表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
極東の神国  作者: 灰色坊や
【第1章】 外に出たいオレンジの少年
15/31

【8話】 実質不可能


 自由時間の後も、午後四時まで授業がある。内容は、今年も中学程度。授業が終われば自由時間。


 無論、学校の敷地内から外に出ることは許されないし、無断で出ようとしても出られない。

 何せ校内の至る所に監視カメラが設置されており、怪しい動きをしようものなら、すぐさま迷彩服を着た男が襲来して、仏頂面で警棒を振り回してくるからだ。


 奇跡的に監視カメラの目をかいくぐれても、あのドデカい壁が立ちふさがってくる。


 壁の内側の周りでは、権蔵(ごんぞう)のように迷彩服を着た男たちが常に徘徊していて、見つかったら即、校内に連行される。


 更に奇跡が起こって、壁の内側で徘徊する男たちが居なくなったとしても、壁を突破することは容易ではない。


 壁には通り抜けられる扉こそあるが、扉には何重もの厳重なロックがかけられており、ロックを解除できる一部の人間にしか突破できない。


 つまり鳥のように空を飛ぶか、モグラのように穴を掘って下を進むかの方法でしかドデカい壁は突破できないのだ。


 また更に奇跡が起こって扉のロックが解除され、壁の外に出たとしても、壁の外側にも厳重な警備網が張られていて即捕まる。


 ……要するに、ムイがこの学校から出ることは、現実的に考えれば不可能なのである。


 学校には、ムイの個室が用意されている。学校の教室として使われていた場所を改装したこともあってか、個室は十五畳とだだっ広く、風呂、トイレもある。


 部屋の家具は共通して冷蔵庫、布団、折り畳み式のテーブルのみ。冷蔵庫は、頼めばいくらでも貰えるペットボトルの天然水(五〇〇ミリリットル)を冷やす役割を成す。


 部屋はマンションのように横並びになっていて、南校舎の一階と二階に男子の個室。

 北校舎の一階と二階に女子の個室と、きちんと分けられている。

 因みに図書室は男子の個室がある南校舎の三階にある。


 北と南の校舎に挟まれる校舎は中部校舎と呼ばれており、他の校舎と違って改装はされていない。授業が行われる教室や、職員室がそのままの状態であるのだ。


 今、中井(なかい)はその職員室(一階)に向かっていた。権蔵から呼び出されたのだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ