表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/40

第21話 今日はアソブ日♡(お布団編)

アッ♡なシーン、最後はお布団編です。


―お布団編―


衣央いおは風呂から上がって間もなく、布団に入り寝息を立て始めた。


 時間は0時を過ぎ、日付は変わっている。楽しければ楽しいほど、1日は早く終わってしまうのである。

 しかし、1日はこれからだと言わんばかりのやる気と元気で、響の取り合いをする2人のオトナがいた。伊奈瀬いなせ永久野とわのである。確かに、時間的には1日はこれからであるのだが。


「ひーくんは私と寝る約束をしてるの!」

「それは寝るときの話でしょ!寝るまでの間はそんなの関係ないし!」

「もう寝るもん!」

「あの...衣央さん寝てるのでもう少し静かに...」

「ひーくんは静かにしてて!」「ひっきーは黙ってて!」

「は...はい」

 争いの火のが飛んできた響は、立って言い争いをしている2人をよそに、布団にもぐることにした。毛布をめくって、寝転がって、毛布をかけて...。


バサッ!!


その瞬間、2人が両隣に飛び込んできたのだ。

仰向けの響。右を見れば伊奈瀬。左を見れば永久野。たまらず響は、布団にもぐりこんだ。

しかし響はさらに目のやり場に困ることになった。


もぐりこんだ先にあったもの。それは、大きく育った果実である。響は慌てて目を閉じた。


「さあひっきー。どっちがいいか選びなさい」

 布団をめくり、頭上からのぞき込むように見下ろす伊奈瀬が言った。

「でも、どっちにしても一緒の布団で寝るのは私だからね!」

 同じように響を見る永久野も言った。


 響はただでさえ布団の中で広がる良い香りに頭がぼうっとしているのに、強制的に与えられたのが、この世紀の難問である。


 それでも響は目を閉じたまま、頭をフル回転させて考えた。

(顔は両方いいんだけど、どっちかと言えば伊奈瀬。でも性格は永久野で、声は...やっぱり永久野。髪は長い方が好きだから伊奈瀬で、足のサイズは...あああっ!)

さすがは世紀の難問。簡単には答えを見つけられないのである。

諦めかけた響は、無意識に目をあけた。解決の糸口を見つけたのはそのときだった。


(胸だ...!)


 そして響は、永久野の胸に飛び込んだ。



「くっ...ふん、いいわよ!明日は私がひっきーと寝るんだから」

そう言って伊奈瀬は、反対側、衣央の寝ている方を向いてしまった。


永久野は胸元にいる響に顔を近づけ、響にだけ聞こえるようにささやいた。

「私の勝ち...だね」

そして響は、体中の骨が折れる勢いで抱きしめられた。その力強さが、響のアレを元気にさせるのであった。


「...離してください」

「やだ」


永久野に開放され、響が眠りにつく頃には、時間は1時を回っていた。




*人物*

国見響くにみひびき  :物語の主人公で、県内の高校に通う男子高校生。妹とアパートで2人暮らし。

国見糸葉くにみいとは :響の妹。県内の中学校に通う女子中学生。

王那おうな      :3次元世界の神様。第1話で登場した、謎の少女の正体である。

神楽美心かぐらみこ :神社に仕える巫女。

角末かくすえ伊奈瀬いなせ:17歳の女子。入れ替わりにより4次元から転移した。

永久野とわのあい:17歳の女子。伊奈瀬とは幼馴染。

科戸衣央しなといお :16歳の女子。いつでもどこでも誰にでも敬語で話し、素直な性格。

・杉野ヤヌ(すぎのやぬ) :響の前にオーナーをしていた、20代前半の男性。口調は軽め。

・福田あいり:バグ調査組織RGBの副リーダー。

篝茶緒かがりちゃお  :バグ調査RGBのサードリーダー。

中野旗音なかのはたね :響と同じクラスの女子高校生。成績・人柄ともに良く、男女どちらからも人気が高い。

仕立したてハルヤ:響と同じクラスの男子高校生。響の仲の良い友達である。


*発生したバグ*

・空白の半日

 2028年2月28日の昼12:00~夜24:00までの12時間の記憶を持つ者はいない。

・国見糸葉のオトナ化

 国見糸葉は身長およそ230cmのオトナになった。

・中野旗音の消失

 2028年2月28日を最後に、中野旗音は姿を消した。

・神社の違和感

 3次元と4次元をつなげる神社。

契約成立ディール

 4次元の住人は3次元世界において武力での戦闘を起こすことはできず、これに従い決着をつける。

・言語の統一

 バグに直接関係しないものはすべて、日本語に統一された。

・2月30日

 存在しない日。響とオトナなどのバグに関する人間以外は、その運動を停止する。

・謎のインターホン

 自然石の近くに出現したインターホン。響の呼び出しに応答はなかった。


アッ♡なシーンはいかがでしたか?

本作のメインであるバグからは少し離れてしまいましたが、次回からは3月2日(響がオーナーになってから6日目)以降のお話が始まります。


小ネタ)

 時間切れ(タイムリミット)についてのおさらいです。オーナーは世界の所有権を持つ者のことですが、王那と契約をしてから1週間で時間切れ(タイムリミット)を迎えます。ただし響の場合は、存在しないはずの2月30日という1日を挟んだので、8日間のオーナーとしての時間があります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ