良と岡部。それを嘲笑うかのように、A子は両手に氷の壁を出して武良に投じてきた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ